ペンス副大統領は15日から25日の日程で、韓国、日本、 インドネシア、オーストラリアの4か国を訪問しているが、WSJ はその目的などについて17日の国際面で報道した。
北朝鮮の脅威が高まる中で、今回の訪問では、経済問題よりも、 安全保障面での話し合いが優先されるとしている。特にTPP交渉 からの離脱が、米国のアジア地域への関心の低下と取られない様に腐心するとしている。特に、日本での経済対話においてどの様なスタンスを取るかが、トランプ政権の今後のアジアでの経済政策のスタンスを占う意味で重要とのこと。
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ペンス副大統領が太平洋地域を訪問し、同盟国に対し、 米国が同地域で今後ともプレゼンスを維持することを伝えるが、 この訪問により、 トランプ政権は新たなグローバリズムを同地域に持ち込むだろう。
トランプ大統領は、昨年の選挙運動中や就任直後は、 経済的要求について優先的に交渉していくと述べていたが、 北朝鮮が核兵器プログラムを推進する事態を受け、 安全保障についての共同戦略に優先順位を置き、 経済的要求への優先順位を落とすことになるだろう。
北朝鮮は、日曜日午前に実施したミサイル実験に失敗したが、 ペンス氏はその直後である日曜日の午後にソウルに到着した。
ペンス氏の訪問は、韓国から始まり、日本、インドネシア、 オーストラリアと続く。木曜日に政府高官が記者団に対し、 ペンス氏の訪問におけるアジェンダについて説明したが、 訪問時の主要なメッセージは、「安全保障上の脅威が高まる中で、 米国は同盟国に対して完全にコミットしている。」ということだ。
ペンス副大統領は、 貿易交渉の地ならしについてのトランプ氏のメッセージを携え、 ビジネスリーダー達の意見を聞く会談も行うが、 最も時間を割こうとしているのは、TPP交渉から脱退するという トランプ大統領の決断が、 米国のアジア太平洋地域からの後退につながらない様に対応するこ とだ。TPPは、オバマ大統領が12ヶ国間で野心的に推し進めた 貿易協定で、オバマ大統領はアジア諸国では、 アジア地域に対する米国のコミットメントの象徴として見られてい たのだ。
トランプ政権高官によれば、訪問のもう一つの目的は、TPPから の撤退が、米国の地域からの後退を意味するのではなく、 むしろ地域における米国の経済面でのプレゼンス拡大を意味するこ とを示すことだ。
トランプ氏は、水曜日に行われたWSJとのインタビューで、 経済よりも安全保障を優先させるアジア政策を鮮明にした。彼は、 中国が北朝鮮を抑え込むのを助けるのであれば、 対中国貿易赤字削減の要求を緩めても良いと述べた。
トランプ大統領の貿易についての考え方は、 東京において更に明らかになるだろう。ペンス副大統領は、 東京で新たな経済対話を開始することになっているからだ。 この経済対話は、2月に安倍首相がトランプ大統領を訪問した際に 、最初に話し合われた。
トランプ政権の閣僚の中には、 新たに開始される貿易交渉の目的は、 日本の対米貿易黒字を削減することだと見ている者もいる。 一方で、日本は、 米国の最近の貿易政策への柔軟な態度の最新の受益者になりたいと 考えている。トランプ氏は、 水曜日に中国は為替操作をしていないと述べたし、 トランプ政権は、トランプ氏がかつて災難だと評したNAFTAに 対する変更を最小限に止めることを示唆した。
選挙期間中にトランプ大統領は、何回も日本を名指しして、 日本は米国を利用していると述べてきた。
トランプ大統領のフロリダの別荘で行われた、 2日間の安倍首相とのサミットにおいては、 ゴルフも数回いた上で、経済問題は、ペンス氏と日本側のナンバー 2である麻生財務大臣との間で話し合われることで合意していた