Tuesday, July 31, 2018

*** 7月のまとめ ***

7月にWSJに掲載された日本関係の記事は4件と少なかった。1〜7月の月当り平均掲載数は6.0件/月となり、今年は掲載数の低調傾向が続く。

テーマ別では、政治関係が0件、経済関係が1件、社会関係が3件だった。

経済関係は1件。17日に行われた日本政府と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)署名式について、翌18日の国際面で取り上げた。日本とEUは世界のGDPの30%を占めており、「世界最大の自由貿易地域誕生」として持ち上げた。一方で、米国には自国第一主義の嵐が吹いている点も指摘。WSJはトランプ大統領の貿易に対する保護主義的姿勢を再三にわたって批判しているが、この記事にもその様なトーンが滲みでている。残念なのは、EUを自由貿易推進の旗手として位置づけ、EUの取組みについて幾つもの具体例を取り上げているのに対し、日本はその様な位置づけで報道されていないことだ。日本の自由貿易への取組みは、世界レベルから見ると遅れているということか。

社会関係は3件。
6日午前のオウム真理教元代表の松本智津夫死刑囚ら教団元幹部7人の死刑執行について、同日の国際面で速報した。死刑判決の理由となったサリン事件とオウム真理教についての簡単な解説を交えて、事実をコンパクトに伝えた。
西日本豪雨について、9日の国際面で速報した。倉敷市で捜索に当たる救助隊の大きな写真を掲載し、犠牲者の数や降雨量などのデータを交えて、被害の様子をコンパクトに伝えた。WSJは経済紙にもかかわらず、自然災害については、海外のものであっても、積極的に取り上げている、
18日に成立した改正健康増進法について、翌19日の国際面で速報した。日本がオリンピック開催を前にようやく禁煙に取り組み始めたことをコンパクトに伝えた。但し、100平方メートル以下のレストラン・バーや喫煙室なら喫煙可能など、例外措置もあることを併せて伝えていて、禁煙後進国日本の腰が引けた姿勢も併せて報道した。
働き方改革関連法、改正公職選挙法、IR実施法なども、自民党が頑張って成立させたが、これらについては、WSJは取り上げなかった。

掲載箇所では、国際面が4ヶ所だった。

Thursday, July 19, 2018

喫煙規制を強化【A7面(国際面)】

多くの人が使う施設で喫煙を規制する改正健康増進法が18日成立したが、WSJは翌19日の国際面でこのニュースを速報した。



日本がオリンピック開催を前にようやく禁煙に取り組み始めたことをコンパクトに伝えている。100平方メートル以下のレストラン・バーや喫煙室なら喫煙可能など、例外措置もあることを併せて伝えている。

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日本は、2020年に東京で開催される夏季オリンピックに先立って、喫煙規制に関するルールを強化した。これまで長きにわたって、先進国の中では最も喫煙のし易い場所の1つだったが、国際的なトレンドに乗ることになる。
水曜日に議会は、約1,100平方フィート以上の広さのレストランやバーでの喫煙を禁止する法律を承認した。但し、独立していて、密封された喫煙室での喫煙は例外として認められる。この法律は、初めて、違反者に罰金を課すこととした。違反者は、最高30万円(2,658ドル)の罰金を課される。
WHOによれば、イギリス、カナダ、ロシアなど約55ヶ国が、多くの公共の場での喫煙を禁止している。

Wednesday, July 18, 2018

日本とEUは貿易協定に署名【A9面(国際面)】

日本政府と欧州連合(EU)は17日、首相官邸で経済連携協定(EPA)に署名したが、WSJはこのニュースを翌18日の国際面で取り上げた。




日本とEUは世界のGDPの30%を占めており、世界最大の自由貿易地域が出来るとしている。一方で、トランプ大統領は保護主義で逆の方向に走っていることに懸念を示している。記事の大半をEUが多くの国とEPAを締結するために邁進する様子に割いている。日本はそうした努力がまだまだ足りないということか。


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日本とEUのリーダーが、世界最大の自由貿易地域創設のための契約にサインした。米国と複数の貿易パートナーの間の貿易紛争がエスカレーションしている状況とは対称的だ。
火曜日の東京での調印は多分にセレモニー的な要素はあるものの、貿易統合という極めて稀な合意が実現した瞬間だった。ここ数ヶ月、トランプ大統領は、中国などの国からの製品に対し、報復的関税を次々と課してきた。他国の不当な貿易優位を是正するためには、そうした行動が必要だと主張している。
トランプ大統領の政策に対するEUと日本の答えは、EUにとって最大の貿易協定だった。EUによれば、この協定により、28ヶ国で構成されるEUは年間約10億ユーロ(約11.7億ドル)の関税を排除することが可能になるし、日本の輸出業者はその倍の金額の関税を排除可能となる。
日本の安倍首相、欧州委員会のユンケル委員長との記者会見で、トゥスクEC議長は、「我々は保護主義に共に立ち向かうという明確なメッセージを送っている。」と述べた。
日本とEU間の協定により、両地域間の殆どの関税が廃止される。日本がEUに販売する自動車や、EUが日本で販売するワインや乳製品についてより優位な条件が生み出される。日本とEUは、併せると世界の30%の生産を行っている。

