Tuesday, August 29, 2017

北朝鮮が日本を挑発【A1面】

829日に北朝鮮は日本上空に対してミサイルを発射したが、WSJはこのニュースを同日の1面で速報した。



北朝鮮がミサイルを発射した原因として、航空自衛隊による地上配備型迎撃ミサイルパトリオット(PAC3)の岩国基地、三沢基地での機動展開訓練をあげている。この訓練が北朝鮮を刺激したのではないか。また、グアムへのミサイル発射が予告された際には米国は激しく反応したが、それに比べて、今回のミサイル発射に対する米国の対応は手ぬるく、このままでは日本の信頼を失うのではないかとの懸念も表明している。

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北朝鮮は、火曜日に弾道ミサイルを日本上空に発射させた。北朝鮮は、一連の挑発行為により、地域の不安定化を招き、世界からの警告を受けているが、今回の発射もこうした挑発行為のひとつだ。
今回のミサイルは、北朝鮮が日本上空に打ち上げたものとしては2009年以来のものとなる。安倍首相は、即座に激しい対応を見せた。
「わが国を飛び越えるミサイル発射という暴挙は、これまでにない深刻かつ重大な脅威で、地域の平和と安全を著しく損なうものであり、北朝鮮に対して断固たる抗議を行った。」と安倍首相は語った。
安倍首相は、国連安保理事会の緊急会議の招集を依頼した。また、トランプ大統領と電話で40分会見し、その中でトランプ大統領が日本の安全保障について強いコミットメントを示したと語った。
米国防総省のロブ・マニング(Rob Manning)報道官も、北朝鮮が日本上空を越えるミサイルを発射したと確認。ただ「我々は、まだこのミサイル発射について評価している途中だ。」とも説明した。
ミサイルは火曜日の早朝に打ち上げられたが、日本北部の島である北海道上空を通過し、発射から14分後に太平洋に着水した。菅官房長官によれば、ミサイルは北海道東部の襟裳岬から733マイルの地点に着水した
韓国当局者によれば、ミサイルは北朝鮮の首都であるピョンヤン郊外のスナンの近くから打ち上げられた。スナンには国際空港もある。ミサイルは、1,700マイル近く飛行し、最大高度342マイルに達した。
菅氏は、ミサイルによつ被害は報告されていないとした上で、日本はミサイルは破壊されて3つの部分に分かれたと推測しているが、未だに分析中だとも付け加えた。
ミサイルがまだ飛行している間に、日本の当局は、ミサイルが通過する可能性ある日本の北部地域に対してアラートを送信した。このアラートは、ミサイルが太平洋に着水した後、数分で解除された。
北朝鮮のミサイルが日本の領土の上空を通過するのはこれで五回目だ。日本の主要な島の上空を通過するものとしては、2009年以来だ。北朝鮮は、2012年と2016年に、琉球列島上空に向けて打上げた。琉球列島は日本の領土であり、本州の南部に位置し、沖縄を含んでいる。
北朝鮮は、今回の発射の3日前にも東部の海岸から3基のミサイルを発射しようとしたが、少なくともそのうち一つは失敗に終わっている。
米韓両国は、821日から共同年次軍事演習を行っているが、この期間中に北朝鮮はミサイルの発射を行わなかった。これを受けて、先週、ティラーソン国務長官は、北朝鮮が自制したことを称賛した。
この演習は、火曜日に終了する予定だが、長年にわたって北朝鮮をいらつかせている。北朝鮮はこの演習を、北朝鮮を攻撃するための予兆だとしている。
日本の航空自衛隊は、在日米軍基地の2つにおいて、パトリオットミサイル防衛システムを暫定配置したが、北朝鮮のミサイル発射はこのタイミングで行われた。米軍はこの暫定配置について、北朝鮮のミサイルの脅威に対して迅速に対応するために、自衛隊が演習を行い能力を高めるための努力だとした。
韓国の国家安全保障会議は、ミサイル発射の1時間後に開催された
今回のミサイルの軌道を分析した韓国当局によれば、北朝鮮は、1ヶ月前に打ち上げられたICBMに比べて、従来型の角度で打ち上げられた。ICBMは、宇宙空間に向けて高く打ち上げられるが、距離は出ない。
日本の小野寺防衛大臣は、初期分析によれば、ミサイルは514日に打ち上げられたのと同タイプの中距離弾道ミサイルだと述べた
火曜日に打上げらえたミサイルの高度は342マイルに達したが、728日に北朝鮮が行ったICBM2,300マイルに達したのに比べると短い。但し、距離はより長かった。
今月の頭に、北朝鮮は、米領のグアムに向けて複数のミサイルを発射させる準備をしていると、国営放送を通して明らかにした。その軌道は日本の上空を通る。その数日後、金正恩主席は、暫くの間発射を行わないこととしたが、最終決定をするまで米国の態度を監視すると警告していた。
火曜日にグアムの米空軍基地は、ミサイルの発射をリアルタイムで追跡していたが、グアムに対する脅威ではないと判断した。
「この挑発行為に対して、米国がどの様に対応するかを、日本と韓国は大きな関心を持って見守っており、同盟関係にとって重大なタイミングとなる。」とジョンホプキンス大学先端国際学部の米韓研究所副所長のジェニータウン氏は言う。
先のグアムへの脅威に対する米国当局の強い対応に比べて、今回のミサイル発射に対する米国の手ぬるい対応は、同盟国との関係を悪化させるだろう。」と彼女は述べる。
ミサイル発射の前に、韓国大統領の文在寅は、同国のミサイル配備を変更する様に命令した。北朝鮮が国境を越えて韓国の首都であるソウルへの攻撃を開始した場合に、すぐに攻撃が出来るするための対応だ。
火曜日の軍事訓練で、韓国は8発の爆弾を砲兵射撃場に落とした。これは、文大統領の武力を見せつけろとの命令に基づくものだ。これは、北朝鮮の脅威に対して韓国が軍事的な体制を強化するために、文大統領が取った最新の対応だ。一方で、文大統領は、継続して北朝鮮に対して和平交渉を申し出ている。
月曜日の国会の秘密会議に参加した議員によれば、韓国の情報収集機関は、北朝鮮は6発目のミサイル発射の準備を整えていると報告した。