Friday, March 11, 2016

日本の研究者がプラスチックを食べるバクテリアを発見【A11面(国際面)】

日本人研究者がプラスチックを分解するバクテリアを発見したというニュースが国際面に掲載された。


これまで、プラスチックは木材などとは異なり、自然界では分解されないと言われていたが、京都工芸繊維大学が米科学誌サイエンスに掲載した記事によれば、プラスチックを食べるバクテリアを発見した。

***** 以下本文 *****
「バクテリアは漏出した油、放射性廃棄物に加えて、いまやプラスティックを食べ尽くすことが出来る。日本の研究者が、食物容器、瓶、合成繊維などに使われるポリマーであるPETを食べる微生物を発見した。」
「科学者たちによれば、このバクテリアを使用すれば、ゴミ処理場やリサイクリング工場にある生物的に分解されないゴミを分解させることが出来るかもしれない。」
「『我々はついに広範囲に使用されているプラスティックPETを生物学的に分解することが出来るかもしれれない。』とドイツのグライフスバルト大学の生化学者であるウウェ・ボンシュアーは言う。『これは重要な業績です。』」
「しかし、彼は、消化のプロセスはゆっくりなので、このバクテリアが、増え続ける膨大な量のプラスティックゴミ対策としてどれだけ有効かを判断するには更なる研究が必要だとする。」
「ボンシュアー博士は、日本の研究についてコメントをしたが、研究には関与していない。」
「研究と解説は今週のジャーナル誌サイエンスに掲載された。」
「過去の研究では、幾つかの菌類だけがPETを生物的に分解することが出来るとされてきた。吉田昭介は京都工芸繊維大学の微生物学者だが、バクテリアもPETを消化し、大量のプラスチックごみ問題を解決する可能性を秘めていることを理論づけた。」
「リサイクリング工場で吉田博士と彼のチームは、250のPETごみのサンプルを集め、それらの間に住む多くの微生物を発見した。」
「研究者達は、PETを食べて生きている様に見えるこの微生物を調査し、イデオネラ・サカイエンシスという種類がポリマーを分解していることを発見した。」
「低級のPETフィルムに付着して培養したところ、バクテリアは2つの酵素によってプラスチックを環境に優しい成分に分解することが分かった。プラスチックが彼らの主食になっているのだ。」
「吉田博士は、イデオネラ・サカイエンシスの集団は低級のプラスチックのウォーターボトルを6週間で完全に分解すると述べた。」
「しかし、殆どのボトルはより高級なPETで出来ており、吉田氏によれば、プラスチックは温めたり冷やしたりして、バクテリアが食べやすい様に料理してやる必要がある。」
「ボンシュアー博士によれば、この微生物を、ゴミの分解促進のためにゴミ埋立地に加えてやると良い。」
「『分解のスピードはゆっくりだが、機能する。』と彼は言う。『この種族を更に研究することによってもっと改善されるだろう。』」
「アリゾナ大学環境安全センターの教授でディレクターのロルフ・ハルデンによれば、バクテリアを適用すれば、プラスチックの製造過程での産業廃棄物も減少させることができるだろう。」
「『PETを食べるバクテリアの発見は、プラスチックをよりグリーンで持続可能な代替物質に変えることと並んで、科学の発展にとって素晴らしいことだ。』とハルデン博士は言う。」