安倍首相が29日にニューヨークのブルームバーグで行った講演について、30日の国際面で速報した。
この講演は機関投資家を対象にしたもので、内容もアベノミクス第2ステージを中心に行われたが、アベノミクス第2ステージは無視されて、質疑応答の中での日中関係についての発言だけが取り上げられた。
この記事の隣では、日中が激しく争ったインドネシア鉄道受注で日本が中国に敗退したことが掲載されているが、こうした件や、日本での安保法案成立、中国の南シナ海での活動等により、日中関係に改善の兆しはない。そうした中での安倍首相が日中関係改善に意欲を示したことに、期待を寄せている様に読める。
***** 以下本文 ****
「日本の安倍晋三首相は、隣国である中国とのあらゆるレベルでの率直な話し合いを含む、同国との関係改善を望むと述べた。」
「日本の議会は、9月に、同国の国際的な軍事力を拡大する法案を通過させた。法案により、日本政府は日本が攻撃されていない場合でも、国際紛争においてその軍事力を行使出来る様になった。これは、第二次世界大戦以降の70年の間で初めてのことだ。」
「中国が、軍事力を増強し、南シナ海における行動を増やしていることを、日本や他のアジア諸国は憂慮している。日本の動きに対して、中国は、日本政府に対し、地域の平和や安定を乱さないで欲しいと警告した。」
「安倍首相は国連総会出席のために、アメリカを訪れているが、火曜日にブルームバーグで講演を行い、日本と中国は関係強化のために努力すべきだと述べた。『日本と中国の間に友好的な関係、安定した関係を構築する必要があると申し上げたい。両国がそうした目標に向かって努力しなければならないと思う。』と質疑応答の中で述べた。」
「日本は、中国との海洋紛争に巻き込まれているアジアの多くの国々の中の一つだ。中国は2013年11月に新しい航空防衛ゾーンを設定したが、その中には日本が領海としている地域が含まれる。中国は、最近、南シナ海の領有争いがある島々で、埋め立てや施設建設などを行い、問題をエスカレーションさせている。」
「安倍氏は火曜日に、日本政府は中国の経済面での苦境にも注目していると述べた。」