Thursday, April 12, 2018

日本の終身雇用の文化は衰えつつある【A7面(国際面)】

日本では、労働市場が逼迫するのに連れて、終身雇用制を維持するのが益々難しくなっているとする記事が、12日の国際面に掲載された。



求人倍率1.44倍、失業率2.5%と労働市場が逼迫しており、転職すれば給与が上昇することが期待できるとしている。その一方で、キャリアの途中で転職する人の数は全体の5%に過ぎず、1つの企業で働く年数は米国の4.6年に対し、日本では12年で、大企業を中心にまだまだ終身雇用制度が根付いているともしている。トヨタ自動車が、富士通やNECの技術者を狙って、南武線内に「シリコンバレーの技術者よりも南武線沿線の技術者が欲しい。」とする広告を打ったと言うエピソードなどを紹介していて、面白い記事に仕上がっている。

***** 以下本文*****
日本の大企業での終身雇用制度は、不況の20年の間も、生き残ってきた。しかし、今、この制度は最大の試練に直面している。タイトな労働市場だ。
多くの人々が、より高い収入や、より短い労働時間を求めて、仕事を変えている。
「私も、以前は、最初に入社した会社で一生働き続けると言う日本的な考えを持っていました。」と43才のブラウン・ヨウコさんは言う。彼女は、電機メーカーで17年働く特許スペシャリストだ。仕事の将来性への懸念が大きくなった際に、彼女は仕事を変えた。そして、転職後の会社が週末の労働を強いた際には、彼女は再び仕事を変えて、昨年、日本タバコに入社した。
総務省によれば、仕事を変えた人の数は7年連続で増えており、2017年には317万人に達した。2月には、100人に対し、158人の求人があった。これは、過去44年間で最高であり、失業率も2.5%の低さだ。
求人企業のリクルートの調査によれば、企業間の競争の激化を反映させて、2017年度は、求人をした人の、29.7%が以前の勤務先よりも、10%以上収入が増加した。
今月、ファッションサイトZozotownを運営する日本企業が求人広告を出したが、7人の天才を採用し、それぞれに100万ドル支払うとしている。テクノロジー部門幹部のカナヤマ・ユキは、数10人からの応募があったと言う。「ITやソフトウェア企業では、一人の人間がビジネスの大きな影響を与える。」と彼は言う。「グーグルやアップルといった海外企業では、日本企業では考えられないほどの金額の報酬が、才能のある人々には提示される。」
終身雇用制のもとで、日本の殆どの大企業は毎年春に新卒者を採用し、厳しい不況時を除いて、定年までほぼ確実に働ける終身雇用を保証している。ソニー、ホンダ、パナソニックなどの大企業のCEOは、その会社で雇用されてきた生え抜きの従業員だ。
この制度は、会社での出世が保証され解雇の心配がなく、長期的な視点で従業員を教育しようと言うインセンティブが働くが、一方で、停滞と低い生産性が問題視されてきた。
さらに最近になって、日銀の超緩和政策をはじめとする安倍首相の経済政策が8四半期連続の経済成長をもたらしている。一方、人口が減少しているため、労働者の働く場所も限定されてきている。
日本タバコは、ライバルのフィリップモリスやアメリカンブリッティシュタバコが、燃やすのではなく温めるだけのタバコの販売で先行する中、2017年の中途採用者の数をほぼ倍増させた。このタバコは、タバコを温めてニコチンを含んだ水蒸気を発生させる。
日本タバコは、自社で開発したプルームテックと言う装置によって、その劣勢をひっくり返そうとしている。ブラウンさんは、プルームテックなどの技術に関連した同社の知的財産を守るために採用された。
「今日のスピーディーに変化する競争環境の中では、初日から競争に参加できる人が必要です。」と日本タバコのスポークスマンのシラス・マサヒトは言う。
昨年、トヨタ自動車は、東京南部の巨大な研究センターで働く人たちがよく利用する電車の中で広告を出した。こうした研究センターは、富士通、NEC、東芝などのセンターで、そこで働く従業員にトヨタへの転職を促した。「私たちは、シリコンバレーの技術者よりも南武線沿線の技術者が欲しいのです。」とトヨタのポスターは言う。
しかし、多くの企業が未だにキャリアの途中で転職をすると言う考えに抵抗している。大垣共立銀行は昨年177人の新卒と2名の中途を採用した。同社のスポークスマンは、新卒を採用して、広範な教育を施したいと言う。「そうすれば、大垣共立銀行の考えと文化を踏襲させ、さらに発展させることが出来ます。」
転職者の雇用者全体に占める割合は、まだ5%程度に過ぎない。2016年において、日本の平均的な労働者は一つの企業で12年間働いている。英国では8.6年だ。米国の労働統計局は、平均雇用年数についてのデータを公表していないが、2016年の米国での平均値は4.6年だった。

