Saturday, September 26, 2015

どの空手種目がオリンピックで採用されるためのチョップをかますか?【A1面】

空手が、東京オリンピックで採用される新競技の一つになりそうだが、どの種目が採用されるかは微妙だという記事が、1面に掲載された。



空手は、大きく言って、コンタクト型(極真流、硬式空手)、ノンコンタクト(寸止め)型(日本空手連盟)の2つの流派がある。どちらがオリンピックに採用されるかは決まっていないが、笹川尭氏が会長の日本空手連盟が押すノンコンタクト型が、政治的に有利とする。WSJは、どちらかというとコンタクト型に同情的で、最悪でも両方が採用されることを望んでいる様に読める。

***** 以下本文 *****

この記事は次の様な書き出しで始まる。
「世界で最も人気のある武術の選手たちは、オリンピックでどの型が採用されるかを巡って戦っている。」
「空手は、2020年の東京オリンピックでのデビューを目指して戦う8つの競技のうちの一つだ。しかし、どの空手だ?国際オリンピック協会が応募することを認めた団体である世界空手連盟は、最低のコンタクトだけを認めている。しかし、数千万人の空手競技者が、パンチを認める他の流派に所属している。」

長い記事なので、暫く要約する。
こうした流派のリーダーたちは両方の型がオリンピックに採用される様にする使命を負っている。さもないと、世界中の多くの空手キッズ達の夢が消えてしまうリスクがあるからだ。
日本にとって東京オリンピックへの道のりは既に厳しい。日本政府は新オリンピックスタジアム(高すぎる。)とオリンピックロゴ(盗作の疑い)を諦めた。月曜日に迫る新競技の決定はもう一つの大きな試練だ。
空手は、過去3回オリンピック競技に選ばれるチャンスを逃してきたが、今回はオリンピックが東京で開催される上に、大物政治家が支援しており、大きなチャンスだ。多くの国で、オリンピック種目であることは、国から補助金をもらうための必要条件だ。

22歳の加藤さやかさんは、新極真会の世界チャンピョンだが、新極真会の空手は、最低限の保護防具で鋭いキックやパンチを繰り出すフルコンタクト型だ。彼女は「今更、他の型で戦いたくない。」と言う。日本フルコンタクト空手道連盟は、全世界で、ロシアのプーチン大統領を含む、約2千万人がフル空手をやっていると主張する。連盟の創設者は、素手で熊を殺したことで知られる。連盟は、昨年、フルコンタクト空手とノンフルコンタクト空手の両方をオリンピック種目にする様に陳情する100万の署名を集めた。

しかし、こうしたキャンペーンは、ノンコンタクト(寸止め)空手を押している国際空手連盟を動かすには至っていない。国際オリンピック連盟は、1999年以降、国際空手連盟を空手を代表する組織として認知している。同連盟は、相手に怪我をさせるテクニックを賞賛ことは、空手についての正しいメッセージにならないとし、90%以上の空手愛好家を代表していると主張する。

もう一つのオプションは、硬式空手、別名セーフコンタクト空手だ。競技者は、胸と頭に保護防具を付ける。この流派の創設者である久高正之空観は、ブルース・リーに空手を教えたことでも知られる。久高氏は、オリンピックの観戦者は、本当のコンタクトを見たいのであって、シャドーボクシングが見たいのでは無いと主張する。

コンタクト空手派は政治敵に不利だ。ノンコンタクトを代表する日本空手協会の会長は、長い間自民党議員を務め、右派の大金持ち笹川良一の息子である、笹川尭氏だ。笹川氏は森政権時代に大臣を務めたが、その森氏は東京オリンピック組織委員会の会長だ。

空手は、中国の武道の影響を強く受けて、沖縄で生まれた。1920年代に本土に紹介されてから、ノンコンタクト方式が生まれた。ライバルの流派からは、ノンコンタクトは欧州方式を取り入れていて、この方式では日本はメダルが取れないと主張する。フルコンタクト方式の支持者は、水泳やレスリングの様に、複数の空手種目がオリンピックで採用されるべきだとする。

この記事は次の様なコメントで締めくくられている。
「22歳の空手チャンピョンである加藤氏は、彼女が幼い頃からの夢が遂に叶うと思っている。幼い頃に空手を練習している時に、彼女は兄の力強いキックを見ていた。」
「『私は、私たちのルールで金メダルを取りたいのです。』と彼女は言う。」