5月は、ウォールストリートジャーナルに日本に関する記事が18件掲載された。1月が12件、2,3月がそれぞれ20件、4月が23件だったので、まあ、平均的な回数だった。
テーマ別では、政治関係が4件、経済関係が5件、社会関係が9件で、政治、経済のお堅いニュースばかりでなく、様々な分野でのニュースが掲載された。
今月、最も話題になったのは、トヨタの北米本社移転のニュースだろう。5月1日の第一報に続いて、2日、3日と2日連続で社説で取り上げ、カリフォルニア州の対応について批判を繰り返した、14日には、カリフォルニア州がビジネスフレンドリーではないとする専門家の意見も掲載、この問題に対する関心の高さを示した。
原発問題についても関心が高い。17日には福島第一原発への地下水流入を防ぐために凍土壁を構築するというニュースを詳しく伝え、この問題の解決の難しさを印象つけた。更に22日には関西電力大飯原発再稼働却下の判決を速報している。5日に東京を襲った地震についても速報している。
また、8月11日が山の日という祝日なったことや、切られ役俳優の福本清三が太秦ライムライトという映画の主役に抜擢されたことなど、日本の面白い側面を、一面下のコラムで取り上げた。
政治関係では、5月末にシンガポールで開催されたアジア安全保障会議で、中国と日米が激しい批判の応酬を繰り返したことを連日(30,31日)詳しく報道し、中国批判をより一層強めている。また、安倍首相が集団的自衛権の行使容認の方針を示したことを16日に速報、27日には安倍首相のインタビュー記事を掲載し、彼の積極的外交路線を詳細に紹介している。同紙は、安倍首相の政治姿勢について、対中強硬姿勢は支持しているが、ロシアとの対話継続路線については複雑だ。
経済関係では、消費増税の影響についての関心が高い。早くも2日には4月の速報値をベースに「影響が想定内であった。」ことを伝え、21日には続報を伝えている。また、15日には消増税前の駆け込み需要で、1月~3月期のGDPの伸びが順調であったことも伝えている。
一方で、金融、財政にばかり依存して、抜本的構造改革を怠るアベノミクスのほころびについても報じている。31日には雇用状況は上辺の数値程良くないことを報じ、24日には安倍首相に構造改革を迫る黒田日銀総裁へのインタビュー記事を掲載した。
24日にに黒田日銀総裁、27日に安倍首相のインタビュー記事を相次いで掲載したのだが、前者は1面扱い、後者は7面(国際面)扱いと、安倍首相に批判的な黒田日銀総裁の扱いの方が上なのが面白い。
掲載箇所では、1面が3回、国内面が1回、国際面が11回、社説・意見欄が3回だったあ。
一面を飾ったのは、黒田日銀総裁のインタビューの他に、コラムに取り上げられた山の日と切られ役俳優。
社説・意見欄を飾ったのは、全てトヨタの北米本社移転。やはり、5月はこのニュースが最大のハイライトだった。
ウォールストリートジャーナルは、米国に影響力をもつ多くのインテリ層に読まれていて、その世論形成に寄与しています。同誌に日本がどの様に取り上げられているかを観察することは、米国で日本についてのどの様な世論が形成されつつあるを知ることになるのではないでしょうか。このブログでは同誌に取り上げられた日本関係の記事を簡単に紹介しています。私は英語が専門ではないので、誤訳はご容赦。
Saturday, May 31, 2014
米国と日本は、アジアの安全保障について、中国を激しく非難した【A6面(国際面)】
シンガポールで開催されているアジア安全保障会議で、日米が共に、中国を激しく非難したことが、国際面で報道されている。
米・豪・日の防衛大臣が誇らしげに握手をする写真が、大きく掲載され、中国への対決姿勢を煽っている。
この記事は次の様な書き出しで始まる。
「米国と日本のリーダー達は、南シナ海における中国の不当な領土侵害についての批判を、次々と提示した。彼らは、安全保障会議で、中国は領土権の主張を強める努力をしているが、それは第二次世界大戦以降のアジアの繁栄を支えてきた国際秩序を蝕む危険をはらんでいると主張した。」
「米国のチャック・ヘーゲル国防長官は、シャングリラ・ダイアローグとして知られる国際安全保障フォーラムでのスピーチで強硬な姿勢を示した。彼は、中国は、最近、近隣諸国から領土権を主張されている島々や領海の支配を試みているが、これらの行為は米国が1945年に確立し、その後守られてきた国際秩序を大きく壊すことになる博打的行為だと述べた。」
以下長いので要約する。
ヘーゲル国務長官は、中国の力による紛争解決姿勢を、アジア太平洋のルールに基づいた秩序の維持を難しくするものだとしして、中国を何度も侵略者扱いして激しく非難した。彼は、軍事介入については言及しなかったし、領土紛争についてはどちらにも加担しないとの従来の態度を崩さなかったが、アジア・太平洋地域の軍事力強化を引続き行うことを強調した。
