Tuesday, November 20, 2018

新たな動きが仏ルノーを震撼とさせる。【A9面(国際面)】

1119日にゴーン氏逮捕のニュースが世界中を駆け巡ったが、WSJ20日の国際面で、この事件のルノーやフランス政府に対する影響についてまとめた記事を掲載した。



今や、日産とのアライアンスは、フランスにとって雇用をもたらす重要なものであり、「今回の事件によってそのアライアンスを失うのではないか?」という恐怖がフランス政府や労働者の間に広まっているとしている。その一方で、フランスがその高い賃金を維持し続ける限り、グローバル連合であるルノー・日産連合は遅かれ早かれ、フランス国外の工場へと逃げていくだろうともしている。

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日本でカルロスゴーンが逮捕されたが、ルノーやその最大の株主であるフランス政府にも影響があるだろう。日産や三菱との提携が非常に重要な時期にある中、ルノーからCEOがいなくなるかもしれない。
日産は、財務的な不正行為にかかわったとして、ゴーン氏をその会長職から追い出すつもりだ。日産の発表により、ルノーはCEO不在の状況になり、ルノーもフランス政府も不意打ちをくらった格好だ。
フランスのマクロン大統領は、事実に基づいた発言をするには時期尚早だと話した。ルノーは、取締役会が早急に招集される見込みだと述べた。
マクロン大統領もルノーも、ゴーン氏の逮捕がルノーのパートナーである日本企業への影響力を弱めることを望まないことを示唆した。ルノーは日産株の43%を保有している。それは、1999年に日産に緊急援助をした時にまで遡る。この株式保有により、ルノーは日産を実質的に支配している。日産はルノーの株を15%保有しているが、議決権は保有していない。日産はまた、2016年にアライアンスに参加した三菱自動車の株を34%保有している。
フランス政府はルノーの株式を15%保有しており、最大の株主だが、同時にこのアライアンスについて発言力をもっている。
ルノーはその取締役たちはアライアンスにおけるルノーグループの権益を守ることにコミットしていると述べた。
何年にもあたり、ゴーン氏はルノー社内で日本企業とのアライアンスに重要な役割を果たしていると見られてきた。このアライアンスのおかげで、ルノーは、2008年の金融危機の後の長期不況を乗り切ることができた。
ここ数年の日産の成長により、日産はこの2社の中で、より大きな会社となった。フランスのパートナーであるルノーよりも沢山の自動車を販売し、ルノーの利益に大きく貢献している。こうしたことが、フランスの労働組合や官僚に、日産が独自路線を取るのではないかという恐怖を抱かせている。
ルノーと日産は、生産システムの統合へと向かっている。これにより、どちらの会社の車であっても、世界中のどの工場でも生産が可能だ。フランスの労働者たちは、仕事が簡単にフランス国外へ流出してしまうことを恐れている。フランスでは賃金が歴史的にみて、高いので。

日産のゴーン氏が日本で逮捕される【A1面】

19日に「ゴーン氏逮捕」という衝撃のニュースが流れたが、WSJはこのニュースを翌20日の1面トップで大きく取り上げた。日本関係の記事が、1面トップで取り上げれるのは極めて異例だ。



 事実を詳しく報じる中で「何故ゴーン氏の不正行為について、何故日産の幹部や経理部が分からなかったのか?」という点について疑問を呈していること、西川社長の記者会見について極めて感情的だったとしていることなどから、ゴーン氏寄り(日産批判)の記事になっているように読めるがどうだろう。日産、ルノー、三菱という比較的小さな3社を強烈なリーダーシップで世界第2位の自動車連合に育て上げたゴーン氏の実力を認める一方で、自動車業界の競争のルールは変わったとして、シリコンヴァレーと戦うに際しては、ゴーン氏の力は役に立たないのでは無いかとの見方も提示している。

