Thursday, August 4, 2016

日本は北朝鮮のミサイルが日本の近くに落下したことに抗議【A12面(国際面)】

8月3日、北朝鮮の弾道ミサイルが秋田県沖の排他的経済水域に落下したが、WSJはこのニュースを翌4日の国際面で速報した。



北朝鮮はこれまでも頻繁にミサイル発射を繰り返してきたが、今回の様に他国への直接の脅威となる様な打上げ方は極めて異例であること、2月には中距離ミサイルの打ち上げに成功しており、日本やグアムにある米軍基地が射程内に入ったこと、米国は北朝鮮の脅威に備えるため韓国にミサイル防衛網の設置を計画していることなどを、詳しく伝えている。日本については、安倍首相の「きぜんと対応していきたい。」という発言を引用しているが、具体的な対策をしないことを非難しているようにも読める。

***** 以下本文 *****
北朝鮮は83日(水曜日)午前、弾道ミサイルを発射したが、そのミサイルは日本に異常に近い地点に落下した。北朝鮮の兵器開発の進展に不安を感じていただけに、日本は強く抗議を行った。
北朝鮮は国連の禁止決議を無視して、しばしば弾道ミサイルを発射している。しかし、他国への直接の脅威になる様な打上げは行ってこなかった。日本の防衛大臣によれば、今回のミサイルは日本の北部にある秋田県沖、約150マイルの地点に落下した。
1998年に北朝鮮が発射したミサイルが日本上空を通過して太平洋に落下したが、今回は日本の近くへ接近したという意味では、その時以来だ。2009年には、北朝鮮のミサイルが日本の北部を通過して東へ進み太平洋に落下した。安倍首相は「わが国の排他的経済水域に落下したとみられ、わが国の安全保障に対する重大な脅威であり、許しがたい暴挙だ。」の述べた。また「明白な国連安保理決議違反であり、北朝鮮に対し断固抗議した。米国・韓国と連携し、きぜんと対応していきたい」とも付け加えた。
北朝鮮は通常、ミサイル発射について事前警告を出さないし、また発射後も何の声明も出さない。専門家によれば、今回のミサイルは爆薬を弾頭に装着しておらず、着弾しても被害はミサイルそのものの力によるものに限定されていたと思われるが、ミサイルに燃料が残っていた場合にはそれが爆発を引き起こす可能性もある。北朝鮮は、金正恩の指導のもと、ミサイルと核弾頭の開発を加速させてきた。2011年に金正恩が権力を握ってから、30発以上の弾道ミサイルを発射している。それらの殆どは日本の方向にある海に向けて発射された。6月には、北朝鮮は、グアムや日本にある米軍基地にとって脅威となる新しい中型ミサイルの実験に成功した。
1月の核爆弾実験、2月のミサイルとみられる長距離ロケットの発射に呼応して、国連は北朝鮮に新たな制裁を課した。
北朝鮮は、アメリカとその同盟国による侵攻に先制して対抗するために、攻撃することも辞さないとして、アメリカや韓国ばかりでなく、日本にも頻繁に脅しをかけている。82日(火曜日)に発行された防衛白書の中で、日本は北朝鮮で核弾頭付ミサイルの開発が進んでいることに大きな懸念を示している。
北朝鮮の増大する武力への対応力を強化するために、アメリカと韓国は、韓国に最新のミサイル防衛網を設置する計画だ。この防衛網のレーダーが中国の一部をカバーするので、この計画は中国を怒らせている。
統合戦略軍によれば、北朝鮮は2発のミサイルを発射したが、そのうちの1発は発射直後に爆発してしまった模様だ。また、発射されたミサイルはノドン中距離ミサイルとみられる。ノドンの射程距離は約800マイルであり、西日本の殆どの地域が北朝鮮からの射程距離内にある。