安部首相は、ヘーゲル国務長官同様、中国の行為は地域の緊張を高めており、日本が地域の安全保障に、より大きなリーダーシップを発揮することによって、そうした状態を変えられるとの見解をしめした。
中国は、一連の行為について、領海内における通常行為だとし、名指しはしなかったものの、日本が地域の安定を脅かしてるといして非難した。
これに対し安部首相は、南シナ海での事態の沈静化が必要であることを強調し、中国と敵対するベトナムやフィリピンの会話によって解決を図る姿勢を支持、これらの国々への海上防衛強化への協力を表明した。
この記事は、次の様なコメントで締めくくられている。
「安部首相のスピーチの前に、中国立法府外務委員会のフー・イン議長は、中国が日本にとっての脅威であるという神話を作り出すために、懸案となっている島々についての危機を捏造しているとして、安部首相を激しく非難した。」
「フー議長は、同会議に出席している文官のトップだが、安部首相は日本の安全保障政策の変更という自らの案を正当化するための『言い訳』として、この状況を利用しているだけだと述べた。彼女はまた、日本の第二次世界大戦における行為を『否定』しているとして安部首相を非難した。彼のこうした政治姿勢は、彼が日本をどういった方向に導こうとしているかという点について、中国に大きな懸念を抱かせざるをえない。」
「安倍首相は、この様な中国の懸念を和らげるために、日本は戦争についての強い反省を繰り返し表明してきたし、平和に強くコミットしていると述べた。」
米国の対中強硬姿勢に呼応して、日本も強硬姿勢をとっているが、こうした日米の姿勢が、日中間の激しい対立を生んでいる。この対立の行き着く先は?
米・豪・日の防衛大臣が誇らしげに握手をする写真が、大きく掲載され、中国への対決姿勢を煽っている。
この記事は次の様な書き出しで始まる。
「米国と日本のリーダー達は、南シナ海における中国の不当な領土侵害についての批判を、次々と提示した。彼らは、安全保障会議で、中国は領土権の主張を強める努力をしているが、それは第二次世界大戦以降のアジアの繁栄を支えてきた国際秩序を蝕む危険をはらんでいると主張した。」
「米国のチャック・ヘーゲル国防長官は、シャングリラ・ダイアローグとして知られる国際安全保障フォーラムでのスピーチで強硬な姿勢を示した。彼は、中国は、最近、近隣諸国から領土権を主張されている島々や領海の支配を試みているが、これらの行為は米国が1945年に確立し、その後守られてきた国際秩序を大きく壊すことになる博打的行為だと述べた。」
以下長いので要約する。
ヘーゲル国務長官は、中国の力による紛争解決姿勢を、アジア太平洋のルールに基づいた秩序の維持を難しくするものだとしして、中国を何度も侵略者扱いして激しく非難した。彼は、軍事介入については言及しなかったし、領土紛争についてはどちらにも加担しないとの従来の態度を崩さなかったが、アジア・太平洋地域の軍事力強化を引続き行うことを強調した。
安部首相は、ヘーゲル国務長官同様、中国の行為は地域の緊張を高めており、日本が地域の安全保障に、より大きなリーダーシップを発揮することによって、そうした状態を変えられるとの見解をしめした。
中国は、一連の行為について、領海内における通常行為だとし、名指しはしなかったものの、日本が地域の安定を脅かしてるといして非難した。
これに対し安部首相は、南シナ海での事態の沈静化が必要であることを強調し、中国と敵対するベトナムやフィリピンの会話によって解決を図る姿勢を支持、これらの国々への海上防衛強化への協力を表明した。
この記事は、次の様なコメントで締めくくられている。
「安部首相のスピーチの前に、中国立法府外務委員会のフー・イン議長は、中国が日本にとっての脅威であるという神話を作り出すために、懸案となっている島々についての危機を捏造しているとして、安部首相を激しく非難した。」
「フー議長は、同会議に出席している文官のトップだが、安部首相は日本の安全保障政策の変更という自らの案を正当化するための『言い訳』として、この状況を利用しているだけだと述べた。彼女はまた、日本の第二次世界大戦における行為を『否定』しているとして安部首相を非難した。彼のこうした政治姿勢は、彼が日本をどういった方向に導こうとしているかという点について、中国に大きな懸念を抱かせざるをえない。」
「安倍首相は、この様な中国の懸念を和らげるために、日本は戦争についての強い反省を繰り返し表明してきたし、平和に強くコミットしていると述べた。」
米国の対中強硬姿勢に呼応して、日本も強硬姿勢をとっているが、こうした日米の姿勢が、日中間の激しい対立を生んでいる。この対立の行き着く先は?
