Monday, June 19, 2017

日米による船舶衝突の惨事の調査が進行【A7面(国際面)】

6月17日に発生した米海軍フィッツジェラルド号とコンテナ船が衝突した事故で、米海軍は18日に死亡した7人の乗組員の名前を公表したが、WSJはこのニュースを19日の国際面で速報した。



今回の事故の原因はまだ分かっていないが、フィッツジェラルド号が航行ルールを守っていなかったという説や、コンテナ船が衝突寸前に方向を大きく変えたという説などがあるとしている。また、この地域が日本の中でも最も航行量の多い海域であること、米海軍が海上で衝突事故が起こすのは極めて珍しいことなども報じている。

***** 以下本文 *****
金曜日の夜、フィッツジェラルド号が、見張り番に航路をガイドさせながら、日本で最も混雑している航路を通過している時、乗組員の殆どは眠りについていた。
次の瞬間、コンテナを搭載した29,000トンの貨物船が、この駆逐艦の右側に衝突し、主要な設備があっという間に押しつぶされた。その中には、船長の客室や、水面下にある116名の船員のための寝室も含まれていた。大きな裂け目から大量の海水が勢いよく流れ込んだ。
船員たちは、自分たちをそして船を救うために、寝室の外へと急行したが、7名の船員が寝室から脱出出来なかった。彼らの遺体は、船が横須賀港に曳航されてから、発見された。
米海軍の日曜日の発表によれば、次の7名が犠牲者となった。
Gunner’s Mate Seaman Dakota Kyle Rigsby, 19, of Palmyra, Va.
Yeoman 3rd Class Shingo Alexander Douglass, 25, of San Diego, Calif.
Sonar Technician 3rd Class Ngoc T Truong Huynh, 25, of Oakville, Conn.
Gunner’s Mate 2nd Class Noe Hernandez, 26, of Weslaco, Texas
Fire Controlman 2nd Class Carlos Victor Ganzon Sibayan, 23, of Chula Vista, Calif.
Personnel Specialist 1st Class Xavier Alec Martin, 24, of Halethorpe, Md.
Fire Controlman 1st Class Gary Leo Rehm Jr., 37, of Elyria, Ohio
「水の流入量は物凄いものがあった。」と米国第7艦隊のジョセフオーコイン副司令官は記者会見で語った。「船員が対応する時間は殆どなかった。」
ブライス・ベンソン船長は、大怪我を追いながらも、彼の船室から脱出した。彼は、近くの病院まで緊急搬送され、緊急治療を受けている。尋問はその後となる。
何故、米駆逐艦がその3倍もある貨物船に衝突され、近年では海軍の歴史上最悪の事故が引き起こされたのかに対する答えは、すぐには分からない。
軍艦や商用船の元船長たちの中には、フィッツジェラルド号が国際ルールを守っていなかったのではないかとみている者もいる。国際ルールでは、右側にいる船に航路を譲らればならない。
「あまり考えられないことだが、フィッツジェラルド号が舵をコントロール出来ない状況になっていれば、話は別だが、そうでない限り、コンテナ船に航路を譲るべきだった。」とイアニス・ソウラ氏は言う。彼は、アジアと欧州を結ぶ最も交通量の多い海域で、タンカーや貨物船の船長の経験がある。
他にも衝突を引き起こした要因は沢山考えられるとする見方もある。貨物船ACXクリスタル丸の航跡データによれば、米海軍が衝突の時間としている午前220分の少し前の、午前25分にこの船はコースを反転させている。
しかし、728フィートあるACXクリスタルを運行する日本郵船によれば、衝突は午前130分に起きている。この差は説明がついていない。「船は衝突の前にコースを反転させたのではなく、衝突の後に反転させたのだ。」と日本郵船の広報官は言っている。
日米両サイドが原因究明に乗り出している。どちらの側も、憶測の段階で原因について言及することは拒否している。日本の海上保安庁の広報官によれば、ACXクリスタルに搭乗していた20名のフィリピン人乗組員は、全員無事で、既に取り調べを受けた。
国防関係者によれば、米海軍オペレーションのトップであるジョン・リチャードソン司令官は、急遽、日曜日に日本に向けて出発した。彼は、フィッツジェラルド号の乗組員やその家族と会う予定だ。また、日本の政府関係者と会い、この事件に関する日本のサポートに感謝を伝える予定だ。更に、事故にあった船を調査し、関係者と修理に必要な作業について話し合う。
国防省は、まだ衝突の原因を特定しようとしている段階だ。日曜日の夜現在、国防省高官に対して明確な説明はなされていない。国防省関係者によれば、実際何が起きたのかについても、明確には分かっていない。
日本の海上保安庁によれば、事故が起きたのは、横須賀沖約56里の地点で、一日に約400隻の船が航行している。記録によれば、過去5年間に、同じ地域で3件の事故が起きている

元駆逐艦船長のブライアン・マクグラスによれば、米海軍にとって、海上での衝突事故は極めて珍しい。もし起きたとしても、10年に1件かせいぜい2件だ。