Saturday, March 8, 2014

福島の最も難しい洗浄の段階がやってくる【A9面(国際面)】

「福島原発の溶融核燃料の取り出し開始までにはまだ6年はかかるだろう。」というショッキングなニュースがA9面に掲載された。

融解核燃料の取り出しは、現状の方法では困難な可能性が高く、新しい方法を考えねばならないかもしれない。それ以前に瓦礫の除去も必要で、その工数も考えると、融解核燃料の取り出し開始はかなり先にならざるを得ない。
それ以前に、汚染水の保管が限界になる。明確に書いていないが、浄水した上で、海へ流し出すことになるのだろう。

記事は、まず、溶融核燃料の取り出し開始は2020年になり、現段階ではどの様な方法で取り出すかすら分からないという、東京電力のショッキングな見解から始まる。
「原子炉の封じ込め容器は漏れている。それが意味するところは、封じ込め容器に水を入れられないということだ。水なしに放射性物質の拡散を防ぐことは困難だ。従って、核燃料の除去は現在のやり方では不可能だ。しかし、東京電力は遠隔操作のロボットが漏れを防ぐことにより、現在のやり方で対応可能と考えている。それでも、もし、ロボットを使う方法も駄目だった場合には、水の無い状況で核燃料を除去する新たな方法を考えねばならないと、東京電力福島第一プロジェクトチームの核燃料除去戦略マネジャーのムラノケンジ氏は言う。」

核燃料除去前に、汚染水への対応も大きな問題だ。
「東京電力は、政府と共に、発電所の下を流れる水が、地下水に流れ出すのを防ぐために、地下冷却シールドという未検証の手段を使うことを考えている。また、東京電力は、原子炉の近くのタンクに保管されている汚染水が増大することによるリスクを軽減することの出来る浄化システムの開発を急いでいる。」

そしてこの記事は、問題解決には、3つの段階を踏む必要があるとする。第一段階は、瓦礫の除去。これには10年かかり、500億ドルの費用が必要。第二段階は融解核燃料を含む危険な物質の除去。そして第3段階でようやく綺麗な土地が取り戻せる。

しかし、こうした作業は容易では無く、専門家は、チェルノブイリでやった様に、原子炉をコンクリートの壁や屋根で囲むべきだと言う。

東京電力のやり方では、時間がかかり過ぎ、結局汚染水を海に流しだすことにならざるを得ないので、チェルノブイリの方法を採用すべきと言うことか?記事は次の様なコメントで締めくくられている。

「融解した原子炉の下を流れる地下水は、一日に400平方トンもの汚染水を生み出す。6日でオリンピックプールが満杯になる量だ。事故現場には、既に340,000平方トンもの汚染水が、1,000のタンクに保管されている。これだけの量を保管し続けるのは不可能だ。東京電力は放射性物質の除去をすることが出来る改良型水洗浄機の運用を開始する。」

福島から流れ出す汚染水は太平洋を渡って米国にもやって来る。汚染水を浄化して流す可能性がある点について、米国民は不安に思うだろう。

日本はその過去を認めるべきだ【A12面(読者投稿欄)】

「日本は、第二次世界大戦におけう過去の過ちを認めるべきだ。」という、3人の読者からの投稿を掲載している。


まずは、日本人が過去の過ちを否定する限り、その傷口が癒えることは無いという意見。

「『中国の世界: 歴史の恐怖を生かし続ける』(国際面、2月26日付)は、中国が第二次世界大戦の傷口を開け続け様としているという点を指摘している。私は、日本が傷があったことを認めれば、傷口はより綺麗に閉じるだろうし、傷跡もそれ程痛まないだろうと思う。」

「元東京都知事の石原慎太郎の様な日本の公人が、南京における婦女暴行の様な残虐行為の存在を繰り返し否定続けるり、痛みは残り、プロパガンダを流そうとする人々にうまく利用されてしまうだろう。
(アラバマ州、ジョン・コールドウェル)