日本の雇用者は賃金を多く払うことを避けている【A9面(国際面)】
日本の労働者不足、特に3Kといわれている産業での労働者不足が深刻で、これがアベノミクスの足を引っ張るかもしれないという記事。国際面に掲載された。
この記事は、次の様な書き出しで始まる。
「ウエノユウイチは、彼の勤務するトラック運送業のために、もっと多くの運転手を雇いたいと思っているが、賃金を上げることは出来ない。」
「日本経済が昨年回復しだして以来、ウエノさんはコンビ二やファストフードの店への供給の需要が高まってきているのを感じている。」
「ウエノさんが勤務する会社は、名古屋の郊外にあり、116台のトラックを保有しているが、最近料金を10%値上げした。」
「しかし、シニア・マネジャーであるウエノさんは、十分な労働者を確保できていない。多くの若い日本人は、運送業に興味を失っている。利益が少ないので、賃金を上げて労働者を確保するのは不可能だと彼は言う。そのかわりに、彼は社員達に友人や親戚を紹介する様にお願いしている。」
長い記事なので、しばらく要約する。
日本経済はアベノミクスのおかげで回復基調にあるが、ウエノさんによれば、その恩恵を受けているのは大企業だけで、彼の企業の様な小さな企業は利益を享受していない。アベノミクスの成功はこうした中小企業が雇用を増やせるかにかかっている。
日本の失業率は3.6%と、米国の6.3%に比べて低く、仕事を探している人100名に対し、募集人員は108名で、表向きは雇用状況は極めて良く見える。確かに、トヨタや日立の様な大企業は、利益が大幅に増えたおかげて、給与やボーナスを増やしているが、一方でインフレ率が日銀目標の2%に達していないとか、4月の消費者支出が消費税の影響で前年比13%減になるなどの問題点も露呈している。
そして、企業はパートへの依存を深めている。パートは解雇しやすく賃金も安いからだ。企業は昨年度、パート従業員を5%増やしたが、一般従業員は0.7%減らした。
この記事は、次の様なコメントで締めくくる。
「労働者不足は、そうした悪い状況にさらに拍車をかける。運輸業、建設業、ホテルの様な、労働集約業種において、その傾向が顕著だ。」
「この労働者不足は、一つには、日本の高齢者が、不況の間に労働市場から抜けていったことを反映している。出生率の低下により、これを補うだけの、若者がいないのだ。」
「この労働者不足は、若者がきつく、汚く、危険な仕事をするのを嫌がることも示している。」
高齢者が増え、若者が労働集約型業種への就労を嫌がり、その他の業種でもパートばかりが増え・・・と、日本の雇用状況は表向きの数値に比べ、状況は暗い。
この記事は、次の様な書き出しで始まる。
「ウエノユウイチは、彼の勤務するトラック運送業のために、もっと多くの運転手を雇いたいと思っているが、賃金を上げることは出来ない。」
「日本経済が昨年回復しだして以来、ウエノさんはコンビ二やファストフードの店への供給の需要が高まってきているのを感じている。」
「ウエノさんが勤務する会社は、名古屋の郊外にあり、116台のトラックを保有しているが、最近料金を10%値上げした。」
「しかし、シニア・マネジャーであるウエノさんは、十分な労働者を確保できていない。多くの若い日本人は、運送業に興味を失っている。利益が少ないので、賃金を上げて労働者を確保するのは不可能だと彼は言う。そのかわりに、彼は社員達に友人や親戚を紹介する様にお願いしている。」
長い記事なので、しばらく要約する。
日本経済はアベノミクスのおかげで回復基調にあるが、ウエノさんによれば、その恩恵を受けているのは大企業だけで、彼の企業の様な小さな企業は利益を享受していない。アベノミクスの成功はこうした中小企業が雇用を増やせるかにかかっている。
日本の失業率は3.6%と、米国の6.3%に比べて低く、仕事を探している人100名に対し、募集人員は108名で、表向きは雇用状況は極めて良く見える。確かに、トヨタや日立の様な大企業は、利益が大幅に増えたおかげて、給与やボーナスを増やしているが、一方でインフレ率が日銀目標の2%に達していないとか、4月の消費者支出が消費税の影響で前年比13%減になるなどの問題点も露呈している。
そして、企業はパートへの依存を深めている。パートは解雇しやすく賃金も安いからだ。企業は昨年度、パート従業員を5%増やしたが、一般従業員は0.7%減らした。