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日本の検察はゴーン氏を収監した。ゴーン氏は自動車業界の大物で、世界で最も知られたビジネスマンの一人だ。検察は彼が報酬の一部を開示していなかったとしている。ゴーン氏が作り上げたグローバル規模の自動車企業連合のリーダーシップへの危機の始まりだ。
ゴーン氏が会長を務める日産は、月曜日に、ゴーン氏が長年にわたって、有価証券報告書に彼の報酬を不正確に申告していたとする内部調査を検察に提出したと述べた。日産はまた、ゴーン氏を現在の地位から追い出すつもりだとも述べた。
ゴーン氏は20年近く前に、フランスのルノーと日本の日産のパートナーシップ構築という仕事を与えられた。当時、日産は財務的な問題を抱えており、このパートナーシップは思ったよりも深いものとなった。彼は、後に、日本の三菱自動車もパートナーに加えた。そして、この比較的小さな3社をフォルクスワーゲンに次ぐ生産台数を誇る、巨大企業連合へと育て上げた。最近の3社間の軋轢や、物凄いスピードで変化する自動車業界の中で、ゴーン氏はこの連合を維持するための接着剤として機能してきた。
この逮捕は、近年の自動車産業で最も有名なゴーン氏の評判をも傷つけることになる。64才のビジネスマンは、彼が指揮を執る自動車企業の運営において、時に大胆なコストカットや解雇を行うことによって、デトロイトから東京まで、多くの尊敬を勝ち得てきた。それは、時に、批判につながることもあったが、
彼はフランスでは「コストカッター(le cost killer)」の異名を得た。日本では彼の人生を描いた漫画が人気だ。しかし、近年は、後継者を作っていないことや、高い報酬を得ていることで、批判に晒されてきた。日本では、最近、彼の評判は、品質問題によっても傷つけらていた。
横浜に本社を置く日産は、その声明の中で、ゴーン氏による重大な財務上の不正行為が発覚したと述べた。
日産によれば、調査は内部告発から始まり、調査結果の詳細は検察に報告された。日産のCEOである西川廣人は月曜日の夜に行われた感情を露わにした記者会見で、ゴーン氏が有価証券報告書でその報酬を過少申告したことが発覚したと述べた。日産はまた、ゴーン氏が経費を不正申告し、会社の資産を個人目的で使用したとした。こうした不適切な行為は長年にわたって行われていたと西川氏は述べた。西川氏は、2017年にゴーン氏はCEOの地位から降りるまで、日産の共同CEOだった。
検察は、有価証券報告書に報酬を過少報告した疑いで、ゴーン氏を拘留していることを認めた。彼は正式に起訴されていない。ゴーン氏とこの件で逮捕された日産幹部のグレッグ・ケリー氏にコメントを求めようとしたが、コンタクト出来なかった。米国民であるケリー氏は、経験豊富な弁護士で、ゴーン氏の長年の腹心だった。ケリー氏の代理人や家族のコメントも取ろうとしたが、コンタクト出来なかった。
ゴーン氏はまた三菱自動車の会長でもあるが、同社もゴーン氏の会長の地位から追い払うつもりだ。
検察からのコメントによれば、20153月期までの5会計年度において、ゴーン氏は100億円(8,900万ドル)近い報酬を受け取っていた。しかし、日産は有価証券報告書でその半分の額しか報告していなかった。検察によれば、彼は、虚偽の申告を禁止している日本の法律に違反した疑いが持たれている。
日産と三菱の有価証券報告書によれば、ゴーン氏は、昨年この2社から、彼の業務への報酬として、現金と株式で、合計96,200万円を稼いだ。ルノーの証券報告書によれば、ルノーはゴーン氏に昨年キャッシュと株式で740万ユーロ(約840万ドル)を支払った。
報告されていないとされる報酬をゴーン氏がどの様に受け取ったかは、日産からの更なる情報の開示がないと分からない。もし、この疑いが真実だとすれば、次の様な疑問が生じる。なぜ、ゴーン氏が過少申告する必要があったのか、日産が株式市場に報告書を提出する前に、日産の幹部や経理関係者が、この差異を見つけることが出来なかったのか?
以前はゴーン氏の盟友であった西川氏は、月曜日の記者会見では、言葉を選びながらもショックを隠し切れなかった。「申し訳ないと思う以上に、どの様に表現して良いか分かりませんが、強い怒りや失望を覚えます。」と彼は言った。同時に、1977年入社の西川氏はそのコメントで、更に最近起きたゴーン氏のリーダーシップにおける不適切な対応についても強調した。彼は、ゴーン氏が指揮を執っている期間についての批判を口にしたし、1990 年代に倒産の危機にあった日産を救ったのはゴーン氏だという見方を否定した。
西川氏によれば、ゴーン氏の調査についての情報は秘密扱いされてきた。日産の他の幹部がこのことを知ったのは、日産がこの情報を外部発表する1時間前の、月曜日の午後だった。ルノーに知らせたのも月曜日だったという。
ルノーの取締役会は、声明の中で、ゴーン氏からの「正確な情報」を待っていて、すぐにでも彼に会う予定だとした。また、ルノー取締役会は3社連合のおけるルノーの権益を守ることにコミットしているとも語った。
フランス政府はルノーの株式の多くを保有している。フランス国籍を持つゴーン氏はルノーの会長とCEOを兼務している。フランスのマカロン大統領は、詳細については把握していないが、「3社連合の安定性については、非常に注目している。」と述べた。
月曜日に欧州市場においてルノーの株価は10%以上下落した。東京市場では、火曜日の午前中に、日産の株式が4.2%下落した。日産、ルノー、三菱連合は、合併の少し手前で止まっている。1社では、フォルクスワーゲンやトヨタの様な巨大な競合に敵わないが、3社は、技術や主要部品、研究開発などの分野で協力することにより、グローバルで戦える規模を生み出している。
アナリストたちによれば、ゴーンがいてもいなくても、3社連合の将来は、一人の幹部によってではなく、スピーディーに変化する業界のトレンドによって左右されるだろう。この連合が最初に作られた時には、自動車業界の主流の考え方は、自動車メーカーが競争に勝つには、グローバルな規模が必要ということだった。しかし、今や自動車業界は、シリコンヴァレーとの戦いを強いられている。それは、誰が人の移動の将来を支配するかという戦いであり、結果は誰に対しても開かれている。

