7~9月期のGDPが2四半期連続のマイナスとなったという記事が国際面に掲載された。
GDPが伸びない原因を、高齢化、スキルのミスマッチ、移民規制による労働者不足にあるとしている。日本のマスコミにはないユニークな視点だ。
***** 以下本文 *****
この記事は次の様な書き出しで始まる。
「日本経済は2四半期連続で縮小した。これは、安倍晋三首相と彼が進める政策であるアベノミクスにとっての、最新の後退だ。」
「縮小は予測されていたが、縮小幅がここまで大きかったのは驚きだ。」
「経済活動の計測に最も広く用いられている数値であるGDPの第3四半期の下げ幅について、ウォールストリートジャーナルが調査した20名のエコノミストの予測の平均は、0.3%だった。」
暫く要約する。
7-9月期の下落は0.8%で、これは4-6月期の0.7%に続く、2期連続の縮小だ。これは安倍首相が直面する問題が大きいことを示すものだ。安倍首相は3年前に首相の座につき、前例のない金融緩和や、財政出動、構造改革によって日本経済の復活を試みたが、今のところ苦戦している、高齢化、教育格差、移民規制等による労働者不足も成長の足かせになっている。日本の失業率3.4%は他国から羨望の眼差しで見られているのだが。何人かのエコノミストは、2四半期連続のGDP縮小は「不況」と定義されるという。
安倍首相は9月にGDPを2020年までに20%伸長させると発表したが、多くのエコノミストはこの目標を非現実的だとした。政府は最近移民受入れ規則を緩和して、労働者不足を解決しようとしたが、まだ効果は出ていない。高齢化とスキルのミスマッチはもっと難しい問題だ。例えば、DeNAでは、ウェブ技術に精通した技術者を必要としているが、日本で採用可能なのは10%程度に過ぎない。
この記事は次の様なコメントで締めくくられている。
「熟練・非熟練にかかわらず、労働者不足は日本経済を痛めつけている。昨年の大和総研の調査によれば、2015年と2016年の2年間通算で、100万人の労働者が不足すると予測されており、GDPのコストを2%もしくは860億ドル押し上げる。」