この記事は、次の様なコメントで締めくくる。
「労働者不足は、そうした悪い状況にさらに拍車をかける。運輸業、建設業、ホテルの様な、労働集約業種において、その傾向が顕著だ。」
「この労働者不足は、一つには、日本の高齢者が、不況の間に労働市場から抜けていったことを反映している。出生率の低下により、これを補うだけの、若者がいないのだ。」
「この労働者不足は、若者がきつく、汚く、危険な仕事をするのを嫌がることも示している。」
高齢者が増え、若者が労働集約型業種への就労を嫌がり、その他の業種でもパートばかりが増え・・・と、日本の雇用状況は表向きの数値に比べ、状況は暗い。
Friday, May 30, 2014
日本と中国は、アジアについての競合的な見方を公表する【A8面(国際面)】
アジア安全保障会議(シャングリア・ダイアローグ)に関する記事が、国際面に掲載された。この会議で、アジアのライバルである日中が対決するという、勇ましいタイトルになっている。
この記事は次の様な書き出しで始まる。
「東シナ海、南シナ海での領土紛争により同地域での緊張が高まる中、今週末、シンガポールで、防衛大臣と軍高官が一同に会してサミットが開催される。その席で、中国と日本は、アジア太平洋地域の安全保障の将来について、競合的な見方を提示する見通しだ。」
「シャングリラ・ダイアローグでは、日本の安倍晋三首相と米国のチャック・ヘーゲル国防長官が演説する予定だ。ここ数週間、ベトナムが領有権を主張する海域で、中国が、石油掘削のためのプラットフォームを構築し、地域に波紋を投げかけているが、同会議は、それ以来初めて、米国、中国、他のアジア諸国の軍高官が一同に会するイベントとなる。」
そして、中国のこうした動きについて、ベトナムが強く非難し、他の国々も疑問を呈していること、ヘーゲル国防長官は、この件で、中国と対峙するつもりであること、そして、安倍首相がいわゆる「安倍ドクトリン」を発表し、地域と協力して、日本が防衛についてより積極的に取組む意思があることを表明する予定であることを述べる。
この記事は次のようなコメントで締めくくられている。
「安倍首相は、中国とアセアン諸国に対し、現在両者の間で話し合われている海上活動についての行動規範を遵守する様に迫る。また、中国と対峙しているアジア諸国の海を守る能力の増強への支援についても討議する。」
「安倍首相の、より強い日本というキャッチフレーズは、既に、米国やフィリピンといった同盟国からサポートを勝ち取っている。その一方で、平和国家である日本のの再軍備に懸念をもつ、中国と韓国からは非難を受けている。」
日本は南シナ海の問題にくびをつっこみ、中国との対立を深めているが、この対立は、どこへ行き着くのだろうか。
安倍首相の演説は、外務省のホームページで見られるし、下記のYouTubeでも見られる。
http://www.youtube.com/watch?v=O8Z0WhSeNg0
「
この記事は次の様な書き出しで始まる。
「東シナ海、南シナ海での領土紛争により同地域での緊張が高まる中、今週末、シンガポールで、防衛大臣と軍高官が一同に会してサミットが開催される。その席で、中国と日本は、アジア太平洋地域の安全保障の将来について、競合的な見方を提示する見通しだ。」
「シャングリラ・ダイアローグでは、日本の安倍晋三首相と米国のチャック・ヘーゲル国防長官が演説する予定だ。ここ数週間、ベトナムが領有権を主張する海域で、中国が、石油掘削のためのプラットフォームを構築し、地域に波紋を投げかけているが、同会議は、それ以来初めて、米国、中国、他のアジア諸国の軍高官が一同に会するイベントとなる。」
そして、中国のこうした動きについて、ベトナムが強く非難し、他の国々も疑問を呈していること、ヘーゲル国防長官は、この件で、中国と対峙するつもりであること、そして、安倍首相がいわゆる「安倍ドクトリン」を発表し、地域と協力して、日本が防衛についてより積極的に取組む意思があることを表明する予定であることを述べる。
この記事は次のようなコメントで締めくくられている。
「安倍首相は、中国とアセアン諸国に対し、現在両者の間で話し合われている海上活動についての行動規範を遵守する様に迫る。また、中国と対峙しているアジア諸国の海を守る能力の増強への支援についても討議する。」
