Wednesday, January 22, 2014

2つのアジアの巨人、2つの異なる道【A16面(国際面)】

China's Worldというタイトルの記事なので、正確には日本の記事ではないが、中国と日本というアジアの2大大国のライバル関係が、東アジアにとって危険をもたらす可能性があるという記事。掲載はA16面(国際面)。
これまでは、中国と日本はどちらかが繁栄していれば、どちらかが繁栄していないという関係だったが、歴史上はじめて、両国共にうまくいっていて、これが、両国の競争を激化させ、最終的には東アジアの脅威になるのでは?という主旨。

記事の前半に「この2国は無人島を巡って海で対峙しており、何人かの歴史家は、イギリス海軍とドイツ海軍のライバル関係が世界紛争へのきっかけとなった、ちょうど100年前の状況と比べている。」との表現がある。奇しくも、この記事が記載された同日に、安倍首相がダボス会議で 「今年は第1次大戦(の勃発)から100年目。英国とドイツは、戦争前に貿易で相互に関係が深かった。日本と中国も今、非常に経済的な結びつきが強い。だからこそ、そうならないよう事態をコントロールすることが大事だ」との発言を行い、物議をかもした。安倍首相は、事前にこのウォールストリートジャーナルの記事を読んでいたのだろうか?

中国と日本の過去の歴史に触れ、この2カ国の現在のリーダ間の激しいライバル関係について触れ、2カ国の対照的な経済政策に触れた後、「アジア地域は、経済発展に夢中になって、国家間の紛争を調停するための制度の策定を怠ってきた。日本と中国間にはホットラインもなく、二カ国間の首脳会談も途絶えたままだ。少なくとも今は。」という文章で締めくくり、アジア地域の平和と安定を確保するための地域的な制度の必要性を問いかけている。