レアアースの発見により中国への対抗に望み【A7面(国際面)】

レアアースが南鳥島周辺の海底に数100年分あることが分かったろ東大などの研究グループが英科学サイエンティフィク・レポートに発表したが、WSJはこのニュースを12日の国際面で速報した。



 こうしたレアアースを採掘するのには、現在のテクノロジーでは大変なお金がかかるが、日本は技術研究によりこうした課題を克服しようとしているとしている。

***** 以下本文******
最新の調査によれば、日本は、数100年分のレアアースメタルをその領海に保有していることが分かった。この調査は、電池や電気自動車に使われる鉱物資源への中国の覇権への懸念を反映させたものだ。
貯蔵金属は、東京から南に1,150キロ離れた離島である南鳥島近くの海底で見つかった。それらを採掘するのにはお金がかかりそうだが、資源に乏しい日本は、次世代の技術でそれらの貯蔵物へのコントロールをより強められると期待して、研究を推し進めている。
南鳥島の近くの965平方マイルに渡る海底棚は、1,600万トン以上のレアアースオキサイドを保有している。今週発行されたネイチャー出版のサイエンティフィックレポートの研究によれば、これは、地球で必要となるイトリウムの780年分、ユーロピウムの620 年分、テルビウムの420年分、ディスプロシウムの730年分に相当する。
米国エネルギー省とEUは、中国の消費が増えているため、レアアースが不足するのではないかと警鐘を鳴らしていた。
テクノロジーメタルリサーチの創業者で、自らは研究に携わらなかったジャックリフトン氏は「これは日本にとって、ゲームの行方を変える程、凄いことだ。」と述べた。「こうした資源を開発するための競争は進んでいる。」リフトン氏の会社はレアアースメタルに興味のあるテクノロジー企業や投資家に対してコンサルティングを行っているが、彼によれば、オーストラリアやニュージーランド近海の海底棚にはコバルトやニッケルが貯蔵されている。
2010年に中国は、17の金属の輸出割当額を40%縮小させ、レアアースの価格をその前年の10倍に引き上げた。中国は、汚染産業を除去したいのだと述べたが、中国のこうした動きにより、日本は隣国への依存からの脱却を求め始めた。
その後、日本は、バッテリーやモーターに使うレアアースの量を縮小した。
「我々の資源の元を確保するのは、とても大切なことです。」とこの研究のリーダである早稲田大学教授のタカダ・ユウタロウ氏は言う。
海底数100メートルにあるレアアースを泥から分離するのは、未だにとてもお金のかかることだ。タカダ教授によれば、レア・アースを継続的に採掘する手段については、もっと研究をする必要がある。トヨタなどの企業や研究機関による政府後援の日本のコンソーシャムの研究者によれば、同コンソーシャムは5年以内にフィージビリティーテストを実施する予定だ。
大型のレアアースの貯蔵は、多くの国で見つかっている。しかし、中国は、そうしたミネラルを工業製品に使える物質に加工するビジネスも持っているので、この分野をほぼ支配している。

Wednesday, April 11, 2018

世界最高齢の男性が認定される【A16面(国際面)】

ギネスワールドレコーズ社は10日、北海道足寄町の野中正造さん(112を存命中の男性で世界最高齢と認定したと発表したが、WSJはこのニュースを翌11日の国際面で速報した。



ケーキや相撲観戦が好きなことなどを、コンパクトに伝えている。

***** 以下本文 ***** 
野中正造さんは、北日本の温泉に浸かるのを長年にわたって楽しんできた。おそらく、殆どの人たちより長く。
100才を優に越えるこの人物は、、その家族が4代にわたって温泉旅館を営んできたが、木曜日に世界最高齢に認定された。112才と259日だ。
野中さんは、北海道の足寄町で、ギネスワールドレコーズから認定証を受け取り、大きなケーキでお祝いをした。
野中さんは、1905年7月25日生まれで、大家族で育ち、両親が経営する旅館を受け継いだ。創業105年になるその旅館は、今は孫娘のユウコさんが経営している。野中さんは、いつもお風呂に入り、甘いもの、特にケーキを食べるのを好む。
彼は、毎朝、朝食後に新聞を読み、テレビで相撲や時代劇を見るのが好きだ。
ギネスによれば、野中さんは、113才で亡くなったスペインのフランシスコ・オリベラ氏に代わって、世界最高齢の男性となった。