「安倍首相の、より強い日本というキャッチフレーズは、既に、米国やフィリピンといった同盟国からサポートを勝ち取っている。その一方で、平和国家である日本のの再軍備に懸念をもつ、中国と韓国からは非難を受けている。」
日本は南シナ海の問題にくびをつっこみ、中国との対立を深めているが、この対立は、どこへ行き着くのだろうか。
安倍首相の演説は、外務省のホームページで見られるし、下記のYouTubeでも見られる。
http://www.youtube.com/watch?v=O8Z0WhSeNg0
「
Tuesday, May 27, 2014
日本の首相は確固たる外交アジェンダに取組む【A7面(国際面)】
安倍首相へのインタビュー記事が国際面に掲載された。
西側諸国の批判にも係わらずロシアと会話を続け、中国からの批判にもかかわらずベトナム・フィリピン支援を止めない、安倍首相の強気の独自外交を淡々と伝えている。
この記事は、下記の様な書き出しで始まる。
「日本の首相である安倍晋三は、確固とした外交アジェンダを準備している。ベトナムが中国と領土問題て対峙する中、ベトナムへの海上での援助を加速させ、ロシアが西側諸国からそっぽを向かれる中、今年プーチン大統領をもてなす。」
「『海底の石油を目的とした中国の一方的な採掘行為は、ベトナムから非難の声が上がっていて、これまでにない緊張をもたらしています。」と金曜日のウォールストリートジャーナルとのインタビューで安倍首相は語った。『我々は、軍事力や威圧による現状の変更に決して黙ってはいません。』とも言った。彼は、昨年、東南アジアのリーダーに積極的に接触し、彼自身が中国の威圧に対する対抗勢力となることを売り込んだ。」
その後、この記事は、安倍首相が、ロシアのウクライナ併合を非難し、ロシアへの制裁を実施する一方で、ロシアとの会話の継続を強く望んでいることを、詳しく述べる。
そして、安倍首相が、これまでの日本の受身の外交姿勢を、独自の強い外交姿勢に変えようとしていることを強調する一方で、こうした政治姿勢が必ずしも国民に指示されていないことにも言及する。
最後は、次の様なコメントで締めくくる。
「それでも安倍首相は、日本の役割を一段上げ様としている。彼は、日本の東シナ海における対中紛争との類似性を引き合いに出して、南シナ海におけるフィリピンとベトナムの対中紛争においてこの2ヶ国を支援することを公言した。中国は激しく非難している。」
「安倍首相は、中国に面している国々に、海洋上での支援策を打ち出した。これらの支援策は、実効面ではあまり意味をもたないが、象徴的には非常い重要な意味をもつ。12月に日本はフィリピンに10隻の巡視艇を寄贈し、ベトナムとも同様のアレンジを考えていることを発表した。」
西側諸国の批判にも係わらずロシアと会話を続け、中国からの批判にもかかわらずベトナム・フィリピン支援を止めない、安倍首相の強気の独自外交を淡々と伝えている。
この記事は、下記の様な書き出しで始まる。
「日本の首相である安倍晋三は、確固とした外交アジェンダを準備している。ベトナムが中国と領土問題て対峙する中、ベトナムへの海上での援助を加速させ、ロシアが西側諸国からそっぽを向かれる中、今年プーチン大統領をもてなす。」
「『海底の石油を目的とした中国の一方的な採掘行為は、ベトナムから非難の声が上がっていて、これまでにない緊張をもたらしています。」と金曜日のウォールストリートジャーナルとのインタビューで安倍首相は語った。『我々は、軍事力や威圧による現状の変更に決して黙ってはいません。』とも言った。彼は、昨年、東南アジアのリーダーに積極的に接触し、彼自身が中国の威圧に対する対抗勢力となることを売り込んだ。」
その後、この記事は、安倍首相が、ロシアのウクライナ併合を非難し、ロシアへの制裁を実施する一方で、ロシアとの会話の継続を強く望んでいることを、詳しく述べる。
そして、安倍首相が、これまでの日本の受身の外交姿勢を、独自の強い外交姿勢に変えようとしていることを強調する一方で、こうした政治姿勢が必ずしも国民に指示されていないことにも言及する。
最後は、次の様なコメントで締めくくる。
「それでも安倍首相は、日本の役割を一段上げ様としている。彼は、日本の東シナ海における対中紛争との類似性を引き合いに出して、南シナ海におけるフィリピンとベトナムの対中紛争においてこの2ヶ国を支援することを公言した。中国は激しく非難している。」
