Saturday, March 18, 2017

日本の北西海岸でミサイル攻撃を想定した避難訓練が実施された【A6面(国際面)】

日本政府は3月17日、北朝鮮の弾道ミサイルが日本に飛来する事態を想定した初の住民避難訓練を秋田県男鹿市で実施したが、WSJはこのニュースを翌18日の国際面で速報した。



男鹿市の住民の多くは、北朝鮮のミサイルは男鹿市に着弾することはないだろうと楽観的に考えている。一方、悲観的な住民は、ミサイル着弾の前に、国から警報が届くのか心配している。実際に、今月7発が同時発射された際にも、水産庁が日本周辺の漁船に伝えたのは、落下してから20分も経過してからだったとしている。これでは非難警告が出させる前に、ミサイルが着弾することになり、この避難訓練そのものが茶番だと言っている様に読める。

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地元民がコミュニティセンターに駆け込んでいく間にも、北朝鮮のミサイルが近づいていることをサイレンが知らせている。これは、北朝鮮の脅威が高まる中で行われた、日本で最初の非難訓練だ。
「ミサイルが発射された様です。」金曜日にスピーカーの声が警告した。
昨年北朝鮮が打ち上げた数発のミサイルが海に着水したが、日本の北西沿岸にある男鹿市は着水地点から最も近い市の1つだ。
こうした訓練は米国で行われた有名なダックアンドカバー訓練のレベルまでには達していない。ダックアンドカバー訓練は、何世代にもわたって米国の学生が、ソビエトからの核の脅威に対して自分たちを守るために行ってきたものだ。北朝鮮のミサイルプログラムや核プログラムは進化しているものの、男鹿市の人々は自分たちが狙われることはないと思っているし、日本は比較的強力なミサイル防衛力を持っている。
北朝鮮の脅威が高まるにつれ、政府はより積極的な対応を考えている。タカ派の政治家たちは、日本への攻撃が明らかな場合には、北朝鮮のミサイル基地を攻撃できる能力をもつことを要求し始めた
金曜日に、日本は、北朝鮮のミサイル基地への監視を強めるために、情報収集衛星を打ち上げた。日本は、今週、北朝鮮が7発のミサイルを打ち上げてからから20分経過するまで、漁船に対し、何の警告も発信されなかったことを発表した。
金曜日の訓練は小規模のものだった。29,000人の市民のうち110人だけが参加を要請され、警報が発せられた後、学校やコミュニティーセンターに集まった。市側は、非難センターに、強靭な建物を選んだ。この建物なら、実際の攻撃の蔡に、ミサイル着弾に伴う爆発や爆発物の落下から住民を守ることが出来る。
住民の中には、北朝鮮からの攻撃が本当にあるのか懐疑的な人もいる。しかし、北朝鮮からのミサイルが昨年8月に市から150キロの地点に落下し、その後9月に3発、今月に4発が同様の地点に落下したことによって、住民の懸念は高まったという人もいる。
最近のミサイル発射の後、北朝鮮は、日本にある米軍基地攻撃を想定した演習だったと発表した。米軍基地は男鹿市から北東に120マイル離れた地点にある。日本の軍事レーダーは、避難訓練が行われた地点にほど近い丘に設置されている。
「避難訓練は、心理的に準備を整えるために良いことだ。」と、自治会の会長であるタカノススムさん(77歳)は言う。「でも、ミサイル発射の知らせが、着弾の前に届くのか心配です。」
金曜日の避難訓練は、日本政府によって設定されたものだ。日本政府こそが、ミサイル発射の緊急情報を地元自治体に伝える役割を担っているのだ。