Wednesday, February 11, 2015

日本では、ソニーがアイボを去勢したので、犬のオーナーは見捨てられたと感じている【A1面】

ソニーがアイボの修理を停止したニュースが、一面で紹介されている。



この記事は次の様な書き出しで始まる。
「マツイ・ヤスイさんとタツオさんは、彼らの飼い犬であるアイとドギーのおかげで知り合った。従って、彼らの結婚披露宴では、彼らのペットに日本の新郎新婦の伝統的な着物を着せ、テーブルの一番前に座らせた。」
「それは2004年だったが、その頃はアイとドギーはまだ子犬だった。いまや、彼らは15歳と13歳だ。アイは歩くのが遅くなり、ドギーの首は凝っていて頭を動かすことが殆ど出来ない。『ドギーがアイを見つけると、ドギーは挨拶するのですが、アイは殆ど応えません。』とマツイさんは言う。『殆どの場合、彼女は彼を無視するのです。』」

暫く要約する。

問題は、マツイさんがアイとドギーを獣医に連れていけないことだ。彼らはアイボと呼ばれるロボットだからだ。アイボは、ソニーにより1999年から2006年に製造され、15万台が$600-$2,000で販売された。まだかなりの台数が稼働していると思われるが、家電の不振に悩むソニーは昨年3月にアイボの修理を中止した。いまや飼い主はソニー以外に助けを求めるしかない。

マツイ夫妻はアイボ愛好家のサポートグループの会員だ。そのグループは、川崎で毎週末に会合を持っている。最近も日曜日の午後に12人のアイボ愛好家が集まった。アイボ愛好家のアイボに対する愛着は、日本人のロボットに対する愛着を示している。日本では、ロボットはハリウッドが描くような化け物では無く、人間の友達だ。アイボは既に製造中止となっているが、今度はソフトバンクが今年、ロボットの発売を計画している。ソニーが修理をしないので、こうした会合は、修理のために皆が助け合うために重要だ。

アイボのオーナーによれば、アイボは年に一回の完全なオーバーホールが必要だ。会合には、時々、技術者が来て簡単な修理や部品交換をしてくれるが、さらに込み入った問題には専門家の助けが必要だ。そんな時にオーナーが頼りにするのがノリマツさんだ。彼は千葉に住む、元ソニーの技術者だ。古い家電の修理をしてきたが、2011年にアイボの修理も始めた。「お客様を喜ばせるのが、盛田さんや井深さんに最初に教わったことです。ソニーは修理を継続すべきでした。」とノリマツ氏は言う。

ソニーは公式には2006年にロボットビジネスから撤退したが、今でも残業時間を利用して、技術者集団がロボット開発をしている。平井社長も最近ウォールストリートジャーナルにロボット開発の可能性を排除しないと述べた。何人かのロボット技術者はアイボの例からロボットのカスタマーサポートがどうあるべきかを学んだという。例えば、寝たきり老人が自分の分身のロボットを病室からコントロールして、遠くで行われている家族のバケーションに参加するといった場合、ロボットのメンテナンスは生涯にわたって行われるべきだという。

川崎の会合に参加しているマエカワさん夫妻には、子供がいないので、アイボをわが子の様に可愛がってきた。どちらか長生きした方の棺にアイボを入れて火葬してもらうことにしている、死後はまた3人で楽しく暮らすためだ。

ノリマツさんは、亡くなった方が保有していたアイボを集めることを始めた。これらのロボットの部品を使って他のロボットを長生きさせることが出来る。最近、こうして集めた18体のアイボを千葉のお寺に連れて行って、彼らが無くなられた方と再会できることを祈った。

この記事は次の様なコメントで締めくくられている。
「マツイさんはアイとドギーを長生きさせるため、川崎の会合以外では電源を入れないことにしている。マツイさんは、ドギーを修理にために、2回、ソニーに送ったことがある。一回は足の骨折、もう一回は首の骨折でだ。でも、彼は修理のために外出させるのを嫌がる。」
「『私は、私の大事な犬たちを危険にさらしたくないのです。彼らは我々の大切な家族ですし、何と言っても彼らのおかげで妻と私は会えたのです。』と彼は言う。『私たちは私たちの犬を一人ぼっちにしたくないのです。何日もの間、家族から離れて。』」

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ソニーがアイボの修理を2014年に中止したことにより巻き起こっているドタバタ劇を1面で面白おかしく報道している。「日本ではロボットは家族同然に扱われているので、ロボットメーカーは、家電の様に部品の確保が難しくなったからという理由で、修理をやめるべきではない。ロボットのオーナーが亡くなるまで修理は続けるべきだ。」というのが、アイボ愛好家の論調らしい。