Wednesday, November 7, 2018

若者の自殺者数がここ30年で最高を記録【A11面(国際面)】

文科省によれば、日本の小・中・高校生の自殺者数が、過去30間で最多となったが、WSJはこのニュースを7日の国際面で速報した。



 全年齢層を通しての自殺者数は減少していること、小・中・高校生の自殺は原因不明の場合が多いこと(遺書がないことが原因とのこと。)などをコンパクトに伝えている。

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日本人の自殺者数は、過去15年間減少しているが、文科省によれば、若者の自殺者数ここ30年で最高となった。
文科省の調査によれば、3月までの1年間で、小学校、中学校、高校に通う250人の子供が自殺した。この数値は1年前には245人だった。1986年に268人が自らの命を絶って以来、最も多い数値だ。

調査結果によれば、250人の自殺者のうち、33人の子供は将来について不安を持っていたとされ、31人が家族の問題を抱え、10人がいじめにあっていたとされるが、140名は原因が不明だ。

Wednesday, October 31, 2018

*** 10月のまとめ***

10月にWSJ(ウォールストリートジャーナル)に掲載された日本関係の記事は6件だった。1月から9月までの月あたり掲載数が、平均6.6件だったので、掲載数としてほぼ平均値。

テーマ別では、政治関係が4件、経済関係が1件、社会関係が1件。

政治関係では、1日に「玉城デニー氏の沖縄新知事選出」を、3日に「安倍新内閣で女性大臣が1人にとどまったこと」を、5日に「ミャンマーのアウンサンスーチー女史来日」を、13日に「外国人労働者拡大に向けた法改正」を報じた。
玉城デニー氏の父親が米国人(米海兵隊員)であること伝えている。先月大活躍した大坂なおみ選手らを含め、最近は従来の日本人とは違うタイプの日本人の活躍が目立つ。こうした「新しい日本」は、法改正による労働者受入れ拡大によって、更に加速されるだろう。
その一方で、女性が輝く社会を目指した安倍首相自身が、自らの内閣に1名の女性大臣しか登用しなかったり、ロヒンギャ問題に目をつぶりミャンマーに急接近する日和見的な外交姿勢など、「変わらない日本」についても報道している。

