Monday, August 31, 2015

** 8月のまとめ **

8月にWSJが取り上げた日本関係の記事は18件だった。7月の5件から大幅に増えた。

8月は世界が注目するイベントが立て続けにあった。11日の原発再稼働、14日の戦後70年談話、17日の第二四半期GDP発表だ。WSJはこの3つのイベントだけで、12件もの記事を掲載した。
「原発再稼働」については、再稼働当日の速報記事に加え、その後の国民の反対運動を続報として報道、「GDP発表」についても、発表前に予測記事を掲載し、当日には速報記事を掲載する等、丁寧に報道した。
しかし、何と言っても破格の扱いだったのは、「戦後70年談話」とその前後の終戦に関連する報道だろう。昨年は、終戦関係の記事は靖国関係が1件掲載されただけだったが、今年は原爆関係が4件、70年談話関係が3件、靖国関係が1件と実に8件もの記事が掲載された。
特に、昨年は全く無視された原爆関係が、広島、長崎での記念式典の速報記事に加えて、関連記事を2件掲載。戦後70年経過し、アメリカ側でも原爆の是非を見直そうという動きが出てきているということだろか。

8月の傾向でもう一つ注目すべきは、安倍首相が進める、「教育改革」「女性の登用」「移民受入れ」について、それぞれ特集記事を掲載したことだろう。WSJは、日本が長年解決出来ずにきた大きな課題に挑戦する安倍首相の姿勢に好意的だ。

8月は、アメリカにとって都合の悪いニュースもあった。一つは、相模原の米軍施設での爆発火災事故、もう一つはNSAによる日本政府・企業盗聴事件だ。WSJはどちらの事件も短く報道した。

最後に、孫社長が率いるスプリントの業績について、1面トップで取り上げた。苦境でもあきらめない孫氏の姿勢を好意的に報道している。

8月の記事をテーマ別にみると、政治関係が10件、経済関係が3件、社会関係が5件だった。
掲載箇所別では、1面が1件、社説が1件、国際面が12件だった。



外国人が日本の労働者不足を補う。【A7面(国際面)】

日本の労働者不足を外国人が補いつつある実情について国際面で取り上げた。

政府が移民受入れに消極的な中、企業は既に外国人雇用に舵を切っている実態をレポートし、日本における移民受入れも今後進まざるを得ないと言っている様に読めるがどうだろうか?

***** 以下本文 *****

この文章は次の様な書き出しで始まる。
「非日本人が日本経済を活性化するためにより大きな役割を担うことになるでだろう。労働者不足が長期にわたる外国人労働者への抵抗を克服することを日本に迫っているからだ。」
「数十万件の求人が満たされない状況の中、ラーメン屋から自動車部品工場まで、労働者を捜してあらゆるチャネルを駆使している。」

長い記事なので、暫く要約する。
移民受け入れ賛成派は、大学卒業生の数が減少し続ける中、移民受け入れは必要だとする。多くのアジア人が週30時間労働可能な学生や母国に技術を持ち帰るためにインターンとして日本にやってくる。こうした制度は、十分な監視や保護のないまま、安価な労働者を生み出すとして米国などから批判されている。ビザなしで就労している労働者もいる。2014年の合法的な外国人労働者は2年前から15%増加して、788,000人となったが、全労働人口の1.4%にすぎない。
高齢化と人口減少問題を克服するために、移民受け入れは効果があると、移民受入支持派は言う。反対派は、日本は高賃金問題を高い生産性により解決すべきなのにもかかわらず、移民を受け入れると生産性向上の努力を怠ることになるとする。
日本は長い間同一民族の国であったので、移民受入れについては、犯罪の増加につながるのではないか等の不安がつきまとう。移民受入れは、未だに非常にセンシティブな話題だ。
安倍首相も「移民受け入れについては、欧州でも多くの問題がある。こうした問題の分析が必要だ。」とする。彼の側近は、熟練労働者へのビザ緩和や外国人研修生の2年間ビザ延長などの緩やかな変更を目指しており、大きな変更は行わない様だ。
こうした消極的な対応について、一部のビジネス関係者は不満に思っている。

