8月にWSJに掲載された日本関係の記事は12件。1月~9月ま での一月当りの平均が9.7件だったので、 平均より少し多かった。
テーマ別では、政治関係が5件、経済関係が4件、社会関係が3件 だった。
政治関係では、1日に東京都知事に小池百合子氏が就任、、 4日には防衛大臣に稲田朋美氏を任命と、 女性が重要な地位に就いたことを相次いで報じた。( 蓮舫が民進党の党首に立候補したことは報道されなかった。 党首になったら報道されるか?)また、9日には、 天皇陛下がテレビで生前退位の意向を示されたことが報じられた。 女性が都知事や重要閣僚に就任したり、 天皇制の見直しを迫る発言を天皇陛下自らがされたりと、 これまでの古い日本が少しづつではあるが変化していることを印象 付ける記事だった。残りの2件は、 4日に北朝鮮の打ち上げた弾道ミサイルが秋田沖に落下したことを 、 8日に尖閣諸島周辺での中国による扇動的行為に日本が抗議したこ とを報じた。こちらは逆に、 周辺国の理不尽な行動に対して何も出来ない(何もしない?) 古い日本を印象づける記事だった。 稲田氏の防衛大臣就任で少しは変わるか・・・。
ところで、毎年この時期には、広島や長崎への原爆投下、 閣僚の靖国神社訪問などが報道されるが、 今年はこうした記事が一件もなかった。 オバマ大統領の広島訪問で核廃絶へ向けた取組が期待される中、 原爆関連の記事が皆無だったのは残念。 靖国には丸山珠代氏や高市早苗氏らが参拝したのに、 全く報道されなかったのは、何か裏取引でもあったのだろうか?
経済関係では、 3日に28兆円規模の新経済政策が閣議を通過したことを、 一方で15日に7~9月期のGDPの伸びが低かったことを伝えた 。「安倍首相の大胆な経済政策」と「 それにもかかわらず低迷する経済成長」の両方を報道し、 アベノミクスに思い切った規制緩和が欠けていることを指摘するの は、ここ数か月の傾向。10日には山本経済再生担当大臣が、 賃金目標を設定する考えを示したことを伝えたが、 規制緩和を実施すべき時に、 主要閣僚が新たな規制を提案しているところはコミカルですらある 。23日には東京オリンピックに向けた投資で日本のGDPが押し 上げられることを報道。日本国民の昂揚感も重なって、 このイベントが日本経済復活の起爆剤になることを期待している様 にも読める。(というか、 安倍首相が規制緩和を断行するとはとても思えないので、 日本経済復活にはオリンピック効果くらいしか期待出来ないという ことか?)
社会関係では、 11日に日本で貧困にあえぐ高齢者が増えていることを報道。「 人々を幸せにするはずだった長寿社会は、 逆に労働生産性が低下し貧困者が増える暗い社会だった。」 というブラックユーモアとも取れる記事。 この難しい問題に本気で取り組む政治家が出てこないことも皮肉っ ている。同じく11日に、 日本の音楽マニアの凝り性は常軌を逸していて、 自分の庭に専用の電柱を設置することが流行っているという記事が 掲載された。 29日には台風10号が東北に上陸する恐れがあることを報道した 。「高齢化」「エキセントリックな日本人」「自然災害」 というのは良く取り上げられるテーマだ。
掲載箇所では、1面が1回、国際面が11件だった。