外国人労働者の受け入れ拡大に向けた改正出入国管理法(入管法)が、8日未明に成立したが、WSJはこのニュースを同日の国際面で速報した。
この法案により今後5年間で30万人以上のブルーカラーを受入れる予定であること、移民アレルギーの日本でも深刻な労働者不足の中「外国人労働者受入れ拡大はやむなし。」とする世論が過半数を占めていること、野党は現状の技能実習制度の問題点を指摘して強く反対したことなどが、詳細に報道されている。
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日本は、労働者不足を解消するために、土曜日に国会を通過した法案のもと、今後5年間で30万人以上のブルーカラーの外国人労働者を受入れる計画だ。
これは、日本は、大規模な移民を長い間拒んできたが、この法案は、日本にとって、大きな方針変換だ。日本では、外国人労働者無しでは多くの産業で労働者不足を補うことが不可能になってきた。建設業や看護ケアなどの業界では、求人数は応募者数の4倍にもなっている。
日本の人口は、慢性的な低出生率により、2010年頃から減少し始めた。一方で、ここ数年の堅調な経済成長により、仕事の機会は増加している。今年の初めに、失業率は、1992年以来最低のレベルまで低下した。
経済団体は、外国人労働者に対する規制を弱めることを求めるロビー活動の先頭に立ってきた。
新しい法律により、2種類のビザが新設される。ひとつは、一定の技能を持つ労働者に与えらえるもので在留期間は5年間。もう一つは、熟練労働者に与えられるもので、在留期間は無期限だ。日本政府は、最初の5年間で34万人の労働者に在留許可を与える計画だ。
日本の世論調査によれば、日本では歴史的に移民に対する反対が根強いが、外国人労働者の受入れについては、僅差で受入れを支持する人の方が多い。移民に対する懸念は、外国人が社会に溶け込めるかどうかにある。日本の人口の約2%が、外国人だ。
新しいのビザの申請者は、基本的な日本語の能力を持っていなければならない。多くの申請者が、平均賃金が日本よりも低いアジア諸国からになると見られている。
安倍首相は、高齢者や女性を労働人口に組み込もうと努力してきたが、労働者不足が深刻な特定の分野には、外国人労働者を受け入れるしか選択肢が無いと発言した。
法案が審議された木曜日の国会議論で安倍首相「我々は、外国人と共存出来る社会の創設を計画しています。」と述べた。
法案は、土曜日の早朝に、賛成票161対反対票76で、参議院を通過した。衆議院は既に通過しているので、これにより最終的に法案は成立した。日本政府は、新設されたビザの適用を来年4月に開始したい意向だ。
野党議員は、法案は、健康保険や福祉プログラムなどを含む、社会に対する影響をきちんと評価しないままで、議論が拙速だとしている。現状のプログラムでの残業代の不払いを問題視する議員もいる。現状のプログラムでは、外国人は技能実習目的で日本に5年間滞在できる。
技能実習制度は、開発途上国の人々の技術ノウハウの習得を支援するために設けられた。しかし実際には、日本人労働者を見つけることが出来ない企業が、安い労働者を雇う手段となっている。最新のデータによれば、2017年10月現在、約25万8千人の外国人技能実習生が働いている。
木曜日に野党立憲民主党の有田芳生議員は、国会の委員会で、法務省のデータによれば、2015年から2017年の間に、69名の外国人労働者が事故、病気、自殺などの原因で死亡したと述べた。同省はデータを調査すると述べた。