Wednesday, July 18, 2018

日本とEUは貿易協定に署名【A9面(国際面)】

日本政府と欧州連合(EU)は17日、首相官邸で経済連携協定(EPA)に署名したが、WSJはこのニュースを翌18日の国際面で取り上げた。




日本とEUは世界のGDP30%を占めており、世界最大の自由貿易地域が出来るとしている。一方で、トランプ大統領は保護主義で逆の方向に走っていることに懸念を示している。記事の大半をEUが多くの国とEPAを締結するために邁進する様子に割いている。日本はそうした努力がまだまだ足りないということか。


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日本とEUのリーダーが、世界最大の自由貿易地域創設のための契約にサインした。米国と複数の貿易パートナーの間の貿易紛争がエスカレーションしている状況とは対称的だ。
火曜日の東京での調印は多分にセレモニー的な要素はあるものの、貿易統合という極めて稀な合意が実現した瞬間だった。ここ数ヶ月、トランプ大統領は、中国などの国からの製品に対し、報復的関税を次々と課してきた。他国の不当な貿易優位を是正するためには、そうした行動が必要だと主張している。
トランプ大統領の政策に対するEUと日本の答えは、EUにとって最大の貿易協定だった。EUによれば、この協定により、28ヶ国で構成されるEUは年間約10億ユーロ(約11.7億ドル)の関税を排除することが可能になるし、日本の輸出業者はその倍の金額の関税を排除可能となる。
日本の安倍首相、欧州委員会のユンケル委員長との記者会見で、トゥスクEC議長は、「我々は保護主義に共に立ち向かうという明確なメッセージを送っている。」と述べた。
日本とEU間の協定により、両地域間の殆どの関税が廃止される。日本がEUに販売する自動車や、EUが日本で販売するワインや乳製品についてより優位な条件が生み出される。日本とEUは、併せると世界の30%の生産を行っている。

EU2人のリーダーは、北京でその前日に中国当局と貿易討議を行っていたが、日本でのこの調印式は、それに引続き行われたものだ。
米国の同盟国や競合国は、トランプ大統領の政策に対抗するために、結束を強めつつある。米国は、月曜日にWTOに対し、中国やEUなど米国に対して報復関税を掛けようとしている国々を提訴した。
EUは、トランプ大統領の就任以来、貿易戦争を仕掛けており、これまで行ってきた貿易交渉を加速させたり、新しい国との交渉を開始したりしている。これは、トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」の貿易政策に対抗するものだ。EUが最も優先させたのが、日本、メキシコとの交渉だ。
日本とEUの努力は素早い成果に結びついた。EUと日本のリーダーは20177月には大枠で合意に至り、自由貿易を守るという強いシグナルを送ることとなった。9月にはEUとカナダの象徴的な貿易協定が条件付きで発効した。4月にはメキシコとEUは、現状の協定の範囲を広げるために、協定を更新することに合意した。
一方で、EUは、長らく停滞していたラテンアメリカ最大の貿易ブロックであるメルコスール(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイなどが加盟)との交渉を再開した。注意深く守られた市場にアクセスする、最初の域外の国となるための取組みだ。先月、EUは、オーストラリア、ニュージーランドとの正式な交渉を開始した。これは、貿易連携を拡大するための最新の取組みだ。
米国は、貿易戦争の最初の一斉射撃として、最近、アルミニウムに10%、鉄鋼に25%の関税を課した。EUも日本もこの影響を受けている。