この記事は次の様なコメントで締めくくられている。
「日本の幾つかの大企業では対応に変化がみられる。彼らは、グローバル市場での主要プレーヤーになろうとしているからだ。ホンダ自動車は今年、2020年までに英語を正式言語にすると発表した。日立は、非日本人幹部を取締役に追加した。」
「求人会社ディスコのよる2014年の調査によれば、日本では36%の会社が外国人学生を採用したか、採用予定だ。この数は4年前の3倍に当たる。」



Saturday, August 29, 2015

日本は大企業に女性の採用を迫る【A5面(国際面)】

28日に参議院を通過した「女性活躍推進法案」について、29日の国際面で速報した。



女性の社会参加に対する安倍首相の意欲は評価するものの、この法律の効果については疑問視している様に読めるがどうだろうか?

***** 以下本文 *****

「日本は、大企業に対し、もっと女性を採用し、幹部社員に登用する様にという圧力を更に強めた。これは、人口減少により停滞している経済を活性化させようとする安倍首相の努力の一つだ。」
「参議院は金曜日に、従業員301人以上の企業に女性社員、女性幹部社員の比率目標や、女性登用を進めるためのその他の指標を設置することを義務付ける法案を承認した。」
「政府主催の女性問題に関するコンファレンスの中で安倍首相は『これは、女性を意思決定の権限をもった地位につけるための最初のステップだ。』と述べた。」
「安倍氏は、職場において女性を平等に扱うことが、世界第三位の経済を浮揚させるための彼の計画にとって重要なパートになるとしている。女性の活性化は、人口減少によって生じる経済活動の停滞を打ち消す一つの手段だ。」
「OECDによれば、15~64歳までの日本人女性の約66%が外で働いており、これは先進国の平均を上回る。しかし、日本の女性は、パートタイムや契約社員の大半を占めており、他の先進国に比べて幹部社員の地位についている数は少ない。」
「市民団体であるカタリストによれば女性は、日本の主要企業の取締役の3.1%しか占めていない。米国では19.2%, カナダでは20.8%だ。」
「新しい法律は、目標を達成出来なかった企業に対し、ペナルティーを課すものではない。」
「ゴールドマンサックス日本のチーフ・エクイティ・ストラテジストで、ウーマノミクスという言葉の生みの親であるキャシー松井氏は、この法律は、参加しない企業が居心地の悪い気分になることによって、機能するだろうと述べた。」
「『いくつかの会社が性別の公開に積極的で女性の幹部社員登用に意欲的に取り組むだろうと思う。その一方で、同じ産業のその他の企業は同様の行動を取らざるを得ないのに十分な圧力を感じることになるだろう。』と金曜日に彼女は述べた。」
「彼女は、この法律では、法律を順守する企業が、政府の契約を受注する際に有利になると述べた。」
「企業幹部の何人かは、保育所の不足等の問題があるので、数値目標だけでは機能しないと述べた。」


Wednesday, August 26, 2015

安倍は米国にNSAのスパイ行為について調査する様に要求する【A9面(国際面)】

26日朝に行われた米国による盗聴事件に関する安倍首相とオバマ大統領の電話会談について、同日の国際面で速報した。


記事の最後を「現在は盗聴はしていない。」とするオバマ大統領の発言で締めくくっており、以前は盗聴していたことを示唆している様に読める。

***** 以下本文 *****

「安倍晋三首相のスポークスマンによれば、首相はアメリカのバラク・オバマ大統領に、国家安全保障局により行われたとされる日本政府・企業へのスパイ行為について調査する様に依頼した。」
「ウィキリークが先月公開したドキュメントによれば、政府・日銀・日本企業関係者の会話が米国のエージェントによって盗聴されていた。東京時間の水曜日の朝の電話での会話の中で、オバマ氏はこの問題により安倍氏と政府が迷惑を被ったことを残念に思うと述べたと菅官房長官は述べた。」
「安倍氏は、もしウィキリークが公開したドキュメントが本当なら、日本と米国の関係を揺るがすことになると述べた。菅氏によれば、菅氏と安倍氏は、この件を調査して結果を報告する様にワシントンに依頼した。」
「菅氏は、アメリカがスパイ行為を認めたかもしくは否定したかについては、明らかにしなかった。安倍氏のオフィスからのニュースリリースによれば、大統領は、現在は米国は同盟の信頼関係を壊す様な行為には関与していないと述べた。」

