29日、 来日中のマティス国防長官は小野寺防衛大臣と会談したが、WSJ はこのニュースを翌30日の国際面で速報した。
マティス氏が、 小野寺防衛大臣が着用していた拉致被害者の救出支援活動を象徴す るブルーリボンバッジに着目し、米国は北朝鮮との交渉で、 拉致問題について追及し続けていくことを示唆したと報じている。
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マティス国防長官は、 小野寺防衛大臣が着けている小さな青いバッジを示すことによって 、北朝鮮との交渉において、 米国は日本の安全保障上の懸念を見過ごさないということを示して 、日本側を安心させようとした。
米国と北朝鮮は、非核化を目指して交渉を続けているが、 東アジア地域における主要な軍事訓練の中止など、 米国側が譲歩していることにより、 日本は安全保障上の問題が脇に置かれてしまうのではと警戒してい る。
安倍首相は、国際社会に対し、 北朝鮮に対する強硬な姿勢を維持する様に求めている。
マティス氏の東アジア地域への訪問は今回で7回目となるが、 こうした訪問を同盟国の懸念を和らげるために利用してきた。 小野寺防衛大臣との会談では、 日米軍事同盟の重要性に触れることを忘れなかった。そして、 小野寺大臣のスーツに付けられたバッジに注目した。
「私は、 貴方が青いバッジを着用されていることに敬意を表します。 米国は日本とともにあります。」 とマティス氏は小野寺氏に述べた。これは、 ミサイルと核プログラムについての北朝鮮とのトップ会談の間も、 日本政府を支援することを、別の言い回しで表現したものだ。
このバッジは、日本が1970年代、1980年代に北朝鮮によっ て拉致されたとしている17人の日本人に敬意を示すために着けて いるものだ。
2000年代初頭にこのうち5名が帰国したが、日本は残りの12 名の帰国を求めている。東京在住の米国高官によれば、 彼らの消息は不明だ。
金正恩出席とのシンガポールでのトップ会談において、 トランプ大統領は、日本のために、 北朝鮮が拉致被害者を返還することを期待すると述べた。
一方、米国当局者は、 朝鮮戦争以来北朝鮮によって保有されている、250人の米国兵の 遺体の移送を待っている。
この移送は、シンガポールでのトランプ氏と金氏の合意の1つだが 、数日前には実施される予定だった。米国当局者によれば、 遺体を入れる適切な容器が無いなど北朝鮮側が遺体を返還するため の準備が整っていないことが遅れの原因だ。