EUの2人のリーダーは、北京でその前日に中国当局と貿易討議を行っていたが、日本でのこの調印式は、それに引続き行われたものだ。
米国の同盟国や競合国は、トランプ大統領の政策に対抗するために、結束を強めつつある。米国は、月曜日にWTOに対し、中国やEUなど米国に対して報復関税を掛けようとしている国々を提訴した。
EUは、トランプ大統領の就任以来、貿易戦争を仕掛けており、これまで行ってきた貿易交渉を加速させたり、新しい国との交渉を開始したりしている。これは、トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」の貿易政策に対抗するものだ。EUが最も優先させたのが、日本、メキシコとの交渉だ。
日本とEUの努力は素早い成果に結びついた。EUと日本のリーダーは2017年7月には大枠で合意に至り、自由貿易を守るという強いシグナルを送ることとなった。9月にはEUとカナダの象徴的な貿易協定が条件付きで発効した。4月にはメキシコとEUは、現状の協定の範囲を広げるために、協定を更新することに合意した。
一方で、EUは、長らく停滞していたラテンアメリカ最大の貿易ブロックであるメルコスール(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイなどが加盟)との交渉を再開した。注意深く守られた市場にアクセスする、最初の域外の国となるための取組みだ。先月、EUは、オーストラリア、ニュージーランドとの正式な交渉を開始した。これは、貿易連携を拡大するための最新の取組みだ。
米国は、貿易戦争の最初の一斉射撃として、最近、アルミニウムに10%、鉄鋼に25%の関税を課した。EUも日本もこの影響を受けている。

Monday, July 9, 2018

日本で洪水により多数の死傷者【A6面(国際面)】

西日本豪雨について、WSJは9日の国際面で速報した。



倉敷市で捜索に当たる救助隊の大きな写真を掲載し、犠牲者の数や降雨量などのデータを交えて、被害の様子をコンパクトに伝えている。

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日本南部は3日連続で大雨の被害を受けたが、救助隊は、この大雨による犠牲者を日曜日の夜を徹して捜索した。政府は、死亡者と心肺停止を併せて100名を越えるとみている。
菅官房長官は、広島県の南部を中心に、約92名が行方不明になっていると述べた。40機程のヘリコプターが救出活動にあたっている。
「救助活動は、時間との闘いだ。」と安倍首相は述べた。
気象庁によれば、高知のある地域では、3時間に10.4インチもの雨が降った。これは、1976年に観測を始めて以来最大の雨量だ。
雨や洪水、土砂崩れの影響を受けた地域があまりにも広範に及ぶため、被害の全貌を把握するのは困難な状況だ。当局によれば、雨が小康状態になった後も、土砂崩れは起こりうると警告している。災害の規模は、ここ数十年で最悪となる可能性がある。
右の写真は、日曜日に倉敷で救助隊が行方不明者を捜索しているところだ。倉敷では、570以上の家が浸水した。

Friday, July 6, 2018

大量殺人事件を起こしたカルト集団のリーダーの死刑執行【A16面(国際面)】

6日午前にオウム真理教もと代表の松本智津夫死刑囚ら教団元幹部7人の死刑が執行されたが、WSJはこのニュースを同日の国際面で速報した。


死刑判決の理由となったサリン事件とオウム真理教についての簡単な解説を交えて、事実をコンパクトに伝えている。

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公共放送のNHKによれば、1990年代に起きたガス攻撃で多くの死者を出し、有罪の判決を受けていた日本のドゥームズデイ・カルト(運命の日を信じるカルト集団)のリーダーとその6人の信徒が、金曜日に処刑された。
教団のリーダーである麻原彰晃こと松本智津夫は、2004年から死刑囚房に収容されていた。1995年3月20日朝のラッシュアワーに彼が率いるカルト集団であるオウム真理教のメンバーが、3つの地下鉄の路線で、神経ガスであるサリンが入った袋に穴を開けた。13人が死亡し、6,000人が負傷した。
松本死刑囚は、この攻撃の罪で絞首刑判決を受けた13人のうちの1人だ。この事件の前に、日本の中央部で教団が起こしたサリン攻撃でも7人が殺害されている。
オウム真理教は、松本死刑囚によって1980年代に結成された。仏教とヒンズー教を織り交ぜた教えを実践していたが、リーダーを中心に人類の絶滅を信じる偏執的なカルト集団へと変質していった。

