トランプ米政権は3月23日、 鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を発動し、日本にも適用したが、W SJはこのニュースを翌24日の国際面で速報した。
この措置は、もともと中国とロシアを対象としたものだったが、 同盟国である日本を含む全ての国を対象としたと報じている。 一方で、暫定的に今回の措置が免除された国として、 アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、EU、 メキシコ、韓国の7ヶ国をあげ、 それぞれの国が免除を勝ち取った経緯について詳しく報じている。
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トランプ政権は、金曜日未明に、 世界中からの鉄鋼とアルミの輸入への制裁措置を開始した。 しかし、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、EU 、メキシコ、韓国は制裁対象国から除外された。
このグローバル関税が適用される1時間前に、 ホワイトハウスはトランプ大統領が署名した声明書を発行した。 それによれば、選ばれた数か国は、 安全保障上の目的で必要とされるこの関税適用から当面の間除外さ れる。
同盟国の反応は様々だ。EU駐米大使のデイヴィッド・ オサリバン氏は、少なくとも5月までは関税の適用が免れたのは良 いことだが、 米国との交渉が続いているので慎重にならざるを得ないとして、「 すぐに関税がかけられる訳ではないことにはほっとしているが、 実際には時間は限られている。 米国のアプローチは正しいアプローチではなく、 そのやり方にはいまだに懸念を持っている。」と述べた。
米国にとって最も重要な同盟国である日本は、 当面の適用除外の対象国とならなかった。 日本やその他の貿易パートナー国は、 米国が既にかけている関税に加えて、鉄鋼の25%、アルミに10 %の関税がかかることに怒りを表明している。関税の矛先は、 中国やロシアに向けられている。トランプ政権は、この2ヶ国を安 全保障上の脅威としている。
WTOのジュネーブ本部では、10ヶ国以上の国々が、 米国の一方的な課税に不満を表明した。貿易部会のロベルト・ アゼルヴェド部長は、慎重かつ迅速な対話が、 問題解決のための最善の方法だとした。
トランプ政権は、当初は、 中国に国際的なプレッシャーをかけるために関税を発表した。 しかし、米国内の保護主義者や、トランプ政権のタカ派が、 過度に多くの国が関税適用から除外されることを避けるために必死 に活動した。関税擁護者たちのトップは、米国通商部が90日かけ て検討する関税除外品目も限定する様に求めている。
しかし、グローバル関税は、同盟国との関係を悪化させ、 貿易相手国が米国との交渉に時間を費やさねばならないリスクがあ る。
今回関税適用から除外された国々は、 彼らの金属輸出が米国の安全保障や関税の合法性に影響を与えない ことを説明したが、それぞれの国が異なったアプローチを取った。
ブラジルとオーストラリアは、彼らの反完成鉄鋼品の輸出は、 米国の産業を助けることはあっても、傷つけることはないとした。 ブラジルのセルジオ・ アマラル大使とブラジル鉄鋼協会のチーフエグゼクティブであるマ ルコ・デ・メジョ・ロペスは、資源が豊富な彼らの国は、 ソリューションの一部ではあっても、 問題の一部では無いと述べた。
ブラジルの鋼板は、 南東部の自動車産業が必要とする最終鋼板を作るアラバマの工場に 供給されている。
同様に、オーストラリアの政府関係者も、彼らの鉄鋼製品は、 主に米国西海岸に提供されているので、 オハイオやペンシルヴァニアの労働者への影響は無いと主張する。
米国の対ブラジル・ オーストラリア貿易収支は黒字になっているが、この点も、 彼らの主張を助けた。
「米国はオーストラリアとの貿易で、貿易黒字を計上しているが、 我々はそれについて不満を表明していない。」 と金曜日にオーストラリアのターンブル首相は述べた。
オーストラリアとEUは共に、 米国との軍事面での同盟関係も強い。イギリスは、 トランプ大統領が今月、米国にとって最も緊密な同盟国と呼び、N ATOのメンバーでもあるが、まだEUの一員でもある。
EUは、米国からの輸出品に報復関税を課すとして脅している。 対象品目には、共和党上院リーダーであるミッチ・ マコーネルのお膝元であるケンタッキー州からのバーボンウィスキ ーや、共和党下院リーダーであるポール・ ライアンのお膝元であるウィスコンシン州からのハーリー・ デイヴィットソン製バイクが含まれている。
3つの国が、米国との別の貿易交渉を行っているため、 対象からの除外を勝ち取った。カナダとメキシコは、NAFTAの 改定交渉を米国との間で行っている。カナダの金属産業は、 米国企業と緊密に連携しており、 米国企業の従業員がカナダの除外を求めた。
韓国もまた米国との貿易協定の改定交渉を行っており、 関税対象国から除外された。韓国は、 中国の鉄鋼の最大の輸入者であり、米国の輸入のトップソースだ。 アメリカの産業は、 中国の鉄鋼余剰品をアジアの外に持ち出すために、韓国を選んだ。
「我々は、韓国政府との合意に近づいている。」 通商秘書官であるウィルバー・ロスは金曜日に述べた。