Tuesday, April 10, 2018

中央銀行総裁は貿易戦争の影響を懸念【国際面(A16面)】

安倍内閣は9日、日銀の黒田総裁を再任したが、WSJは翌10日にこのニュースを国際面で速報した。



米中の貿易戦争などグローバルな依存関係が強まる中での再任になったことなどをコンパクトに伝えている。


***** 以下本文*****
米中の貿易戦争の影響についての懸念がくすぶる中、日銀の裁の5年間の新任期が始まった。
IT展によって、世界はよりグロバル化しており、グロバルなバリュチェンによる先進展途上の間の相互依存係がまっている。」と田氏は述べた。

Monday, April 9, 2018

貿易戦争で中国は日本と同じではない【A2面(国内面)】

米国は中国との貿易戦争を繰り広げているが、80-90年代の日本との貿易戦争で得た教訓はそこでは役に立たないとする記事を、9日の国内面に掲載した。



日本は、小国で、軍事面で米国に依存しており、政治的な野望もないので、交渉の相手としては御し易い。実際、日米貿易戦争でも、日本は抵抗せずに、米国の要求をおとなしく受け入れた。しかし、中国は、大国で、強力な軍隊を作りつつあり、将来の国際リーダーの地位を明確に狙っている。これまでも米国の要求を激しく拒否しており、日本との交渉でのやり方は通用しないとしている。

***** 以下本文*****
ホワイトハウスは、1980年代、1990年代の日本との貿易戦争を、中国への貿易戦争への教訓として見ている。しかし、この2つの時代は、多くの共通点も持っているが、その違いも顕著だ。
米国の通商代表は、ロナルド・レーガンが、関税を駆使して、日本に半導体市場を開放させ、米国への鉄鋼製品などの輸出を制限させたことを、素晴らしいとしている。現在の通商代表であるロバート・ライトハイザーは、その当時、実務者クラスとして、レーガンの戦略の実行を手伝った。
当時の日本は、今日の中国と同様に、多額の対米貿易黒字を抱えていた。日本は、中国同様、特定の企業をグローバル企業に成長させるために通商政策を駆使したし、あらゆる手を使って米国のテクノロジーを手に入れようとしていた。
日本の方針を変更させるための主要なツールが、1974 年の米通商法301条だったが、トランプ政権は中国と対峙するために同じ条項を使用している。この条項は、貿易戦争の際に、大統領に関税やその他の手段を使って報復をするための広範な権限を与えている。
「この条項が日本に対して使われた際には、それは機能した。」とその当時からの共和党の強硬派であるクライド・プレストウィッツは言う。
プレストウィッツ氏は、そうした政策が再び機能するかどうかは疑問視している。「中国は、異なった動物だ。」と彼は言う。
日本を標的にする一方、米国はインドに圧力をかけるために301条を使用した。米国は、インドが保護された市場を自由化しないのなら、関税をかけると言って脅した。インドは激怒し、交渉を拒んだ。米国は後退した。
インドと同様に、中国は巨大で、国家主義的な国だ。そのリーダは、中国が再び世界のリーダーの地位につく様に運命づけられていると信じており、世界クラスの軍隊を構築しつつある。日本は比較的小さい国で、そのグローバルな野望は第二次世界大戦中に萎れてしまった。その安全保障は米国に依存している。
日本との交渉には時間がかかり、米国をイライラさせはしたが、最終的に日本は米国の要求をのんだ。プレストウィッツ氏によれば、日本は米国が中国から守ってくれることを必要としていた。
実際のところ、日本は、米国製品に関税をかけるなどして、報復をすることはなかった。報復をすると言って脅すことすらしなかった。
一方、中国は、トランプ政権が500億ドルの関税をかけると言って脅してから24時間経たないうちに、500億ドルの報復関税の対象となる米国製品のリストを公表した。
トランプは追加で、100億ドルの中国製品を関税の対象とした。中国通商省のスポークスマンは、「中国は強力に対抗する準備がある。」と主張した。
日本は貿易戦争をトーンダウンさせ、最も成功していた自動車メーカーや電機メーカーが米国に工場を建築した。日本は、米国の工場への投資を継続させており、今日、何万人もの米国人労働者を雇用している。そうした投資によって、多くの親日派の政治家を米国に作ってきた。特に共和党内に。
そうした道は、中国に対しては開かれていない。米国は安全保障上の懸念を理由に、中国が半導体などのテクノロジー企業を買収することに制限をかけている。
中国は、政治的にセンシティブな製品を制裁の対象にして反撃している。米国の農産物や航空機などだ。
関税をかけると言う点では、日本との貿易戦争から学ぶべき教訓がある。国内世論がホワイトハウスの計画をダメにしてしまったのだ。クリントン政権は、日本により多くの自動車部品を購入させるために、日本の高級車に100%の関税をかけようとした。
しかし、米国の自動車ディーラーが激怒し、ホワイトハウスにこの交渉をやめる様に迫った。交渉の目的は、日本企業に米国での生産を拡張させることを目指していたが、それはわざわざ交渉になくても、すでに計画されていたことだったからだ。
現在繰り広げらている中国との戦いでは、ロビーストたちは、農業従事者が被害を受ける可能性にフォーカスしている。農業従事者は、政治的な支援者であり、強力な集団でもある。トランプ大統領にとって重要な支持者たちだ。トランプ大統領は、先週、トランプ政権は、農業従事者を保護するための計画を作成中だと述べたが、詳細については言及しなかった。
1990年代の日本との貿易戦争で、クリントン政権で、日本との交渉に従事したミッキー・カンター米元通商代表は、その当時の交渉から学んだ最大の教訓は、しっかりとした目標と戦略を設定することだと述べた。
トランプ氏が中国に対して報復するとして脅しをかける一方で、彼の側近は貿易戦争など存在しないとして市場をなだめようとしている。「そうしたチグハグなやり方は、国内での信頼や、中国との信頼を失わせることになる。」とカンター氏は述べた。