「安倍首相は、中国に面している国々に、海洋上での支援策を打ち出した。これらの支援策は、実効面ではあまり意味をもたないが、象徴的には非常い重要な意味をもつ。12月に日本はフィリピンに10隻の巡視艇を寄贈し、ベトナムとも同様のアレンジを考えていることを発表した。」
Saturday, May 24, 2014
日銀総裁は安倍首相に計画の実行を迫る【A1面】
一面トップに、黒田日銀総裁へのインタビュー記事が掲載された。かなりの紙面を割いており、破格の扱いだ。
安倍首相が、黒田氏の進める金融政策に頼りすぎで、経済の構造的変革に取組まないことを、黒田氏の発言を引用して、強く批判している。
この記事は、次の様な書き出しで始まる。
「日本の中央銀行のトップは、世界第三位の経済の活力を吸い取ってきたデフレ撲滅の戦いに勝利すると予言した。しかしながら、政府がやるべき、官僚主義の撲滅や企業投資促進について、政府の取組みのペースが遅いことに苛立ちを表明した。」
「『実行が鍵だ。そして実行が迅速であるべきだ。』ウォールストリートジャーナルとのインタビューで黒田東彦日銀総裁は語った。政府と民間部門で実施すべき仕事が沢山ある。」
大変に長い記事なので、下記に要約する。
黒田氏は、「安倍首相が、金融政策にのみ頼るのではなく、構造的な変革に取組まない限り、高い成長率は望めず、経済にとっても、社会にとっても良いことにはならない。」と安倍首相を批判する。
一方で、安倍首相は、ウォールストリートジャーナルとの別のインタビューで「既にこれまで規制で守られてきた分野に揺さぶりをかけてきたし、6月には追加施策を発表する。小売電気市場の完全自由化を果たしたし、40年もの間、手をつけられなかった米の減反助成金についても廃止した。こうした改革は、これまで不可能とされたきた。構造改革は、安倍政権にとって終わることにないテーマだ。」として、変革に積極的に取組んでいることをアピールした。
黒田氏は「円高はこれまでに得た利益をだいなしにする。」とも発言。これまでの日銀総裁は、為替について言及することはなかったので、この発言は、彼が、これまでの日銀の縄張り以外にも取組むという強い決意を示している。
黒田氏は、海外からの労働力の受け入れ、女性の社会進出にも積極的に発言しているし、負債の削減についても、企業の所得減税には慎重であるべきと踏み込んだ発言をしている。
黒田氏の言動は、こうした分野での変化への努力に成功を与えるかもしれない。
しかし、一方で、安倍首相は、既得権に守られた産業に考慮して、米国からの豚や牛の関税撤廃の要求を拒否し、TPP交渉の進展を遅らせている。
円安は、輸入品価格の上昇により価格下落を止めたし、円安により、輸出業界は製品競争力を高めることができた。だが、最近、昨年の円安傾向が反転する兆しが見えている。
日本のGDPは6四半期連続で成長しているし、消費増税の影響も予測したほどはなかったし、消費者価格も上昇している。
それでも多くの投資家は日本の成長が長続きすることに懐疑的だ。日経平均は今年になって10%値下がりしている。
金融政策は、期待した効果をもたらしているが、変革のペースが遅いのだ。
黒田氏は、これまで、アベノミクスの3つの矢の最初の矢である金融政策以外へのコメントは控えてきた。
しかし、金融政策に自信を示しつつも、経済成長率の低さにも言及する。
「来年には2%のインフレを達成できる。もし、進展が遅ければ、更なる金融緩和策を打つ。一方で、中期的な潜在的成長率は1%以下だ。工場の海外流出と人口減少によって、成長率は低い。成長率を上げなければ、2%のインフレだけ達成されて、成長は不十分のいう事態になりかねない。」
日本は80年台のバブル崩壊以降、20年間ものスランプに陥った。
日本は、デフレに直撃された唯一の先進国だ。安倍首相は、2012年の首相選挙で、日銀がデフレ撲滅に取組まないことを非難し、当選後、黒田氏を日銀総裁に据えた。
黒田氏は、就任初日に「デフレが15年も続いた国はない。」と語り、それ以降、日本の中央銀行は、積極的な政策に取組む様になった。
黒田革命の背景には、心理を変える必要があるという信念がある。
デフレ思考下では、企業は投資しないし、個人は消費しない。そうした思考を変えて、企業投資、個人消費を誘導することが重要だ。
歴史を見ると、短期間でインフレへの期待が高まった事例はそう多くはない。大胆な政策の変更に裏打ちされる必要があるとして、ルーズベルト大統領のニューディール政策等を例に出した。