二人目は、アジアの人々は、ユダヤ人が過去の記憶を生かし続けているテクニックを真似て、日本人の残虐行為を風化させない様にすべきという意見。
「日本は、その浅ましい虐殺行為について、何故弁解し続けるのだろう。それは悲しむべき謎だ。答えは、フィリピン人、インドネシア人、シンガポール人、ビルマ人、そして数え切れないほどの他の国々の人達が、ユダヤ人のテクニックを真似する必要があるかもしれないということだ。ユダヤ人は、虐殺や集団殺害による死の記憶を生かし続けるために、適切で効果的なテクニックを使用してきたのだ。」
(カリフォルニア州、マイロン・ガナニアン)

最後は、日本人の行動を見ていれば、安倍首相の最近の行動が、周辺諸国への脅威と捉えられるのは当然という意見。
「日本の歴史の教科書に南京事件が殆ど登場しない。彼らの行動はその言動よりも真実を語っている。中国やその他の国々が、安部首相の靖国神社やその他のコメントを、脅しととらえるのは、決して何の根拠もなく出てきたことではないのだ。」
(ニューヨーク州、ソニア・ウォン-ゲリグ)

名前から想像するに、アングロサクソン系、フィリピン系、韓国系の米国人の投稿だと思う。居住地は、西海岸、東海岸、中部。背景の異なる、様々な人達の意見を集めようと努力をした跡が伺える。

Friday, March 7, 2014

作曲家がキャリアを偽っていたことを謝罪【A8面(国際面)】

佐村河内氏の記事がA8面に掲載された。ウォールストリートジャーナルは、経済紙であるにも係わらず、芸能記事に近いこのニュースが何故か好きで、既に3回取り上げている。

「『日本のベートーベン』として知られ、不名誉な状況に陥った作曲者が、金曜日に、キャリアを偽っていたことを初めて公の場で謝罪した。」
「別の男性が佐村河内さんの作品の多くを実際は自分が作曲していたと告白したことで、佐村河内さんの評判は崩壊した。ゴーストライターだったことを告白した新垣隆さんは、佐村河内さんとの18年間にわたる交流の中で、聴力には問題がなさそうにみえたと語った。」
「桐朋学園大学で非常勤講師を務めていた新垣さんは、長年にわたる偽装を今になって告白したのは、フィギュアスケートの高橋大輔選手がソチ冬季五輪で新垣さんの楽曲のひとつを使用することになっていたからだと述べた。」
「トレードマークの顎ひげは消え、髪は短く刈り込まれ、佐村河内さんは大勢の報道陣の前で何度も繰り返し頭を下げて謝罪した。しかし、聴覚障害については、断固した態度をとり続けた。」
「『殆どの環境において、私は話された会話を正しく聞き取ることが出来ません。』彼は、金曜日の記者会見が、彼の最後のテレビへの登場になるだろうと語った。」


時にはどなりまくり、時には抱擁し、スプリントのボスは変化をもたらそうとしている【A1面】

A1面とA12面の殆どを割いて、スプリント改革に取組む孫正義氏の奮闘振りが、写真やグラフ入りで詳細に報道されている。彼の感情むき出しの経営スタイルは、最初は理不尽に捉えられていた様だが、次第にスプリント従業員に受け入れられつつあり、従業員の意識を変えつつあるようだ。同世代の日本人経営者が1面を飾るのは、私にとっても嬉しい。

冒頭、孫氏の理不尽な言動を紹介。日本人にはよく分かるが、米国人にはよく分からない上司と写るだろう。
「ソフトバンクの孫正義社長(56)は10月に行われた傘下の米携帯電話3位のスプリントとの会議で、同社の広告では十分な新規顧客を呼び込めないとして激怒した。」
「『おまえは馬鹿か。』昨年、約220億ドル(約2兆2500億円)でスプリントを買収した孫氏はこう怒鳴ったという。その場に居合わせた3人の関係者が明かした。孫氏はスプリントに全広告代理店との契約を解除し、一からやり直すよう提案した。」
「関係者の1人によると、スプリントの一部幹部が後で、広告契約を取り消すことなどできないと孫氏に話したという。」

