8月3日に行われた内閣改造のニュースを、WSJは翌4日の国際 面で速報した。
組閣の狙いを、 自分に異を唱える人材も入閣させることによる党内融和にあるとし て、例として河野外務大臣、小野寺防衛大臣、野田総務大臣の3名 をあげている。また、岸田氏の政調会長就任、稲田氏の辞任、 菅氏、麻生氏の留任についても触れている。
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日本の安倍首相は、外務、防衛など数名の大臣を新たに任命した。 これは、落ち込んだ支持率回復と、 自派閥外からも経験のある議員を入閣させることにより党内の不満 解消を狙ったものだ。
安倍首相自身が友人に便宜を図ったという追求( 安倍首相自身は否定しているが) をはじめとするここ数ヶ月の政治スキャンダルによって、 安倍首相の政権基盤は脅かされている。最近の世論調査では、 安倍内閣の支持率は30%を下回り、 これまでの最低を記録している。
木曜日に発表された内閣改造に関する記者会見で、 安倍氏は不適切な対応に対する懸念が安倍内閣の信頼を傷つけたこ とを認識していると述べた。
「もう一度、私は国民に対して深い反省とお詫びを表明します。」 と安倍氏は述べ、深々とお辞儀をした。 日本ではお辞儀は悔恨を意味する。
世論調査では、国民は、安倍氏に対する不信感をあげ、 それが支持率低下の主要な要因となっている。 安倍氏に異をとなえる議員や批判的な勢力は、 安倍氏とその側近の間に権力が集中し過ぎていると指摘している。
アナリストによれば、この内閣改造は、 安倍首相が自民党内の様々な見方を取り込もうと努力したことを示 す様に考えられている様だ。
「安倍氏と意見を異にするが、国民の信頼が厚い、 より能力のある自民党議員を取り込もうと努力した様に見える。」 と外交会議の日本政治専門家のシャイラ・スミス氏は言う。
首相な変化の1つに、河野太郎氏の外務大臣への登用がある。 河野氏は、元外務大臣の息子で、過去には、 移民や原発政策を批判してきた。河野氏は、 岸田文雄氏を引き継いだが、岸田氏は自民党の政調会長に就いた。
新たに防衛大臣に任命された小野寺五典氏(57才)は、 安倍首相の子飼いで、 日本の平和維持活動に関する秘密文章の隠匿について野党議員から 追求を受けた稲田朋美氏の後を受けて、再登板するものだ。 稲田氏は隠匿を否定したが、事態を混乱させたことを認めて、 先週辞任していた。
北朝鮮の脅威に対抗するために、ミサイル防衛を強化し、 海外の基地を攻撃する能力を潜在的に保持するという自民党内の議 論をリードしてきたのが、小野寺氏だ。
安倍氏はまた、56才の野田聖子氏を総務大臣に任命した。 今回の内閣改造で女性閣僚は3名から2名に減少したが、 野田氏はそのうちの一人だ。野田氏は、 安倍氏の安全保障政策を批判してきた。
安倍氏は、彼自身を支えるトップ2人はそのまま留任させた。 菅義偉官房長官と麻生太郎副大臣だ。