Monday, August 24, 2015

爆発と火災が米軍補給施設を揺るがした【A9面(国際面)】

24日未明に発生した相模原の米軍施設で発生した爆発火災について、同日の国際面で速報した。

事実関係を短く述べているが、最後にペンタゴン報道官の発言を引用して、この事件が日本人の間にある米軍基地への不安を煽ることを懸念している。

***** 以下本文 *****

「東京の米軍補給施設で数回の爆発の後、火事が発生した。数時間後の月曜日朝に鎮火した。当局によれば、けが人は無い。」
「相模原の施設の近くの住民が撮影したビデオでは、爆発のあと大きな火災が発生した。全国放送であるNHKはこの映像を放送した。」
「ペンタゴンの報道官であるビルアーバンは、爆発の原因はまだ分かっていないが、この事故は日本人の間に米軍基地の安全についての懸念を起こすだろうと述べた。」


Thursday, August 20, 2015

ファーストレディが紛争の火種になっている神社を訪問【A8面(国際面)】

安倍昭恵さんの靖国神社訪問を20日の国際面で速報した。



WSJは日本の指導者の靖国神社訪問には反対の立場だが、今回もその主張に沿った内容となっている。情報ソースが昭恵さんのフェースブックというのが彼女らしくて微笑ましい。

***** 以下本文 *****
「日本のファーストレディである安倍昭恵さんが靖国神社を訪問した。そこには、有罪判決を受けたA級戦犯を含む数百万人の戦没者が祀られている。」
「その訪問は、火曜日に安倍夫人のフェースブックで明らかにされた。その日は、戦後70周年の数日後であり、中国と日本が、数週間後の安倍首相の北京訪問について話し合っていた時でもあった。日本の首相による靖国神社訪問は、中国や韓国との紛争の火種となってきた。両国は、靖国神社訪問は日本の侵略と戦争時の残虐行為に対する反省の欠如を示すものだと主張している。」
「2013年に安倍首相が靖国神社を訪問した際には、両国から強い批判を受け、米国からも非難された。米国は、首相による靖国神社訪問は、東アジア地域各国の関係に不必要な刺激を与えるだけだとみている。」


Monday, August 17, 2015

日本経済は第二四半期に縮小した【A6面(国際面)】

8月17日に発表された4~6月期のGDP数値について、17日の国際面で速報した。

マイナス1.6%という数値は、ウォールストリートジャーナルの予測の1.9%より若干良かったが、これを契機に追加景気刺激策の必要という意見が出て来るだろうとしている。

***** 以下本文 *****

「日本の経済は2四半期連続で縮小した。主に、個人消費が落ち込んだのと、日本製品の海外での需要が減少したことによる。これにより、日本の力の無い景気回復を下支えするために政府が介入する可能性が高まった。」
「月曜日に内閣府が発表したデータによれば、4月~6月期の日本のGDPは年率換算で1.6%縮小した。ウォールストリートジャーナルによるエコノミストの調査に対する調査によれば、1.9%の縮小だった。」
「月曜日のデータは、安倍首相と日本銀行による世界第三位の経済の成長を加速させようとする努力にもかかわらず、安定的な成長が難しいことを示している。」
「弱い数値は、年末に向けて経済刺激策を求める声を強めることになるだろう。」
「この落ち込みの主因は、日本の産出の半分以上を占める個人消費が前期に比べて0.8%落ち込んだことにある。エコノミストは、2014年4月に消費税が5%から8%に上がった後の価格上昇に、賃金の伸びが追い付いていないために、家計が支出を抑えていると見ている。」
「また、海外から、特にアジアからの、日本製品に対する需要も弱い。海外からの需要は、同期のGDP成長率を0.3%押し下げた。」
「エコノミストは日本の経済は、2015年下期には回復するだろうとみている。」