Thursday, December 31, 2015

** 12月のまとめ **

12月にWSJに掲載された日本関係の記事は、7件だった。今年の月平均が9.1件なので、若干少ない。

テーマ別では、政治関係が2件、経済関係が2件、社会関係が3件だった。

政治関係では、「24日に閣議決定された2016年度予算案」「28日に日韓間で歴史的合意が実現した慰安婦問題」を取り上げた。前者の記事では、日本の防衛費予算が過去最大になったことを歓迎し、後者の記事(社説)では、この和解が日韓の軍事面での協力強化につながることへの期待を表明した。WSJは、米国の国防費負担が東アジアで拡大する軍事的脅威に追いつけない中、同盟国である日韓の軍事力強化に期待を寄せており、軍事力強化に批判的な日本のマスコミとは随分とトーンが異なる。

経済関係では、「8日に内閣府が発表した7月~9月期のGDP改定値」「18日に日銀が発表した政策の微修正パッケージ」を取り上げた。前者の記事では、7~9月のGDPが上方修正され、日本はかろうじてリセッション突入を免れたと伝えた。後者の記事(社説)では、日銀の金融政策だけに頼る安倍首相の政策を批判し、思い切った規制緩和や税制改革を迫っている。WSJは、日本経済再生の処方箋として、これまでも「労働者不足の解消」「企業の賃上げ実施」をあげているが、前者については規制緩和による移民受け入れ、後者については、税制改革による企業所得税軽減が必要としているのだろう。なお、日銀の政策微調整のニュースは、日本ではそれ程大きく取りあげられなかったが、WSJでは社説で取り上げる程の熱の入れようで、この問題についての日米のマスコミ間での温度差を感じた。

社会関係では、「26日の『民法で夫婦別姓を認めていない民法の規定は合憲』とする最高裁判決」「クリスマスにフライドチキンとケーキを食べる日本のユニークな習慣」「20日に最終回が放送された下町ロケット」を取り上げた。日本独自の文化や風習は、海外のメディアで良く取り上げられるが、経済紙であるWSJの報道姿勢もその例外ではない。「世界で唯一夫婦別姓を認めていない日本」「クリスマスにフライドチキンとケーキを食べるとう珍しい習慣をもつ日本」「家族的経営の美徳を重視する日本」が取りあげられた。

12月の7件の記事から浮かび上がる日本のイメージは、軍事力を強化して地域の安定に寄与しようとしているが、経済政策は中途半端、しかし独自の面白い文化を持っているといった感じで、以前の経済大国のイメージとは随分と異なるイメージになっている様に思える。

掲載箇所別では、1面が1件、社説が2件、国際面が4件だった。