Friday, November 23, 2018

日産取締役会ゴーン氏の会長職を解く【A1面】

1122日に日産の取締役会はゴーン氏の解任を決議したが、WSJは翌23日の1面でこのニュースを速報した。これで、ゴーン氏関係のニュースは、3日連続で1面に掲載されたことになる。


 検察が、有価証券報告書への虚偽の記載の疑いだけで、企業トップを逮捕するのは異例であり、検察はもっと大きな容疑を掴んでいるのはないかとしている。また、日産側も、彼らが知っている全てのことを外部公開していない可能性があることを示唆している。ウォールストリートジャーナルの記者が、ゴーン氏に会うために東京拘置所を訪れたが断られたことも紹介。アメリカでは収監されている容疑者にマスコミが簡単に会えるのだろうか?

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ゴーン氏が会社のお金を使って、個人の家を購入したり、姉に便宜を図ったという疑いが浮上する中で、日産の取締役会は、木曜日に無記名で、ゴーン会長をその職から解くことを決議した。
関係者によれば、日産は、ゴーン氏がオランダの子会社を使って1,800万ドルを支出させ、個人の家を購入し、改修したことをつきとめた。リオデジャネイロのコンドミニアムやベイルートの一戸建てなどだ。ゴーン氏はブラジルで生まれ、レバノンで育った。
この関係者によれば、それに加えて、ゴーン氏はオランダの子会社を使って、彼女の姉にコンサルタント料と称して、数回の支払いを行っていた。例を挙げれば、彼女は、リオデジャネイロの家についてのアドバイス料として6万ドルを受け取っていたが、日産は、姉が実際にこうした行為をしたという証拠が得られなかったとした。ゴーン氏の姉にコメントをもらおうとしたが、コンタクト出来なかった。
ゴーン氏は、月曜日に日本の検察に逮捕された。5年間で得た報酬を4,400万ドルと申告したが、これが虚偽の報告だとの嫌疑がかけられている。日本の法律・会計の専門家によれば、会計申告で幹部が逮捕されるのは極めて異例で、もっと大きな容疑があるのではないかとみている。
ゴーン氏には前科がない。それでも、彼は拘束されており、コメントを求めることは出来ない。公共放送であるNHKは、元東京地検特捜部長で現在は個人事業を営んでいる大鶴基成氏が、64才のゴーン氏の弁護士となると報じた。弁護士事務所にコメントを求めたが、断られた。
日産は、ゴーン氏が会長を務める三菱自動車、会長とCEOを務める仏ルノー社とアライアンスを組んでいる。日産は、ルノーとその株式を保有するフランス政府から、ゴーン氏の解任の理由を示す様に強く要求されている。ゴーン氏は2000年代にルノーを再生させた。
「我々は、現時点で、ゴーン氏にかけられている容疑を正当化するいかなる証拠も持ち合わせていない。」と水曜日にフランスのメール経済財務大臣は述べた。
関係者によれば、ゴーン氏の家族は、リオデジャネイロ、ベイルートなどのにある彼の家は社宅であり、その購入は、日産の通常の承認ルートを経ていると信じている。
日産からルノーへのレターをウォールストリートジャーナルがレビューしたところ、日産の取締役会は、東京地検によって行われている別の捜査を邪魔していると見られてしまうので、その情報共有は出来ないとしている。日産の西川CEOは、もし、ゴーン氏が取った行動について西川氏が知っていることを人々が知ったら、彼らも日産の動きを擁護するだろうと述べた。
ルノーのスポークマンはコメントを拒否した。
日産が木曜日の取締役会の後に出した声明には、ゴーン氏による3つの分野での容疑が記載されている。彼の報酬を数年にわたって過少に報告していたこと、日産の投資基金を私用目的で私用したこと、経費を不適切に申告したことの3つだ。また、長年に渡ってゴーン氏の補佐を務めてきたグレッグケリー氏がこの事件の首謀者だとしている。
彼は、代表取締役の職を解かれた。彼も収監されており、コメントを取ることは出来ない。彼が弁護士を雇ったかどうかは不明だ。
関係者によれば、日産は、ゴーン氏の行動を網羅したドキュメントを準備している。ある電子メールには、ベイルートの彼の家の回収を進めるために、オランダのZi-AキャピタルBVという日産子会社から早急に送金する様に、日産の従業員に強く求めたことが記載されている。
Zi-Aキャピタルは、2010年にテクノロジースタートアップに投資する目的で、5,100万ドルの資本金で設立された。ケリー氏が筆頭取締役だ。
水曜日に東京地方裁判所は、ゴーン氏の拘留の10日間の延長を認めた。
ウォールストリートジャーナルの記者は、木曜日に刑務所を訪問したが、ゴーン氏とケリー氏は訪問者と会うことを禁じられていると、刑務所係官から伝えられた。