Saturday, June 30, 2018

*** 6月のまとめ ***

6月にWSJに掲載された日本関係の記事は7件だった。1〜5月の平均が、6.2件/月だったので、少し増えてきた。

テーマ別では、政治関係が3件、経済関係が2件、社会関係が2件だった。

政治関係は3件。6月12日に歴史的な日朝首脳会談が開催されたが、それに先立って7日にワシントンD.C.開催された日米首脳会談について、8日に速報。この記事には拉致問題への言及なし。日朝首脳会談後の15日には、安倍首相が14日に拉致被害者の家族と会い、金主席との直接会談に意欲を示したとの記事。拉致問題に対する安倍首相のリーダーシップを好意的に報じた。30日には、29日に東京で開催されたマティス国防長官と小野寺防衛大臣の会談で、マティス国防長官が「米国は北朝鮮との会談で引き続き拉致問題を取り上げる。」と述べ、拉致問題解決に向けた米国の支援を約束したと報じた。
WSJが拉致問題に割くスペースが次第に大きくなっている。

経済関係は2件。16日には、日銀が14-15日に開かれた金融政策決定会合で、量的・質的緩和政策の維持を賛成多数で決定したことを速報。これは定番記事。
19日には、米中貿易戦争により、日中が急速に接近してきているとする面白い記事を19日に掲載した。中国製品の中には日本製の部品が多く組込まれており、米国の対中制裁により中国製品の売上が落ちると、日本経済にも悪影響が出る。このため、トランプ大統領の政策には日中共に反対。日中が接近してパワーバランスが崩れるのは、米国の国益に反するとして、案にトランプ大統領の政策を批判した。

社会関係は2件。19日には、18日朝に発生した大阪での地震について、速報した。WSJは自然災害には敏感に反応する。
21日の社説では、安倍首相の移民政策を暗に批判する記事を社説に掲載した。安倍首相は、5日の経済財政諮問会議で「外国人労働者の受入れ拡大」を表明が、これは実質的に「移民受入れ」に舵を切ったのと同じ。ところが、国家主義者の安倍首相は表向きは移民受入れに反対で、こうした中途半端な対応になっているとしている。こうした中途半端な対応では魅力ある移民は日本に来ないと主張しており、考えさせられる記事だった。

掲載箇所では、社説が1ヶ所。国際面が6ヶ所だった。6月もなかなか読み応えのある記事が多かった。

マティス国防長官は、北朝鮮問題で日本との約束を保証。【A7面(国際面)】

29日、来日中のマティス国防長官は小野寺防衛大臣と会談したが、WSJはこのニュースを翌30日の国際面で速報した。



 マティス氏が、小野寺防衛大臣が着用していた拉致被害者の救出支援活動を象徴するブルーリボンバッジに着目し、米国は北朝鮮との交渉で、拉致問題について追及し続けていくことを示唆したと報じている。

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マティス国防長官は、小野寺防衛大臣が着けている小さな青いバッジを示すことによって、北朝鮮との交渉において、米国は日本の安全保障上の懸念を見過ごさないということを示して、日本側を安心させようとした。
米国と北朝鮮は、非核化を目指して交渉を続けているが、東アジア地域における主要な軍事訓練の中止など、米国側が譲歩していることにより、日本は安全保障上の問題が脇に置かれてしまうのではと警戒している。
安倍首相は、国際社会に対し、北朝鮮に対する強硬な姿勢を維持する様に求めている。
マティス氏の東アジア地域への訪問は今回で7回目となるが、こうした訪問を同盟国の懸念を和らげるために利用してきた。小野寺防衛大臣との会談では、日米軍事同盟の重要性に触れることを忘れなかった。そして、小野寺大臣のスーツに付けられたバッジに注目した。
「私は、貴方が青いバッジを着用されていることに敬意を表します。米国は日本とともにあります。」とマティス氏は小野寺氏に述べた。これは、ミサイルと核プログラムについての北朝鮮とのトップ会談の間も、日本政府を支援することを、別の言い回しで表現したものだ。
このバッジは、日本が1970年代、1980年代に北朝鮮によって拉致されたとしている17人の日本人に敬意を示すために着けているものだ。
2000年代初頭にこのうち5名が帰国したが、日本は残りの12名の帰国を求めている。東京在住の米国高官によれば、彼らの消息は不明だ。
金正恩出席とのシンガポールでのトップ会談において、トランプ大統領は、日本のために、北朝鮮が拉致被害者を返還することを期待すると述べた。
一方、米国当局者は、朝鮮戦争以来北朝鮮によって保有されている、250人の米国兵の遺体の移送を待っている。
この移送は、シンガポールでのトランプ氏と金氏の合意の1つだが、数日前には実施される予定だった。米国当局者によれば、遺体を入れる適切な容器が無いなど北朝鮮側が遺体を返還するための準備が整っていないことが遅れの原因だ。