そして、孫氏のこれまでのスプリントの経営について詳細に説明し、彼が自分の猛烈ぶりに比べて、スプリントのやり方があまりにスローであり、スプリントのカルチャーを変えねばならないと考えている強調する。
「ソフトバンクの関係者の1人によると、孫氏はひそかに『スプリントはカンザスの大名だ。』と言い、『それでは十分とは言えない』と話している。日本の封建時代の大名は自らの領地では絶対的権力を振るっていたものの、それ以外の場所ではほとんど影響力を持たなかった。」
 
大名を例に持ち出す孫氏は、米国人からは奇妙に見えるのだろう。さらに孫氏のワークスタイルが米国人から奇妙に見える例をあげる。

「孫氏はアップルやグーグルの本社に近いシリコンバレーの都市、カリフォルニア州サンカルロスに『影の本社』を設けている。ソフトバンクの東京とサンカルロスの両オフィスを訪れたことのある人物によると、同社が借りた4階建ての2棟のビルには東京の孫氏の重役室を再現した噴水と畳部屋付きの一室があるという。」
「孫氏はまた、日本から約1000人の社員をスプリントに投入。彼らはスプリントの業績反転と、ソフトバンクが日本国内でも使用できるような新サービスの開発に努める計画だ。」
「孫氏はこれまでも厳しい発言や並外れた野心で知られてきたが、同氏の戦略は突然で、スプリントにとっては時には厄介な変化でもある。これほどオープンに課題を突きつけられることに慣れている幹部や社員はほとんどいない。」

変な日本人上司がやってきて、カルチャーショックで右往左往する従業員が目に浮かぶようだ。

その後、記事は、孫氏が、米国人に理解出来ない面と、米国的な面を両方併せ持っていることを示す事例を幾つかあげる。スプリント会長である孫氏とCEOのヘッセ氏の関係や、2人の幹部の退職等について、詳しく述べた後で、次の様な事例を紹介する。

「孫氏を支持する人々は、孫氏は批判するのと同じくらい頻繁にほめるし、時には社員を抱きしめることもあると指摘する。感情がむき出しになることはいつものことで、スプリントで続く業績反転努力はスプリントとソフトバンクからのインプットによる共同作業だ、と両社の社員たちは話す。スプリントとソフトバンクの社員によると、進展の兆候の1つは、マネジャーたちは毎回の会議で、最も恐れる質問を孫氏から尋ねられる前に準備するようになったことだ。」
「スプリントの最高技術責任者(CTO)のスティーブン・バイ氏は、『事業に深くかかわり、事業に大きな興味を抱く会長がいることは企業にとって非常にポジティブだ』」と話している。

感情をむき出しにする変な日本人ではあるが、それが意外にも米国人に良い影響を与えているようだ。

その後、この記事は、孫氏が、ソフトバンクの業績回復を達成したことを詳細に説明した上で、その猛烈な働き方を紹介する。
「ソフトバンクの法人営業部門を統括する取締役常務執行役員の今井康之氏は、孫氏は望むことを手に入れるためにはごり押しもいとわないと話す。今井氏が10年ほど前に、ソフトバンクのブロードバンドネットワーク構築のスピードアップを任されていたとき、孫氏が最新の情報を聞くため毎日午前2時にやってきたと今井氏は振り返る。孫氏は今井氏に朝までに何を完了すべきか伝えたという。約1年半の間、今井氏は月曜日には1週間分の洋服を持って出社した。今井氏が帰宅したのは日曜日だけだった。」

午前2時に部下の所へやって来て、朝までに完了することを指示するとは、すごい。そして、今では、時差を利用して24時間働くことを幸せと言っているそうだ。本当にすごい!