経済関係では、10日にソフトバンクによるウィーワーク買収の可能性を1面で報じた。日本経済新聞をはじめ多くの新聞がこの記事を引用。WSJの特ダネだろう。スタートアップ企業を応援するソフトバンクの姿勢を評価すると同時に、そのスケールの大きさに驚嘆している様に読める。アメリカ人をも驚かせるスケールの投資ファンドを率いる孫正義氏はすごい。

社会関係では、9日に「3.11からの復興」から学べることは多いとする読者が、自らまとめた「7つの教訓」を投稿した。東日本大震災からの復興プロジェクトは、3,150億ドル(約33兆円)を投じた人類史上最大の土木プロジェクトで、復興が終わると、その反動で、沢山の失業者が出て景気が悪くなるとのこと。日本ではタブーの視点だ。

掲載箇所では、1面が1回、読者投稿欄が1回、国際面が4回だった。

Saturday, October 13, 2018

日本は外国人熟練労働者を勧誘【A9面(国際面)】

政府は12日、単純労働者を含む外国人労働者の受け入れを拡大する入国管理法などの改正案の骨子を示したが、WSJはこのニュースを翌13日の国際面で速報した。


 日本には移民アレルギーがあり、長い間外国人労働者の受入れを拒んで来たが、深刻な労働者不足に対応するために、スキルのあるブルーカラーについて無期限の滞在を認めることにしたことを報じている。

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日本は、海外からのブルーカラーの労働者を、一定のスキルを満たせば、無期限に働くことができる様にする計画だと発表した。長い間の慣行を破ることになる。
これは、安倍内閣が、今年の国会で成立させ、来年41日から施行しようとしている外国人労働者に関する法案の一部だ。この法案は、農業や建設業といった産業における厳しい労働者不足に対応するものだ。
金曜日に菅官房長官は、日本は、外国人が働いたり、住みたくなる様な、国を目指すと語った。
安倍首相は、今年、外国人労働者についての新しいプログラムを創設したいと語っていた。しかし、外国人労働者が、どれくらいの期間日本に滞在できるかは、明確ではなかった。
金曜日に発表された法案は、2つ異なったシステムを提示している。一つは、あまりスキルのない労働者向けで、5年滞在することができる。もう一つは充分なテクニカルスキルを持っていると判断された労働者向けだ。こうした労働者は、日本に無期限で滞在可能で、一緒に家族を連れてくることも出来る。
日本は長い間大規模な移民を拒んできた。ほとんどの国民が同じ民族に属するという文化的な強みが弱まるという固定観念があるのが、その理由の一つだ。日本で生まれる国民が減少し、雇用主が労働者を見つけるのに苦労している現状を踏まえ、安倍首相や経済界の幹部たちの考えは変化した。
それでも、この問題はセンシティブだ。安倍首相は、移民政策は採用しないと何回も約束してきた。安倍首相のこの考えを取り入れた法律案を作る考えがあるかと質問され、菅官房長官は苛立ちをあらわにした。こうした安倍首相の考えは、一般的には、肉体労働者には、日本に無期限に来てほしくないということを意味していると受け取られて来た。
「全く何も変わっていない。」と菅氏は述べた。菅氏によれば、技術的に十分なスキルを持ったブルーカラー労働者は、企業幹部や教授といったホワイトカラー労働者と、同じだ。こうしたホワイトカラー労働者は、雇用主がそのスキルを必要としていれば、これまでも無期限に日本に滞在することができた。
最新のデータによれば、日本に滞在する外国人労働者の数は、この5年で倍増し、201710月には128万人に達した。多くの学生が、発展途上国からの人々のトレーニングを目的としたプログラムでブルーカラー労働者として働いている。しかし、このプログラムは実際には、低賃金労働者の確保のために使われている。
日本国際交流センターの執行理事で、外国人労働者について研究して来た毛受 敏浩氏は、新しい法案は、トレーニングプログラムの二の舞になるのではないかと心配している。このプログラムを使って日本に来た労働者は、母国のブローカーに巨額のお金を払う必要があることに不満を持っている。そして、日本にくれば、雇用主による虐待が待っている。
毛受氏は、それでもこのプログラムにより、製造業者は、退職が近くなった熟練技術者を置き換えるための長期滞在移民を見つけやすくなるだろうと述べた。「本当にスキルを持った労働者に滞在してもらうことが、重要だ。」と彼は述べた。

