3月15日にティラーソン国務長官が来日したが、WSJは17日 の国際面で取り上げた。
岸田外務大臣との会談後の記者会見が、 ティラーソンが国務長官に就任して初の記者会見だとし、 同氏が記者会見の中で、 これまでの米国の対北朝鮮政策は失敗だったこと、 この問題について中国と話し合うことになることなどに言及したと している。その上で、 北朝鮮問題に対する米中間の対応には食い違いがあるとしている、
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ティラーソン国務長官は、北朝鮮への過去20年間にわたるアプロ ーチを失敗だったと切り捨て、北朝鮮の核の脅威に対し、 中国と共により強固なスタンスを取ることを示唆した。
日本の岸田外務大臣と会談した後、ティラーソン氏は2月に就任し て以来初めての記者会見に臨んだが、 トランプ政権の北朝鮮政策の検討状況については、 多くを語らなかった。
その代り、ティラーソン氏は、北朝鮮にとって経済、 政治面での最大の支援者である中国の影響について語った。 彼は中国の近習平主席と土曜日に会う予定だ。
「 北朝鮮にこれまでと違った態度を取らせるために最適なアクション について、中国と話し合うことになるだろう。」と彼は語った。
ティラーソン氏は、記者会見の後、安倍首相とも会った。 日本の外務省によれば、二人は日米関係の重要性について確認し、 併せて、北朝鮮の脅威に対応するためには韓国を含めた3ヶ国の連 携が重要であることも確認した。
米国のこれまでの政権は、 中国は北朝鮮の核開発を阻止する力があるとみており、 中国に何とかして北朝鮮に対する制裁を強化させようとしてきた。 北朝鮮の貿易の90%は中国との間のものだ。
中国は、北朝鮮との会話が重要だとしているが、一方で、 ここ数年は国連による北朝鮮への制裁にも参加している。今月、 中国は、 北朝鮮の核兵器プログラムと米韓共同演習の中止を同時に提案し、 非核化への対話を再開させるための下地を作ろうとした。 米国はこの案を拒否した。中国外務省報道官の華春瑩は、 木曜日に、中国の提案を擁護し、中国の提案は、緊張を緩和し、 交渉再開のきっかけを作ると述べた。
華氏は定例記者会見で「 我々の提案はこの問題の核心を捉えている。」と述べた。更に「 現状では、これが唯一の実行可能な計画だと思っている。 もし米国側がより良い提案をお持ちなら、是非提案頂きたい。」 とも付け加えた。
孤立した北朝鮮は、今年に入って、 米国本土を攻撃可能なミサイルテストの準備が整ったとしており、 核とミサイルプログラムに対処する緊急性が高まっている。