Friday, April 6, 2018

相撲は女性の役割と戦う【A8面(国際面)】

4日に、舞鶴市の相撲巡業で、倒れた市長を助けようと土俵に上がった女性に対し「土俵から降りて下さい。」と場内アナウンスが流れる事件があっったが、WSJはこのニュースを6日の国際面で速報した。



日本では女性を不浄なものとしていること、未だに女性差別が根強いことなどを取り上げ、詳しく報道している。

***** 以下本文*****
日本相撲協会は、職員が女性たちに土俵から降りる様に命令したことについて謝罪した。彼女たちは脳出血で苦しんでいる男性に対する緊急手当をするために土俵に上がっていた。
この事件は、日本の国技が女性が土俵上に上がることを禁止しているルールを遵守しようとしたものだが、相撲や歌舞伎など、日本の伝統的な文化分野での女性の不平等な状況やより広範な差別を浮き彫りにした。
日本は、世界経済フォーラムのグローバル性別ギャップ指標で114位だった。安倍首相は女性が働きやすくするために、社会が行動を起こすことが喫緊の課題だと言い続けてきた。何世紀も続いている相撲では、少なくとも20世紀初頭以降、女性が土俵に入ることを禁じている。歴史家によれば、このルールは、女性を不浄とする日本土着の宗教である神道に関連つけられる。
この禁止条項は、水曜日に日本海に面した舞鶴市で行われた相撲巡業で試された。
舞鶴市長の多々見良三氏は土俵でスピーチをしている際に、突然倒れた。後になって診断した医師によれば、頭から出血していた。
その場面を写したビデオによれば、観衆の女性の1人が土俵に上がり、土俵に横たわる多々見氏に心臓マッサージを始めた。何人かの女性が、援助のために土俵に上った。
その時、相撲協会の職員が、館内放送で「女性の皆さん、土俵から降りて下さい。男性の方、上がって下さい。」とアナウンスしたのだ。
ビデオは、その後、女性が土俵から降りるのを写している。多々見氏が担架に乗せられて運ばれる際には、男性だけが残っていた。
市長のスポークスマンによれば、市長は病院で安定した状態にある。
相撲協会の六角信芳理事長は、アナウンスをした職員は混乱していたとして謝罪した。「人命に関わる状況には不適切な対応でした。」と六角氏は述べた。

