Tuesday, April 4, 2017

日本の大使がソウルへ戻ることに【A10面(国際面)】

日本政府は4月3日、来月の大統領選挙後に発足する次の政権に備えるなどとして、長嶺大使らを韓国に戻すと発表したが、WSJはこのニュースを翌日4日の国際面で速報した。



長嶺大使が日本に召還された理由となった、釜山日本領事館前の慰安婦像設置事件、そしてその背景となっている戦時中の慰安婦問題について、詳しく紹介している。北朝鮮の脅威が高まる中、日韓両国は今こそ緊密に連携して北朝鮮問題に取り組むべきであって、過去の慰安婦問題でもめている場合ではないと言っている様に読めるがどうだろう。

***** 以下本文 *****

日本の在韓国大使が、戦時中に起きたことについての日韓間の争いが原因で、3ヶ月前に日本に引き揚げたが、北朝鮮問題に対応するための連携強化を目的に火曜日にソウルに戻るだろうと日本政府は述べた。
日本の岸田外務大臣は、日本が大使を再派遣するのは、韓国の新政権に向けた準備のためでもあると述べた。韓国の大統領選挙は59日に予定されている。
日韓両国は、東アジアにおける米国に最も近い同盟国であり、防衛面で米国と連携している。日米韓の3国は、北朝鮮の脅威の高まりに対応するために、月曜日に対潜水艦の共同訓練を開始する。
しかし、一方で、日本と韓国は、1945年までの35年間の朝鮮半島の植民地化時代の問題で、しばしなぶつかっている。最ももめている問題は、戦時中に日本軍が韓国人女性を強制的に性的労働につかせたことだ
2015年末に、いわゆる慰安婦問題について、日韓両国は最終的かつ不可逆的に解決させたという内容の合意に達した。このために、日本は首相が謝罪し、女性らを支援するために10億円(900万ドル)を拠出した。約40名の女性が存命だ。
この合意は殆どの女性に受け入れられたが、韓国では不人気だ。不人気の理由のひとつは、この合意が、既に辞職している、朴クネ元大統領によってなされたことによる。この合意に批判的な韓国人の中には、合意がなされる前に存命中の慰安婦に政府が何の相談もしなかったことを紛弾する人もいる。
この合意の後、日本は、市民団体が2011年に日本大使館前に設置した慰安婦像を、韓国政府が撤去することを期待すると表明していた。しかし、その銅像はその場に残ったままで、更に、2016年末に、活動家が韓国第2の都市である釜山の日本領事館の前に同様の銅像を設置した。
日本は、釜山での慰安婦像の設置は、2015年の合意違反だとして、1月初旬に長嶺大使を召喚した。日本は、長嶺氏が韓国に戻る前に、その像を撤去する様に求めた。
その後、北朝鮮が数発のミサイルを発射したことにより、日韓両国で、北朝鮮の脅威への懸念が高まった。36日には、北朝鮮が発射した3発のミサイルが、日本沖230マイルに広がる排他的経済水域に着水した。
岸田氏は、2015年の慰安婦に関する合意が完全に実行されることを引き続き要求すると付け加えた。米国のティラーソン国務長官は、3月に東京でこの問題に触れ、日韓両国が争いを乗り越えて、北朝鮮問題に連携して対応して欲しいと要求した。
しかし、韓国の大統領候補は、最も有力な文在寅候補を含む数名が、この合意は再交渉されるべきだと言っている。
韓国外務省の報道官は、韓国政府は、日本の大使が戻られ、より緊密なコミュニケーションが実現することを期待すると述べた