「孫氏は1月にツイッター上でこうつぶやいた。『幸せだなあ。何時でも仕事がバリバリ出来る。日本とニューヨークの時差が14時間、サンノゼの時差が17時間。何時に目覚めても仕事相手が24時間いる。24時間、仲間がフルスピードで動いている』」と。」

その上で、孫氏の最近の猛烈ぶりを、示す沢山の逸話を紹介する。スプリント買収を1ヶ月で買収しろと言った話、携帯通信網を丸ごと刷新しろといった話、日本からソフトバンク従業員1,000人を駐在させろと言った話、コンピュータデータを使って成績の悪い従業員を叱咤激励する話、米国の行政認可の遅さにいらだつ話等々である。

そして、ソフトバンクの独特の会議スタイルについても触れる。

「孫氏はまた、日本ではソフトバンクの特徴として知られている騒々しい会議スタイルを持ち込んだ。社員同士が注目を得るためにしのぎを削るスタイルだ。東京で行われた最近の戦略会議では、エンジニアや経理、販売の各スタッフ、さらには部外者までが大声を出し、机に拳をたたきつけた。」
「孫氏も口をはさむのが容易ではなかったと藤原氏は振り返る。会議に出席していたソフトバンクの関係者は、スプリントの幹部は当惑したように見えたと話す。最近ではスプリントの社員もシリコンバレーでの会議の際には以前より大きな声で発言するようになっている。その一方で、ソフトバンクの社員の発言は減りがちだ。孫氏やスプリントの幹部に十分対抗できるほどの英語を話すソフトバンクの社員はほとんどいない。とりわけ、米国の携帯電話市場の話となればなおさらだ。」

次第に、スプリントの米国人従業員も、孫氏の猛烈なやり方に慣れてきて、それを楽しむ心の余裕が出てきた様だ。また、孫氏が、実は極めてリーゾナブルな人間であることも、次第に分かりつつある様だ。

「カーター氏は最近の会議で孫氏と意見を異にしたが妥協点に達したと話す。孫氏は『自分がすべての答えを持っているとは考えていない。』」とカーター氏は言う。『正しい事実が提示されれば、彼は自分の考えを変えることを厭わない。』」

米国人にとって、奇異に写る、孫氏の次の様な行動も、好意的に受け取られていて、孫氏の可愛らしい側面として理解されている様にも感じる。

「スプリントの社員はまた、孫氏にとって小さなことがしばしば大きな意味を持つことを学びつつある。ある従業員が30ページを超えるプレゼンテーション資料をネットで配信した際、孫氏は素早く要点が把握できるように、もっと凝縮する必要があると指摘した。」

「米衛星放送大手のディッシュ・ネットワークによるスプリント買収案を撃退するための昨年の会議で、孫氏は株主向けのプレゼンテーション資料にあったディッシュ側の提案を表した棒グラフを赤くするよう主張した。その理由は、ビジネスの世界では、『赤』はマイナスイメージを呼び起こすからだという。孫氏の発言を聞いた関係者が明かした。」

そして、最後には、孫氏の戦う姿勢が、スプリントの従業員を変えつつあることを示唆して、記事を締めくくっている。

「バイ氏は『豊富な議論がされている。』としたうえで、『マサは勝てると信じている。彼はナンバーワンになりたいと思っている。』と述べた。それはスプリントが『自分たちの自信を取り戻す。』」ことに役立っているという。」

日本的な経営スタイルでも、熱意があれば人を動かせるということか。孫氏は、同世代のビジネスマンであり、是非成功して欲しい。


Wednesday, March 5, 2014

円安の報い【A16(社説)】

社説で、安倍首相が、円安による会計上のトリックにばかり頼っていると、政権崩壊の危機すらあることを示唆している。安倍首相による本格的な構造改革の実施に期待を寄せる。

労働者の賃金と企業の設備投資が不調。1月の賃金は昨年同期比で若干上昇したが、物価上昇を考慮い入れると、大幅な減少。10-12月の設備投資は前期比0.3%減。どちらも低調であることを述べた上で、円安にばかり頼っている安倍首相の経済政策を厳しく批判する。