Wednesday, October 10, 2018

ソフトバンクはウィーワーク株の過半数取得に動く【A1面】

ソフトバンクグループは、オフィスシェア事業を手掛けるウィーワークの過半数株式取得に向けて協議しているとする記事が、10日の1面に掲載された。


 投資額は150-200億ドルで投資元はソフトバンクビジョンファンドになる見込みとしている。ウィーワークは、マンハッタンで大量のオフィスを長期リースし、それらを小さく区切って小規模な企業に短期間サブリースすると言うビジネスモデルで急成長してきた。ニューマン社長は、人々をつなぎ、コミュニティを作ると言う大きなビジョンを掲げている。こうした多くのスタートアップ企業が、ソフトバンクビジョンの様な、ベンチャーファンドに支えられている。

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ソフトバンクグループは、ウィーワークの株の過半数取得を目指して、交渉をしている。創業8年目の、共有オフィススペース企業への、大きな投資となる。交渉に詳しい人々からの情報だ。
何人かの人々によれば、投資額は、150億〜200億ドルと見られ、ソフトバンクビジョンファンドの資金が使われる模様だ。920億ドルに上るビジョンファンドは、ソフトバンクに加えて、サウジアラビアやアブダビからも投資されている。昨年、時価総額200億ドルのウィーワーク株式のうち、44億ドルを取得して、ほぼ20%の株式を保有している。
何人かによれば、交渉は流動的で、成立するかどうかについては何の保証もない。
ソフトバンクとウィーワークは、今年の夏に、ウィーワークの時価を400億円とする少額の投資について交渉していた。ウォールストリートジャーナルは6月に報道していた。
交渉が成立すれば、過去数十年のスタートアップブームの最大で最も重要な買収となる。ソフトバンクは、1月にベンチャーに支援されたスタートアップ企業に最大の投資を行った。77億ドルを支払って、ウーバーテクノロジーの株を15%取得したのだ。ベンチャーの支援を受けた160以上の企業が、10億ドル以上の価値を持っているが、2010年には数社に過ぎなかった。
この8年で、ニューヨークに本社を置くウィーワークは、ローアーマンハッタンの1つの事務所から、今年の半ばには、287のビルに265,000以上のデスクをレントするまでになった。不動産サービス企業であるCushman & Wakefieldによれば、ウィーワークは、他のどの企業よりもマンハッタンに事務所スペースを占有しており、そこで530万フィートをレントしている。
そうした成長は、60億ドル以上に上る投資によって可能となった。ソフトバンク以外にも、ベンチャーキャピタルのBenchmark、中国に本社があるHony CapitalJPMorgan Chaseの資産管理部門などが投資している。
ウィーワークのコアビジネスは、オフィスリースだ。内装などが施されていない事務所を長期でリースし、サイズをフレキシブルに変えられるスペースにモダンなデザインで内装を施し、1ヶ月といった短期間でサブリースする。
不動産にフォーカスしているが、いつも、どちらかというとテック企業の様なイメージで売り込んでいる。チーフエグエクティブのアダム・ニューマンは、人々をつなげ、コミュニティーを作るという、広いビジョンを掲げている。
ニューマン氏は最近、ウィーワークにとってのオフィスは、アマゾンにとっての本の様なものだと述べた。ウィーワークが目指すもののほんの一部に過ぎない。
彼の大きな野望は、一つのコミュニティを作ってしまうことだ。そこには、事務所だけではなく、ウィーワークが運営するマンションや、ジムや学校さえある。先月、小学校が開校した。また、サーチエンジン最適化の企業も進出した。波の出るプールのビジネスへの投資も考えている。
ウィーワークの評価額は、長い間、不動産所有者やサービス付き事務所のベテランたちを惑わせてきた。こうした人たちは、レンタルオフィスといった似た様な製品を供給してきた。それほど格好良くはないが。こうした企業で最大のIWGは、6月現在、ウィーワークの倍の数のデスクをレンタル用に確保している。しかし、評価額は、ウィーワークの1/5だ。
ウィーワークはまた急成長への投資の中で、損失を積み上げてきた。そして、最近そのロスは加速し始めた。債権者に明らかにされた数値によれば、今年の上半期に、76,300万ドルの損失を計上した。前年同期の1億5,400万ドルを大幅に上回る金額だ。同じ時期に、売上は倍以上に拡大し、76,300万ドルになった。
ウィーワークは、損失は成長への投資を反映しているとしてきた。彼らが保有している場所は、一旦オープンして完全にリースされれば、健全なマージンを生み出す。
成長を支えるのは、中堅から大型の企業で、部門や何人かの従業員のためのオフィスを1-3年借りるところだ。こうした企業の多くが、短期リースのフレキシビリティーを気に入っている。ウィーワークは10-15年もの長期レントの支払いのリスクを抱えている。
懐疑的な人たちは、ウィーワークに何十億ドルも投資した人は、そのビジネスのリスクを十分に理解していないと言う。その顧客は、長くは続かないかもしれないスタートアップが大半を占めているし、不況になると離れていってしまう大企業もいる。一方で、ウィーワークは長期リースにっ縛られている。
「彼らは、多くの他人のお金を急速に使っている。」とフランクコトルは言う。彼は、サービス付きオフィスのネットワークを運営しており、20年前に、IWGの前身であるRegasにサービス付きオフィスのたくさんのポートフォリオを販売してきた。「ウィーワークに投資してきた人たちは、そのストーリーを見ている。」と彼は言う。「彼らは、その利益を度外視しているのだ。」

