Monday, December 31, 2018

** 2018年のまとめ **

2018年のウォールストリートに掲載された日本関係の記事は85件だった。2014年が180件、2015年110件、2016年115件、2017年114件、2018年85件と次第に減少する傾向にある。


テーマ別では、政治関係が24回(2017年:56回、2016年:49回、2015年:39回、2014年:75回)、経済関係が36回(2017年30回、2016年:38回、2015年:40回、2014年:62回)、社会関係が25回(2018年:28回、2016年:28回、2015年:31回、2014年は43回)。ここ数年の掲載回数と比較すると、政治関係が激減、経済関係が横ばい、社会関係が微減という傾向が見られる。

毎年、掲載件数を押し上げるのは、「選挙」「安倍首相訪米」「米大統領訪日」の3つもニュースだ。過去4年間を見ると、2017年は衆議院選挙、安倍首相訪米、トランプ大統領訪日、2016年は参議院選挙、安倍首相訪米、オバマ大統領訪日、2015年は安倍首相訪米、2014年は衆議院選挙と、この3つに関するニュースが毎年取り上げられてきた。2017年も2016年もこの3つの関連ニュースだけで、実に21件も掲載された。

しかし、2018年は「選挙」も「安倍首相訪米」も「米大統領訪日」なく、これが政治関係のニュースを掲載回数を押し下げ、結果として全体の掲載回数も減少させた。

掲載回数減少のもう一つの理由は、掲載回数が5回を超える様な、重大ニュースが少なかったことだ。掲載回数が5回を超えるニュースは、2017年が7件、2016年が4件あったが、2018年がゴーン氏逮捕の1件しかなかった。

また、1面の下に、世界の面白い文化や習慣を伝えるコラムがある。2015年はこのコラムに8 件の記事が掲載されるなど、毎年日本の面白い文化が取り上げられていたが、2017年には1件に減少、2018年はついにゼロとなってしまった。日本も不思議の国から普通の国になってしまったということか。

掲載箇所別では、1面が12回(2017年6回、2016年:13回、2015年:15回、2014年:25回)、国際面が63回(2017年93回、2016年:83回、2015年:87回、2014年:125回)意見欄が5回(2017年11回、2016年16回、2015年:7回、2014年:24回)、その他が5回(2017年4回、2016年:3回、2015年:1回、2014年:6回)となっている。
1件が12回で、2017年に比べると増加したが、12回のうち8回がゴーン氏逮捕関係の記事で、これを除くと4件にとどまった。

これらの85件の記事の中から、恒例の「WSJが選んだ2017年日本の十大ニュース」を、独断と偏見で選んでてみた。 順位は、1面トップ:5点、1面:3点、社説:2点、その他:1点として得点順。同点の場合は掲載回数と掲載順(掲載時期が早いものを上位)で決定

今年は、1点よりも多い得点のニュースは8件しかなく、十大ニュースが成立しなかった。ゴーン氏の32点は過去最高で、このニュースの得点が突出していた。
1位:  ゴーン氏逮捕(32点、12回掲載)
2位:  外国人労働者受入れ(5点、3回掲載)
3位:  日銀金融緩和政策維持(4点、4回掲載)
4位:  大坂なおみ全米オープン優勝(3点、3回掲載)
5位: 日本企業に相次ぐ品質データ改ざん(3点、1回掲載)
6位: 武田薬品、シャイアー買収(3点、1回掲載)
7位: ホンダ、研究開発費削減(3点、1回掲載)
8位: ソフトバンク、ウィワークに資本参加(3点、1回掲載)

8件のうち政治関係は1件だけ。経済関係が実に6件を占め、経高政低だった。

ちなみに読売新聞の読者が選んだ2016年の重大ニュースの上位10は次の通り。
1位:平昌五輪で日本は冬季最多13メダル。フィギュア・羽生結弦は連覇

2位:西日本豪雨、死者220人超
3位:日大アメフト部選手が危険タックル。スポーツ界で不祥事相次ぐ4位:テニス・大坂なおみが全米オープン優勝、四大大会で日本人初5位:日産・ゴーン会長を逮捕6位:北海道で震度7、道内全域で停電7位:ノーベル生理学・医学賞に本庶氏8位:オウム松本死刑囚ら元幹部の死刑執行9位:大谷翔平、メジャー新人王に10位:大型台風襲来、関空が冠水し孤立

WSJ,、読売双方のトップ10に入っているニュースは「ゴーン氏逮捕」と「大阪なおみ全米オープン優勝」の2件。ちなみに、2017年は1件、2016年は1件、2015年はゼロ、2014年は2件だった。

アメリカから見た日本と、日本からみた日本には、微妙な違いがあり、面白い。