「こうしたことがすべて安倍首相の経済政策への大きな打撃となる。アベノミクスは輸出企業の収益を押し上げる円安をもたらした。それは実現した。だが、売上高が横ばいで推移ないしは低下するなか、円換算した利益が膨らんだという会計上のトリックが収益増の原因だ。その上、業績改善によって拡大するとみられていた設備投資と賃金の伸びはまだ実現していない。」

ウォールストリートジャーナルは、安倍首相の政策全般には好意的だが、「靖国訪問」と「円安に頼る経済政策」の2点には、一貫して批判的だ。そして構造改革の重要性を説く次の様な文章で締めくくる。

「安倍首相がこうした状況を打開できる方法は1つしかない。大胆な構造改革の公約を守り、生産性の向上につながる投資を刺激することだ。さもなければ低賃金とインフレによる害毒が広がり、公約の不履行がもたらす政治的結末への関心が高まるだろう。」

最後の文章は、「構想改革を実施しなければ、それが安倍首相の命取りになる。」という意味か? 政権崩壊という厳しい結末の可能性すら示唆している様に感じた。

殺人者の博物館におけるトーンの変化【A8面(国際面)】

「中国の世界」というシリーズ記事に、また日中関係の記事が掲載された。ハルビンの安重根記念館には、「共に米国の友好国である日韓の関係を悪化させ、米国の北アジアでの同盟政策を混乱させよう。」という、中国の意図が見え隠れするというもの。

まず、安重根がどういう人で、日韓でどの様な人物として認識されているかを説明する。
「安は1909年にこの駅のプラットホームで日本の政治家・伊藤博文を暗殺した。」
「当時、伊藤は中国を公式訪問中だった。伊藤は近代日本の建国の父であり、当時は朝鮮半島(大韓帝国)で最も高い立場(初代韓国総監を務めた)にあった日本の高官だった。日本が朝鮮半島全体を併合する直前だ。韓国人にとって安は国家の英雄だが、日本は安をテロリストと呼ぶ。安は隣り合わせの日韓両国の永続的な確執の象徴になった。」

中国が朴槿恵大統領の提案を受け入れてオープンした記念館のおかげで、韓国人の安倍氏に対する好感度は、北朝鮮の独裁者・金正恩第1書記に対するそれを下回り、中国は日韓関係を悪化させることに成功した。しかし、中国の意図はそれに留まらず、複雑で不安定な北アジアの政治と外交における根本的な変化を作り出そうというさらに大きな意図があるとしている。

「より広い視点から見ると、安の記念館は米国の主要な安全保障上の同盟国である日韓両国間の溝を一段と広げようとする動きだ。」
「中国はアジアにおける米国の同盟構造を脆弱化させるため、できることは何でもしたいと考えている。中国はこうした同盟構造が冷戦時代の包囲網政策の遺産だとみており、この記念館建設によって同盟弱体化という政策目的を推進する中国の能力を見せつけた。」
「これら全ては米国に警告を発する動きだ。米国は日韓両国に大規模な軍事拠点を保持しており、米国の安全保障上の国益は日韓の友好な関係を土台にしているからだ。」
この記念館は、米国の北アジアにおける国益の土台を揺るがすことを目的にしていることを示唆している。

そして、そのためなら、中国は、北朝鮮との関係すら見直すかもしれないとする。

「また、北朝鮮のこともある。日韓が同意できる話題があるとすれば、それは北朝鮮がもたらす脅威、そして同国が持つ核兵器やミサイルがもたらす脅威だ。北朝鮮をめぐる緊張が高まると韓国は日本に近づく。」
「しかし、この力学も変化しているのかもしれない。中国は北朝鮮と同国の指導者である金第1書記に怒りを募らせている兆候をみせている。金第1書記は11年に指導者になって以降、中国を訪問していない。」
「峨山政策研究院のHahm氏は、朝鮮半島の次の危機が到来した際に、中国が北朝鮮に味方するのか、韓国との関係を一層強化するのかを見極める正念場になろうと指摘、『決断のときは近づいている』」と話す。」

