6月にWSJに掲載された日本関係の記事は7件と、前月に続いて少なかった。しかも、7件のうち、現在の日本について記載した本当の意味での日本発の記事は、「2017年1~3月期のGDP」に関する記事1件だけだった。
残り6件のうち、5件は米国人関連記事(「米駆逐艦フィッツジェラルド号の衝突事故」と「米国人ワームビアさん解放」に関する記事。事件が発生したのが、たまたま日本もしくはその周辺だっただけで、実質的には米国関係の記事。)残り1件は「ミッドウェイ海戦」の回顧記事だった。
実は、5月も4件の掲載記事のうち、3件は実質的に広告記事で、現在の日本発の記事は、「2017年1~3月期のGDP」に関する記事1件だけ。2ヶ月連続して、日本の記事は、GDP関連だけという寂しい結果となった。
(なお、2017年の掲載数を月別に見ると、1月が12件、2月が15件、3月が11件、4月が7件、5月が4件、6月が7件。ここ3ヶ月ほど、一桁が続いている。)
6月は、12日上野動物園でパンダが生まれたり、26日に藤井4段が29連勝を達成したりと明るい話題があった一方で、22日には小林真央さんが亡くなられるという悲報もあった。小林麻央さん死去のニュースはBBCなど一部の海外メディアは伝えた様だが、WSJはいずれのニュースも取り上げなかった。
テーマ別では、経済関係が1件、社会関係が5件だった。
政治関係の記事がゼロというのは、安倍首相がきちんと仕事をしていないということか。
経済関係では、6月8日に内閣府が発表した2017年1~3月期のGDP改定値を取り上げ、「GDPは5期連続プラス成長となり2006年以来の最長記録を更新」したこと、一方で「5月18日に発表された速報値には届かなかった」ことなどを報じた。
社会関係では、ミッドウェイ海戦75周年となる6月4日の前日の紙面に、ミッドウェイ海戦の勝敗を分けたのは、日米のリーダの差にあったとする専門家の意見を掲載した。
また、6月17日に起きた米駆逐艦フィッツジェラルド号衝突事故について、17日に速報、
19日に2件の続報、更に26日に1件の続報を掲載した。
6月13日に北朝鮮に拘束されていた米国人ワームビアさん(22歳)が解放された際には、日本人拉致事件を引き合いに出し、この事件について北朝鮮から誠意ある対応を期待するのは難しいとの記事を掲載した。
掲載箇所では、専門家投稿欄が1件、国際面が6件だった。