Wednesday, April 4, 2018

日本は陸上自衛隊の指揮系統を統一【A7面(国際面)】

陸上自衛隊に新たに発足した統一司令部、陸上総隊が4日、本格的に始動したが、WSJはこのニュースを翌5日の国際面で速報した。

 第二次世界大戦の原因となった陸軍高官による陰謀の再発を防ぐために、戦後、陸上自衛隊は5つの方面隊に分割されたこと、最近の防衛上の脅威に対抗するため、5つの方面隊と新設の水陸機動隊を一元的に指揮する陸上総隊が始動したこと、当面の想定出動は尖閣諸島が中国に占領された際の奪還であることなどが、詳しく報じられている、

***** 以下本文 *****
第二次世界大戦後初めて、日本の陸上自衛隊は統合された部隊となった。
水曜日に東京の北にある朝霞駐屯地で、陸上自衛隊の陸上総隊が始動した。同司令部は、日本の5つの方面隊と米国の海兵隊に相当する水陸機動団を指揮する。
この組織変更は、日本の戦後の陸上自衛隊の歴史の中で、最大級のものだ。陸軍は1945年に解体され、9年後に再設置されたが、5つの方面隊に分割された。日本を第二次世界大戦へと駆り立てる原因となった陸軍高官による陰謀が繰り返されることを防ぐためだ。
しかし、ここ数年、中国が日本南部の島を侵犯するなど、安全保障上の脅威が高まっており、政府関係者は、現在の分断された指揮系統は、有事に迅速かつ包括的な展開を妨げる弱点になると考える様になった。
日本によれば、陸上総隊が始動する数時間前にも、東シナ海にある日本が実効支配していて中国が領土権を主張する諸島の近海に、中国の沿岸警備隊の船が出没した。この無人島を中国は釣魚諸島、日本は尖閣初冬と呼んでいる。
「中国の一方的なエスカレーションは、懸念事項だ。」と小野寺防衛大臣は、陸上総隊指導のスピーチの中で述べた。
新たに設立された陸上総隊により、米軍も、複数ある方面隊と交渉する必要が無くなった。安全保障条約により、約50,000人の米軍兵士が日本の駐屯している。
「陸上総隊発足により、自然災害や安全保障上の問題が発生した際の日米の協力はより簡単に確立出来る。なぜなら、トレーニング中でも、訓練中でも、日本のどんなところで有事が起きても、共通の手順が使えるからだ。」と在日米軍副司令官のグラブスキー大佐は述べた。
新司令部の創設は、日本の自衛隊の多岐に渡る見直しと刷新の一部だ。多くの日本人は、自衛隊を戦争よりも自然災害支援と結び付けてみている。
地域のライバルたちから見ると規模は小さいが、日本の自衛隊は、世界で最も進んだ武器を装備している。日本は、巡航ミサイル、少なくとも42機のF35ジェット戦闘機、新型のミサイル防衛システムに投資している。日本の軍備の多くは米国製で、トランプ大統領は日本政府にもっと購入する様に要求している。
ここ数年、安倍首相は、自衛隊に対する制約を緩和するために法律の変更を行ってきた。例えば、自衛隊は、日本の近くで攻撃にさらされている同盟国を支援するために戦うことが出来る様になった。安倍首相は、憲法改正の目標時期を2020年とした。憲法改正により、自衛隊の存在を明記しようとしている。文面通りに取れば、憲法は自衛隊を禁じている。しかし、これまでの政府は、自衛隊の合法性について疑問を呈さなかった。
政府と自衛隊の関係者によれば、日本はここ数十年で、北朝鮮からのミサイル発射など、最も深刻な安全保障上の脅威に直面していおり、そうした状況に対応していくしかない。
「我々は、本当の意味で、戦闘可能な陸上自衛隊を作り上げなければならない。」と、移行計画責任者のマエダタダオ少将は述べた。
日本が当面最も恐れているのは、中国が尖閣諸島を占領するかもしれないことだ。どの様な島も奪還出来る様に、水陸両用部隊の人員を3倍の2,100人とした。日本の兵隊は、水陸両面の戦いについて、米海兵隊と共に訓練を積んだ。

中国外務省の広報官は、日本の陸上総隊についての質問に直接は答えなかった。しかし、中国は日本の軍事分野での変化について、過去の間違えを繰り返してはならないとして、しばしば非難してきた。