Monday, August 15, 2016

落ちこむ輸出と低調な投資が日本経済を直撃【A12面(国際面)】

内閣府は15日発表した、201646月期のGDP国内総生産)速報値について、同日の国際面で速報した。



4-6月期の経済成長は予測を下回る0.2%に止まり、政府による公共投資が無ければマイナスになっていたとする。但し、日本は(人口の高齢化等の)構造的な問題で潜在成長率が落ち込んでおり、ゼロ成長は今や驚くべきことではないとする。政府は景気刺激策と同時に構造改革に取り組むべきだし、企業に賃上げを促し家計支出を増やすべきだと言っている様に読める。 

***** 以下本文 *****

輸出の落ち込みと、企業投資の弱さの中、第二四半期の日本経済はほぼ成長停止状態だった。これは、日本が未だにその成長を公共投資に頼っていることを示している。
月曜日の内閣府の発表によれば、4-6月期の日本経済の成長は年率換算で0.2%にとどまり、1-3月期の2%を下回った。
もし公共投資の増額がなければ、4-6月期の経済は縮小していた。政府は、日本の会計年度の最初の四半期である同期に、公共投資を前倒しで支出した。安倍内閣は8月初旬に28兆円(2,760億ドル)規模の景気刺激策を承認したので、政府による支出は下期も継続する。この対策の中には、2,200万人の低所得者への15,000円の支給も含まれる。
「この先も輸出は低調な状況が続くが、公共投資の増額は成長を助けるだろう。」、みずほ調査機構のエコノミストであるトクダヒデノブ氏は述べる。「構造的に日本の成長の潜在力は落ちている。これが意味するところは、政府は、景気刺激策だけでなく、構造改革を続けていく必要があるということだ。」
輸出が前年比で5.9%落ち込む中、企業投資は2四半期連続して減少した。船、鉄鋼製品、石油関連製品の輸出が落ち込んだ。データについて説明した政府報道官は、米国や欧州での日本製品への需要が弱いと発言した。
エコノミストは年初からの円高が輸出を直撃したと述べた。
家計支出もほぼ横ばいだった。消費支出は、日本のGDPの約60%を占める。エコノミストは、ここ数年多くの大企業が記録的な利益を計上しているにもかかわらず、多くの国民がそれに見合った賃金増加を受け取っていないので、消費者は支出を差し控えていると言う。日本の従業員が受け取った給与の総額は、前の四半期から、0.3%しか増加していない。
安倍氏は3年半前に数10年続いた不況を終了させると約束して首相の地位に就いた。しかし、経済はコンスタントに成長して来なかった。6月に安倍首相は、当初2017年に予定されていた消費増税を2019年まで遅らせるとした。2014年に実施した消費増税は、その後の景気冷え込みの原因となった。
第二四半期の数値は予測よりも少し低かったが、多くのエコノミストはほぼ横ばいの成長というのは、日本の潜在成長率を考えると驚くべきことではないと指摘する。日銀の最新の予測では、日本の潜在成長率は0.21%であり、内閣府の予測でも0.3%だ。輸出減少など、少しでもネガティブな要因があると、日本経済は簡単に縮小に転じてしまう。
住宅投資は前年比21.3%も伸びたが、これは2011年以来最大の増加だ。政府関係者は、日銀の金融緩和策により金利が落ち込んでいることが、住宅需要を刺激しているとみている。