イスラム国による後藤さん殺害を報じる記事が、2月2日の国際面に掲載された。
この記事は次のような書き出しで始まる。
「イスラム国によって斬首されたジャーナリストの後藤健二さんのビデオが公開されたが、このビデオは、米国主導のテロとの戦いにおいて、日本がどの様な役割を果たすべきかという議論を喚起した。」
「ビデオは東京時間の日曜日の早い時間に公開された。それまでの数日間、ヨルダンの刑務所に収監されているテロリストとの交換によって、後藤さんの安全を確保するための努力が続けられていた。一つ前のビデオでは、イスラム国は、木曜日の日没までに収監者が解放されなければ、後藤さんを殺害すると脅していた。その期限は何の進展も無いままに過ぎていた。」
暫く要約する。
ヨルダンは、イスラム国が拘束中のヨルダン人パイロットが生存していることが証明されれば、このヨルダン人パイロットと収監者の交換に応じるといてきたが、イスラム国はヨルダン人パイロットの生存を証明せず、ビデオの中でもヨルダン人パイロットについて言及していない。
ビデオの中で、イスラム国は、後藤さんの処刑は、日本が有志連合に加わっていることと関係していると述べた。安倍首相は日曜の朝早く緊急会議を招集し、「テロリストを許さない。彼らに罪を償わせるべく国際社会と連携していく。」と述べた。日本政府関係者も米国政府もビデオが本物かどうか分析していると述べた。
安倍首相配下で、日本は米国主導のテロとの戦いにより大きな貢献しようとしてきた。2人の日本人を殺害するというビデオが公開された1月20日、安倍首相はイスラエルにいた。ビデオでは、安倍首相がイスラム国の周辺諸国を援助するために拠出を表明した2億ドルがターゲットとされた。日曜日に安倍首相は、中東への人道的支援を更に強化すると述べた。
この人質事件は、日本中を震撼とさせた。日本は中東に人道支援は行っているが、軍事的支援には加わっていない。オバマ大統領は後藤さんの殺害について、極悪非道な殺人事件だとし、日本の支援に感謝を表明した。
この数十年間、日本は、米国によって作られた平和憲法と、紛争地域でアメリカを支援したいという願望と間のバランスを取ることに苦労してきた。この事件は日本が海外にいる日本人を守れる様にする必要があると言う人がいる一方で、日本がこうした問題に関与するとリスクが高まるという人もいる。
社民党の又市征治幹事長は「テロと憎悪の連鎖をもたらすだけだ。」と述べた。安倍首相がアメリカと連携することを不安に感じている人もいる。
この記事は次のようなコメントでしめくくられている。
「共産党の山下芳生書記局長は『首相は現在は人道的支援について語っているのだと思う。しかし、首相がやっていることは、日本が戦争をする国になることを加速させるために、この事件を利用しているだけだ。』と述べた。」
「共産党は、まだ議会おいては比較的少数派だが、12月の選挙では安倍首相のタカ派の防衛政策に反対する有権者の助けにより、議席数を倍増させた。」
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今回の事件は、日本において、軍備を拡張すべきか、縮小すべきかという議論を呼んでいるという記事。