Monday, August 13, 2018

安倍首相の軍備拡大案への窓は閉ざされている【A9面(国際面)】

12日安倍首相は憲法改正案を秋の国会に提出することを明言したが、WSJはこのニュースを翌日の国際面で速報した。


公明党の支持が得られるかどうか微妙なこと、世論の支持が広がらないことを考えると、その実現へのハードルはかなり高いとしている。


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安倍首相は、日本の平和憲法の改定の推進を開始したが、世論の反対などにより改定の機会の窓が閉まっていくという政治的な限界に直面しつつある。
与党自民党は、秋には憲法で、安倍首相が提案している自衛隊を正式に認める文章の草案を書き始める予定だ。憲法9条は「陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。」としている。
憲法改定には、両議会で2/3以上の賛成が必要で、その後に国民投票で過半数の賛成をえねばならない。自民党は、小さい連立政党からのサポートで議会をコントロールしているが、連立与党がこの提案を支持するかどうかは不明だ。
より大きな問題は国民投票だ。自民党は、前進するためには、さらなる世論の支持を形成したいところだ。第二次世界大戦の記憶が深く刻まれている保守的なこの国では、多くの国民がその平和主義的なやり方を支持しており、世論調査によれば、多くの国民が9条の改定に向けた準備が出来ていない。
「日本の国民の間には、未だに、いかなる形の軍備拡張も認めないという根強い感情があります。」と与党で憲法改正を推進する細田博之は言う。にもかかわらず、「世界は変化している。日本は先進国だ。戦争を始めるいかなるメリットもない。」と述べた。
日本は自衛隊と呼ばれる事実上の軍隊を1950年代以来保持してきた。今回の改定の目的は、これらの軍隊を明確に認めることだ。支持者たちは、米国がその防衛コミットメントを見直し、中国が南シナ海における軍備増強を進める状況で、日本が自分自身を防衛するための準備について言及している。
政治的なカレンダーには予定が一杯で、自民党には世論を2分する様なキャンペーンを行なっている時間はあまりない。2019年5月1日には新しい天皇が即位する予定だ。2020年には東京が夏季オリンピックを主宰する。国民が一体となり、自民党は注目を浴びることは望めない。
日曜日に、安倍氏は、年内には計画を国会に提出したいとして、憲法改正について素早く動くことを党内に強く求めた。「我々は、永遠に議論ばかりしている訳にはいかない。」と彼は言った。2020年までには変更を実施したいとも述べた。
1947年に施行された憲法は、戦後の占領時代に米国によって書かれたもので、その後一切改正されていない。自民党は1950年代以来その改定を試みてきた。当時は安倍首相の叔父にあたる岸信介が首相だった。