最後は、中国の意図が、いかにうまくいっているかという事例で締めくくっている。「6才の息子が伊藤博文を殺害していたらそれを誇りに思うだろう。」という、この韓国人主婦の発言はかなりショッキングだ。
「韓国人主婦Choさんは、暗殺時の解説や、安自身が命を絶たれた絞首台の図をサムスンの携帯電話でせっせと写真に撮っていた。」

「Choさんは韓国にいる6歳の息子にこの写真を送るつもりだと話し、『もし息子がこれ(伊藤暗殺)をやっていたら、私はとても誇りに思っただろう』」と述べた。」

この記事は、日本、米国、中国、韓国そして北朝鮮の、北アジアにおける複雑な関係を、安重根記念館を例に取って、上手く表現していて、面白い。

Saturday, March 1, 2014

5億ドル近いビットコインが消滅【A1面】

マウントゴックスが、民事再生法を申請したことを、A1面とA6面の大半を割いて詳細に報じている。経済誌だけあって、この問題は連日報道している、日本の記事と違って、面白いのは、被害者や専門家による、消滅したビットコインの「捜索」にも焦点を当てている点だ。

今回の事件の概要を伝えた上で、消滅したとされるビットコインが見つかるか否かについて、次の様に述べる。
「ビットコインが見つかるのか、見つかるとしたらどの様にして見つかるのかは明らかではない。開発者の間で『プロトコル』と呼ばれるビットコインの基盤になっているソフトウェアコードは、特殊なマーカーを使って全ての取引を追跡することが出来ると信じられている。マーカーはオンライン台帳を通して追跡可能だ。」
「キャッシュは、銀行の金庫から盗まれて広く分散されてしまうと追跡が困難だが、キャッシュとは異なり、ビットコインの取引は台帳に記録され、その台帳にはコンピュータさえあれば誰でもアクセスすることが可能だ。」
「何人かのコンピュータの専門家は、どんなハッカーでもコンピュータによる侵入の痕跡を隠すことが出来ると信じてきた。しかし、もし一つ一つのビットコインがマーカーを持っているのなら、窃盗犯が大きな額を他の貨幣に変換することはより困難になるだろう。これは、美術品の窃盗犯が盗んだマチスの絵を、すぐに質に入れるのが難しいとの同じことだ。」

この様な状況に希望を抱いた被害者やトレジャーハンター達が、仕事そっちのけで、失われたビットコイン探しに奔走していると述べた上で、次の様な事例を紹介する。

「ナッシュビルに住む40才のフリーランスのウェブ開発者であるデボン・ウェラー氏は『小額の』ビットコインをマウントゴックスに預けていた。彼は、金曜日の朝、通常の業務そっちのけで、無くなったビットコインの捜索に乗り出した。彼は、自分のホームオフィスから公開台帳にアクセスし、大量の取引の後を追跡し始めた。」

その後、この事件の最新状況や米国当局の対応等について詳細に報じた後、多くの人々チームを組んでがビットコインの捜索に熱狂する様子を紹介している。

「シュレム氏は、他の4人と共に捜索し、まだマウントゴックスの金庫にあると思われる90,000のビットコインを見つけたかもしれないという。マウントゴックスはこれらのビットコインは盗まれたと言っているが。シュレム氏は、見つかったというのはあくまで論理であり、まだ推論にすぎないとも言う。『我々はコミュニティーのために、捜索をしている。』」
シュレム氏は、ビットコインの熱心な擁護者だが、ビットコインを使ったマネーロンダリーの疑いで1月に逮捕され、自宅監禁中だ。

「レビン氏は、Letstalkbitcoin.comのライター。ビットコイン捜索については独学だ。彼のチームは『36時間のスカイプを利用した会議』により、捜索計画を作成したという。」
レビン氏は、その後に予定されている会議もキャンセルし、捜索に没頭するらしい。

さすがに米国は、IT先進国だし、新しいもの好きだし、何と言っても個人の活力に溢れる社会だけあって、ビットコムへの対応も日本とは随分異なる。