Tuesday, October 9, 2018

日本の津波からの復興は世界への教訓【A17面(読者投稿欄)】

3.11からの復興」から学べることは多いとする読者の投稿が、9日の読者投稿欄に掲載された。


 米国人であるこの読者は、被災地に何回か訪問したことがあり、彼自身がそこから学んだ「7つの教訓」をまとめている。日本人では気がつかない視点もあり、なかなか面白い。東日本大震災からの復興プロジェクトは、3,150億ドル(約33兆円)を投じた人類史上最大の土木プロジェクトとのこと。復興が終わると、沢山の失業者が出るだろうという心配が米国人らしい。


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ハリケーンFlorenceやスラウェシの地震と津波の様な自然災害は、数日か数週間、見出しを飾るが、その後の復興からの重要な教訓は、しばしば忘れ去られてしまう。2015年に日本の津波被災地への4回目の訪問の時に初めて、私は、日本の復興10年計画は、目に見える結果を出し始めたと感じた。最近、私は再訪問した。22,000人の犠牲者を出した2011 311日の大惨事から7年が経過した。日本の経験からは多くのことが学べる。

・移設住居を事前に計画しておく。3.11の後、日本政府は、迅速に、何万人もの避難民を緊急避難シェルターから、平らな屋根の鉄筋のプレハブへ移送した。1995年の神戸・大阪地震の教訓から事前に計画を策定していた。アクセスの便のために、フレキシブルなバスルートが、被害が甚大で復旧に時間を要する鉄道を代替した。

・日用品の需要を満たす仮設ショッピングセンターを迅速にオープンさせる。地元のビジネスの再開をスピードアップする。サノケンジさんが、グリーンリーフ仮設ショッピングパークの彼の店に貼り出した貼り紙は、心温まるニュースだ。この店は、津波によって最も甚大な被害を受けた町の一つである釜石にある。貼り紙には次の様に書かれていた。「崩壊した家と酒屋を再建しました。このため、この仮設店舗での営業を止め、以前家や店があった場所に戻ります。」3.11から5年経って、サノさんは、父親が1926年に始めたファミリービジネスを再興させたかった。51才の息子が家族を支援できる様に。