苦しい中でも陽気な態度を失わないルーズベルトのスタイルが、黒田氏のお手本の様だ。前任の白川氏が学者タイプだったのと対照的だ。
黒田氏は、経済から、アガサクリスティ、哲学に至る幅広い分野に興味を持っており、彼が実験を恐れないのはそのためだ。高校時代にカールポッパーに魅せられ、日本語に翻訳し、昨年の再版時にはあとがきも書いた。「反証が、理論に忠実であることより、柔軟であることが重要であることを私に教えてくれた。」
4月30日に日銀は、2015年度のインフレ率を1.9%、2016年度のそれを2.1%と予測した。多くのアナリストはそれ程楽観的ではなく、来年は1%程度とみている。
日銀内部で過去17回の取締役会で彼の提案が拒否されたことは無い。しかし、9人のうち3人が常に黒田氏の予測に批判的だ。
彼の予測に対する懐疑的な見方に、黒田氏は、懐疑論は日本経済の変革を妨げるだけとして切り捨てる。
最後は、次の様なコメントで締めくくっている。
「『徐々にではあるが、インフレへの期待は高まっている。それは既に賃金や企業による価格設定に影響を及ぼしている。』と黒田氏は、ジャーナルとのインタビューで発言した。」
「『楽観主義が芽生えてきているが、これは安倍首相が長期的に日本経済の効率性を上げるための難しい変革を実行するための基盤を作っている。』堅調な労働市場と、賃金と価格上昇を引き合いに出して黒田氏は言う。『私は、これは、構造改革のための願っても無いチャンスだと心から思います。』」
一般的に、アメリカ人は、変革に積極的で、自らリスクをとり、明るく、思ったことを口に出す、黒田氏の様なタイプの人間が好きだと思う。ウォールストリートジャーナルの彼に対する期待は高いと感じた。
安倍首相が、黒田氏の進める金融政策に頼りすぎで、経済の構造的変革に取組まないことを、黒田氏の発言を引用して、強く批判している。
この記事は、次の様な書き出しで始まる。
「日本の中央銀行のトップは、世界第三位の経済の活力を吸い取ってきたデフレ撲滅の戦いに勝利すると予言した。しかしながら、政府がやるべき、官僚主義の撲滅や企業投資促進について、政府の取組みのペースが遅いことに苛立ちを表明した。」
「『実行が鍵だ。そして実行が迅速であるべきだ。』ウォールストリートジャーナルとのインタビューで黒田東彦日銀総裁は語った。政府と民間部門で実施すべき仕事が沢山ある。」
大変に長い記事なので、下記に要約する。
黒田氏は、「安倍首相が、金融政策にのみ頼るのではなく、構造的な変革に取組まない限り、高い成長率は望めず、経済にとっても、社会にとっても良いことにはならない。」と安倍首相を批判する。
一方で、安倍首相は、ウォールストリートジャーナルとの別のインタビューで「既にこれまで規制で守られてきた分野に揺さぶりをかけてきたし、6月には追加施策を発表する。小売電気市場の完全自由化を果たしたし、40年もの間、手をつけられなかった米の減反助成金についても廃止した。こうした改革は、これまで不可能とされたきた。構造改革は、安倍政権にとって終わることにないテーマだ。」として、変革に積極的に取組んでいることをアピールした。
黒田氏は「円高はこれまでに得た利益をだいなしにする。」とも発言。これまでの日銀総裁は、為替について言及することはなかったので、この発言は、彼が、これまでの日銀の縄張り以外にも取組むという強い決意を示している。
黒田氏は、海外からの労働力の受け入れ、女性の社会進出にも積極的に発言しているし、負債の削減についても、企業の所得減税には慎重であるべきと踏み込んだ発言をしている。
黒田氏の言動は、こうした分野での変化への努力に成功を与えるかもしれない。
しかし、一方で、安倍首相は、既得権に守られた産業に考慮して、米国からの豚や牛の関税撤廃の要求を拒否し、TPP交渉の進展を遅らせている。
円安は、輸入品価格の上昇により価格下落を止めたし、円安により、輸出業界は製品競争力を高めることができた。だが、最近、昨年の円安傾向が反転する兆しが見えている。
日本のGDPは6四半期連続で成長しているし、消費増税の影響も予測したほどはなかったし、消費者価格も上昇している。
それでも多くの投資家は日本の成長が長続きすることに懐疑的だ。日経平均は今年になって10%値下がりしている。
金融政策は、期待した効果をもたらしているが、変革のペースが遅いのだ。
