日銀は14-15日に開かれた金融政策決定会合で、量的・ 質的緩和政策の維持を賛成多数で決定したが、WSJはこのニュー スを翌16日の国際面で速報した。
米連邦準備銀行や欧州中央銀行が、 緩和政策からの出口戦略の実施へ舵を切る中、 インフレ目標達成が覚束ない日本は、 緩和政策を継続するしかないとしている。
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金曜日に、日銀は、超金融緩和政策を維持することを決定した。 これは、世界のトレンドとは逆を行くものだが、 日本が日銀が目標とする2%のインフレに近づかないことがその理 由だ。
この決定は、他の中央銀行とは対照的だ。例えば、 米連邦準備銀行は、水曜日に、今年2度目となる法定金利の引上げ を行った。2018年度に更に2度の追加引上げを予定している。 欧州中央銀行は、木曜日に、 今年末までに国債買上プログラムを終息させる計画を示した。
「日本にとっては、 現状の金融緩和策を辛抱強く続けることが適切だ。」 と黒田総裁は記者会見で発言した。
生鮮食料品を除いた日本のコア物価指数は、4月に前年比で0. 7%増加したが、増加のスピードは2ヶ月連続で減速している。
インフレ目標である2%から大きく離れていることを考慮すると、 出口戦略について議論するのは時期尚早だと黒田氏は言う。
しかしながら、 米連邦準備銀行と欧州中央銀行の例に見られるように、 短期超低金利と拡大したバランスシートが、出口戦略において、 日銀が取り組まねばならない2つの大きな課題だと黒田氏は付け加 えた。
前回の会議で、日銀はいつ2%のインフレ目標が達成されるかの予 測を行うことを止めた。黒田氏はその際に、 目標日について予測をすると、 その目標日に合わせるために政策を実施すると約束したの解釈され てしまうので、それを避けたいと述べた。
多くのエコノミストが、 日銀はしばらく現状を維持するだろうと予測している。 エコノミストは、2%達成日を明示していないので、 すぐに更なる緩和策を打ち出す必要もないし、かといって、 インフレが弱い状況では、 連邦準備銀行の様な緊縮財政策を打ち出すには時期尚早だからだ。
日銀は、緩和策を継続している唯一の主要中央銀行だが、 金曜日に、8対1で10年国債の金利をゼロで維持し、 短期金利をマイナス0.1%で維持することを決定した。 日銀はまた、国債を年間80兆円(約7,250億ドル) 規模で購入するという公約も継続する。