3月27日に総務省が発表した全国消費者物価指数について、国際面で速報した。
前年比で物価の上昇はゼロで、黒田日銀総裁の掲げる2%には程遠い。黒田総裁は果敢な緩和政策を実施したが、彼がコントロール出来ない2つの要因、消費増税と原油安によって、十分な効果が出ていないとする。黒田氏の政策を評価し、その効果が十分出ていないのは、彼のせいでは無いと言っている様に読める。
***** 以下記事本文 *****
この記事は次の様な書き出しから始まる。
「日本の消費者物価を示す重要指標が一年前の2月から物価にあまり変化がないことを示した。日銀が過激な経済再生策を実施してから2年が経過したが、日本がデフレに向かっているのではないかという懸念がより深まりつつある。」
「政府は金曜日に主要物価指数が0%になったと発表した。これは、2013年5月以来の低い水準であり、日銀がこの春までに達成すると誓った2%からはほど遠い。」
このデータは、安倍首相が取り組んでいるデフレ脱却の政策がいかに難しいかを物語っている。日銀の黒田総裁は、スケジュールが遅れてはいるものの、予定通りに進んでいると言う。しかし、彼はそのプログラムの開始時に比べて、より大きな問題を抱えている。原油価格が想定を越えて下落したことだ。黒田氏はこの4月にも追加の緩和策を実施するものとみられているが、企業幹部、エコノミスト、政治家等がこれ以上の緩和には慎重になっており、これが黒田氏にとっての障壁になっている。日銀は、確かにインフレ目標の達成には苦しんでいるが、そのの政策は、金利を下げ、円安を誘導し、株式価格を上げることに成功したと言っている。
トヨタの様な大企業は記録的な利益を計上し、労働者に大幅な賃上げを実施する。こうした動きは、黒田氏が望んでいた良いサイクルをもたらかもしれない。しかし。これまでのところ、実経済へのインパクトはあまり無い。黒田氏はバズーガを打ってから7四半期が経過したが、GDPは年率0.2%しか伸びていない。
「日銀の円安誘導の結果による輸入コストの高騰、消費税増税により苦しめられている消費者は消費することに躊躇している。企業調査によれば、ビジネス界の幹部、特に中小企業の幹部も、設備投資に消極的だ。」
「そのうちの幾つかは、日銀がコントロール出来る範囲外での進展の結果だ。日本政府の負債を減らすために導入された消費税増税は、日銀の政策による成果を打ち消した。原油価格の下落は、インフレを引き下げた。」