Thursday, March 16, 2017

日本では、パートタイム労働者が報われる【A24面(国際面)】

日本では正規労働者よりも非正規労働者の賃金の伸びが大きいというニュースが、16日の紙面に掲載された。



日本の大企業では、春闘の回答金額が軒並み昨年よりも低いが、非正規従業員の時給の伸びは大きいとしている。これは、非正規従業員の賃金は一旦上げても、不況になると簡単に下げられるが、終身雇用制の日本では正規従業員の賃金は一旦上げると下げるのが困難だからだとしている。また、低賃金労働者の賃金上昇率が高いのは世界的な傾向だとしている。

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 労働力不足のおかげで、日本の非正規従業員やパートタイマーは、正規従業員よりも大きな昇給を得られそうだ。世界にで低賃金労働者への昇給の動きが広がっているが、この反転現象もその一つだ。
水曜日に、日本の大企業の中の数社が、正規従業員に対して、今年は緩やかな昇給しか出来ないと述べた。多くの場合、昨年よりも昇給額が少ない。トヨタ自動車は賃金交渉の先導役とされるが、家族手当は年功による昇給などを除き、月当たり1,300円(11ドル)の昇給を決めた。これは、昨年の1,500円の昇給を下回る。パナソニックやNECといった大手メーカーは、昨年の昇給額は1,500円だったが、今年は1,000円だ。
反対に、先週のデータによれば、パートタイマーの契約社員は、これより大きな昇給を得ている。1月にパートタイマーの時給は前年比で2.6%上昇した。これに対して正規従業員のベース賃金の上昇は0.4%だ。
パートタイムの仕事の紹介サイトであるBスタイルでは、平均的な時給は1,087円で、この2ヶ月で7%以上上昇した。
「出生率の低下により、労働力不足が広がっています。時給を上げなければ、人材を確保出来ません。」とBスタイルの調査部門ヘッドのカワカミケイタロウさんは言う。
企業にとっては、パートタイマーの賃金を上げる方が簡単だと考えている。経済が下降気味の時には、逆に賃金をすぐに下げることが出来るからだ。一方で、大企業において終身雇用制が根強く残っている日本においては、正規従業員の賃金をカットするのは難しい。
日本では、約20年という長い間にわたって、価格の上昇が遅いか、価格が下落する傾向が続いている。従って、経営者は、たまたま景気が一時的に良くても、パートタイマーを含む全ての労働者の賃金の上昇を抑えてきた。
しかし、今やこうした状況に変化が出てきている。パート、テンプ、契約社員の様な非正規従業員が経済に占める割合が増えるに従って、変化が大きくなっている。厚生労働省によれば、正規従業員の割合は10年前には33%だったが、2016年には37.5%に達している。社会学者によれば、非正規従業員の多くが結婚して家族を持つことをためらっており、これが人口が減少する日本において問題となっている。
最近は欧米でも同様の兆しが見られる。ここ数10年格差の広がりが懸念されていたが、賃金の低い労働者への賃金が上昇している。
「労働市場において、労働力不足なのは世界的な傾向だ。」とキャピタルエコノミクスのエコノミストであるマーセル・シーリアント氏は言う。「米国では、強い賃金上昇の兆しがはっきりと見られる。このことが、連邦準備銀行が利上げに非常に積極的な理由の一つになっている。
今月発表されたレポートによれば、ワシントンのシンクタンクである経済政策インスティトュートは2016年に米国の労働者の最低賃金層において、最も大きい賃金上昇を見出した。賃金が
最も低い20%の人々の賃金は6.4%上昇したが、賃金が最も高い5%の人々の賃金は1.7%しか上昇しなかった。
安倍首相は、日本の労働者が、失業の心配のない正規労働者と、低賃金と不安定な雇用に悩む非正規従業員の2つの層に分かれているのは良くないと指摘した。彼は、経済成長を加速させるために、大企業に正規、非正規両方の従業員の給与を上げる様に要求している。