黒田氏は、これまで、アベノミクスの3つの矢の最初の矢である金融政策以外へのコメントは控えてきた。
しかし、金融政策に自信を示しつつも、経済成長率の低さにも言及する。
「来年には2%のインフレを達成できる。もし、進展が遅ければ、更なる金融緩和策を打つ。一方で、中期的な潜在的成長率は1%以下だ。工場の海外流出と人口減少によって、成長率は低い。成長率を上げなければ、2%のインフレだけ達成されて、成長は不十分のいう事態になりかねない。」
日本は80年台のバブル崩壊以降、20年間ものスランプに陥った。
日本は、デフレに直撃された唯一の先進国だ。安倍首相は、2012年の首相選挙で、日銀がデフレ撲滅に取組まないことを非難し、当選後、黒田氏を日銀総裁に据えた。
黒田氏は、就任初日に「デフレが15年も続いた国はない。」と語り、それ以降、日本の中央銀行は、積極的な政策に取組む様になった。
黒田革命の背景には、心理を変える必要があるという信念がある。
デフレ思考下では、企業は投資しないし、個人は消費しない。そうした思考を変えて、企業投資、個人消費を誘導することが重要だ。
歴史を見ると、短期間でインフレへの期待が高まった事例はそう多くはない。大胆な政策の変更に裏打ちされる必要があるとして、ルーズベルト大統領のニューディール政策等を例に出した。
苦しい中でも陽気な態度を失わないルーズベルトのスタイルが、黒田氏のお手本の様だ。前任の白川氏が学者タイプだったのと対照的だ。
黒田氏は、経済から、アガサクリスティ、哲学に至る幅広い分野に興味を持っており、彼が実験を恐れないのはそのためだ。高校時代にカールポッパーに魅せられ、日本語に翻訳し、昨年の再版時にはあとがきも書いた。「反証が、理論に忠実であることより、柔軟であることが重要であることを私に教えてくれた。」
4月30日に日銀は、2015年度のインフレ率を1.9%、2016年度のそれを2.1%と予測した。多くのアナリストはそれ程楽観的ではなく、来年は1%程度とみている。
日銀内部で過去17回の取締役会で彼の提案が拒否されたことは無い。しかし、9人のうち3人が常に黒田氏の予測に批判的だ。
彼の予測に対する懐疑的な見方に、黒田氏は、懐疑論は日本経済の変革を妨げるだけとして切り捨てる。
最後は、次の様なコメントで締めくくっている。
「『徐々にではあるが、インフレへの期待は高まっている。それは既に賃金や企業による価格設定に影響を及ぼしている。』と黒田氏は、ジャーナルとのインタビューで発言した。」
「『楽観主義が芽生えてきているが、これは安倍首相が長期的に日本経済の効率性を上げるための難しい変革を実行するための基盤を作っている。』堅調な労働市場と、賃金と価格上昇を引き合いに出して黒田氏は言う。『私は、これは、構造改革のための願っても無いチャンスだと心から思います。』」
一般的に、アメリカ人は、変革に積極的で、自らリスクをとり、明るく、思ったことを口に出す、黒田氏の様なタイプの人間が好きだと思う。ウォールストリートジャーナルの彼に対する期待は高いと感じた。
Thursday, May 22, 2014
裁判所は原子炉の稼動再開を却下【A9面(国際面)】
関西電力大飯原発再稼働却下の判決について、国際面で報道している。短い記事なので全文掲載する。
「裁判所は、安全上の懸念を理由に、関西電力の2つの原子炉の再稼動は認められないとの判断を下した。日本の停止中の原子力発電所を再稼動させようとする、安倍首相の努力に、水をさすことになる。」
「この決定は、2011年3月に福島での災害が起きて以来、電力会社による原子力発電所の再稼動を拒否する最初の決定となった。」
ウォールストリートジャーナルは明らかに、原発再稼動支持だが、この判決は日本国民の総意の鏡なのだろう。
「裁判所は、安全上の懸念を理由に、関西電力の2つの原子炉の再稼動は認められないとの判断を下した。日本の停止中の原子力発電所を再稼動させようとする、安倍首相の努力に、水をさすことになる。」
「この決定は、2011年3月に福島での災害が起きて以来、電力会社による原子力発電所の再稼動を拒否する最初の決定となった。」
ウォールストリートジャーナルは明らかに、原発再稼動支持だが、この判決は日本国民の総意の鏡なのだろう。
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