Saturday, April 27, 2019

トランプ大統領は安倍首相に関税撤廃を迫る【A6面(国際面)】

426日に行われた日米首脳会談について、WSJは翌27日の国際面で速報した。



【要約】日米会談のトピックの中心は「2国間の貿易協定」で、トランプ大統領は、日本が農産物への関税を撤廃しないなら、日本の自動車への関税で対応すると発言したとしている。これに対して、安倍首相は、日本は米国に巨額の投資をしており、多くの雇用を生み出していると強調したとしている。トランプ大統領は、5月の訪日時に、協定にサインをしたいと意欲を示したことも報じている。トランプ大統領の5月の訪日目的は、徳仁天皇の即位式出席のためとしているが、これは誤報だろう。なお、北朝鮮問題についても話し合われたとしているが、拉致問題についての言及は無い。


***** 以下本文【WSJ記事全文和訳】 *****
トランプ大統領は、日本との新しい貿易協定について、楽観的な見方を示した。しかし、金曜日には、米国農産物に対する日本の関税は撤廃されねばならないと発言し、対抗措置として日本の車に関税をかけることを示唆した。
大統領執務室に日本の安倍首相と座って、トランプ大統領は、日本は我々の農産物に大きな関税を課していると発言した。そして彼は次の様に付け加えた。「我々は彼らの車に関税をかけていない。ならば、そこを何とかしなければならないと思う。」
通訳を介して、安倍首相は、日本は、何百億ドルもの投資を米国にしていると指摘した。そうした投資により、数万人分の雇用が生まれた。
貿易での対立はあるものの、両リーダーは個人的には仲が良いとトランプ大統領は語った。トランプ大統領は、来月、日本の次の天皇である徳仁の即位のために日本を訪問する際に、サインをしたいとも述べた。
貿易以外にも、両リーダーは、北朝鮮の非核化についても議論する予定だ。土曜日には、2人は、ヴァージニア州スターリングにあるトランプゴルフクラブでゴルフをする予定だ。
両国は、貿易協定について交渉しようとしている。その様な時に、安倍首相の訪米は実現された。この協定によって、日本に米国でより多くの車を生産する様に誘導するだけでなく、農業市場の開放を迫る。
日本の茂木経済産業大臣と米国のライトハイザー通商代表の間で行われるハイレベル交渉は、先週ワシントンで始まった。両国ともに、協定締結に向けてこの交渉を重要視している。
日本は、米国が昨年課した鉄鋼とアルミに対する関税の撤廃を求めている。また、トランプ大統領が自動車と自動車部品に25%もの関税を課すと脅しているが、これを避けたいともしている。一方、米国は、日本との貿易において、米国の輸出者が不利になっているとして、こうした状況を改善するために協定の締結を求めている。
日本よりも貿易額が大きい国は、中国、カナダ、メキシコの3国だけだ。2018年に米国は、日本から1,430億ドルの製品をを輸入した。その中で最も多いのは400億ドルに上る乗用車だ。米国は、より多くの乗用車が、日本から輸入されるのではなく、米国内で製造されることを望んでいる。
米国の通商代表部は、これだけ貿易額が大きいにもかかわらず、自動車、農業、サービスなど主要分野の米国の輸出者は、数十年にわたって日本の関税もしくは非関税の障壁に悩まされてきており、こうした障壁が日本に対する慢性的な貿易不均衡をもたらしているとしている。
日本と米国は、もともとはTPPの交渉メンバーだった。TPP環太平洋の10ヶ国(日本を除く)による貿易協定だ。トランプ政権はこの交渉から撤退したが、他の11ヶ国は協定を締結させた。これが意味するところは、カナダ、メキシコ、オーストラリアなどのTPP署名国は、対日貿易において、米国より有利な立場にあるということだ。
2月にハノイで行われたトランプ大統領と金正恩主席との会談が具体的な成果を出せず、その後、米朝会談の行方は不透明になっている。安倍首相の訪米はそうしたタイミングでもあった。金曜日にトランプ大統領は、彼が金正恩主席と大変に良い関係を維持しており、中国、ロシアの両国も米朝両国を支援していると述べた。