Monday, December 15, 2014

日本の安倍が選挙で大勝利を記録【A1面】


衆議院選挙の結果が15日(月)の一面で速報された。


この記事は、次の様な書き出しで始まる。
「日本の安倍首相は、選挙で決定的な勝利をおさめた。これにより、世界第三位の経済を再生させ、平和国家の軍隊を強化することを目的にした政策を実施するための権力の確保を確実なものにした。」
「この勝利により、安倍氏率いる連立与党は、殆ど全ての法案を通過させることの出来る権力と十分な議席数を手に入れることが出来た。首相は、今後4年間その地位に留まることが出来、最近では最も安定した力をもった政治家の地位を確固たるものにした。」

長い記事なので、暫く要約する。

安倍首相にとって、最大の懸案は、経済の再生だ。彼は、企業に賃上げを要求し、経済回復の恩恵を感じていない国民にその恩恵を行き渡らせると言った。この選挙は、安倍首相にとって大きな賭けだったが、その賭けにでた効果はあった。自民党は、衆議院の475議席のうち、290議席を獲得し、連立与党を組む公明党と併せると衆議院の3分の2以上の議席を確保した。
安倍政権下で、株価は倍増し、大企業は記録的な利益を出した。これは、安倍首相が選んだ黒田日銀総裁が実施した金融緩和による円安の効果だ。しかし、円安は、輸入品価格の値上がりにより中小企業や一般の庶民を苦しめ、国家の負債は膨張し続けている。
安倍首相にフラストレーションを感じる国民は、投票しないという行動を選択し、投票率は過去最低の52%だった。投票に足を運んだ多くの人も、自民党以外に投票する党がいないと述べた。野党第一党の民主党の議席は73議席で、自民党に対する不満票は21議席を確保した共産党へと向かった。
多くの投資家が安倍首相が構造改革を実施するか見守っている。安倍首相は原発再稼働の様な不人気な政策にも取り組むことを確約している。また、軍事強化を実施するチャンスも得た。しかし、沖縄での選挙結果は、安倍首相に沖縄に米軍の新基地を作ることを難しくした。沖縄に4つある全ての選挙区で自民党推薦候補が落選したのだ。外交も中国や韓国の関係など困難が待ち受けている。

この記事は次の様なコメントで締めくくられている。
「『私の優先課題は経済です。しかし、同時に私は戦略的外交にも重点をおきます。日本の地位を改善させ、国益を守ります。』と安倍首相はNHKとのインタビューで述べた。」
 「安倍首相の強化された権力は先進国の中でも印象的だ。唯一の例外はドイツのメルケル首相か。アメリカでは、オバマ大統領の反対党が11月に議会の完全な支配権を得た。フランスのホランド大統領の支持率は12%まで落ち込んだ。対照的に、安倍首相は最近の日本の歴史の中では最も長期政権を維持する首相とになる。日本では過去四半世紀の間に17人に首相が入れ替わったのだ。」

WSJは、安倍首相が、その安定した地位を利用して、強力に政策を推し進めることを願っている様だ。