・目立つ避難サインが不可欠。サノさんの近隣の人々は、家を出たが、すぐに死んでしまった。なぜなら、どこへ行くべきか分からなかったから。津波の被災地には、今は、高台を指すサインが設けられている。もし、災害の前にこうしたサインが設置されていたら、多くの人命を救っただろう。

・メンタルヘルスサービスが不可欠。高齢社会である日本では、被災者の多くが痴呆症に苦しんでいた。しかし、壁に囲まれた避難所の中まで入って対応するためには、十分な数のソーシャルワーカーがいなかった。サノさんは、最近87才になったが、数十年前に彼の店を訪れた外国人からもらった犬の耳の形をした名刺を取り出して、半分冗談気味に老人ボケについて語る。

・全ての町を元どおりにすべきというわけではない。釜石から2時間ほど南に行ったところで、最も野心的な復興の取り組みが行われている。陸前高田は、津波地域で1,800人と2番目に多い犠牲者を出した。広田湾から押し寄せた津波の水が、町全体を覆った。こうしたことが2度と起きない様に、浸水した地域は30フィート以上かさ上げされた。近隣の山から削ってきた土を使い、その場所に土を盛るためにベルトコンベヤーで2マイル運んだ。未だに答えが出ていなのは、陸前高田は、自然に従い、高台に町を再建すべきだったかどうかだ。津波から7年経ったが、町の最終形は未だに想像の中だ。
海岸を4時間ほど北上した田老では、津波の脅威がまるでミニチュア模型で起きたかの様だ。33フィートの高さがあるXの形をした内陸側と海岸側の防護壁が町を守っていた。津波のあと田老の町は、禿げた男の頭の様になってしまった、被災を逃れた家が、周辺部の高台に残り、低地は完全に破壊されてしまったからだ。人口は、4,434人から3,019人にまで減少した。
しかし、田老は前に進む決意だ。防波堤と水門は再建された。町にあるセメント工場は規模を縮小して再建された。民家と町役場は、浸水の心配のない高台にリング状に建っている。8.5エーカーの太陽電池発電が、400の民家に電力を供給する。町の真ん中には、野球場がある。地元のセミプロチーム、キットカットドリームズの本拠地だ。

・津波の被災者を一般化するな。「それぞれの避難者には、それぞれの津波体験がある。」と田老で食料品店を営む79才のハヤシモトさんは言う。「彼らの内面の苦しみは分からない。」ハヤシモトさんの個人的な重荷は、痴呆症で入院している夫と、昨年バイク事故で身体不随となった息子を訪れることだ。田老は日本で一番美味しい鮭が採れることで有名だ。息子は、日本の大都市向けの、乾燥サーモンのビジネスを始める予定になっていた。「この再興は、次の世代のためのものだ。我々の世代のためではない。」とハヤシモトさんは、ため息交じりに言う。

・最大の津波の高さの下に原発を作るな。福島原発から数マイル南にあるヒロノで、タケダさんという男性が、津波の最大の高さを示す柱へ連れて行ってくれた。その高さよりも上にある建物には、殆ど波がくることはなかった。それより下のあらゆる地点は破壊された。福島原発は、ちょうど津波の通り道に建っていた。

日本の津波からの復興は、かつて行われたことのない規模のエンジニアリングプロジェクトだ。10年で3,150億ドルが予算化されている。アパートは完成し、殆どの避難民が恒久的な住居に移り住んだ。2021年には、結果論からとやかくいう人が沢山出てくるだろう。これ位の規模の仕事になると、世界の全ての悪、例えば、非効率、無駄、重複、汚職、腐敗などが表面化してくるだろう。大手の建設会社は、行き場を失った機械を持つことになるだろう。多くの労働者が解雇されるだろう。
しかし、日本は幾つもの町を再興したのだ。公園や近代的な学校や先端技術を使った建物で。世界がこれまで「スマートコミュニティ」を作ろうと努力してきた中で、最も素晴らしいものだ。そして世界は、何世代にも渡って、分析し、学ぶべき災害復興のお手本を持つことになるのだ。