Only in Japanese. Solo en Japones.
【なかなか面白い記事です。】
日本が、テクノロジーを駆使して農業大国になろうとしていうという興味深い記事が、4月5日の国際面に掲載された。
最先端のテクノロジーを駆使して、人参の種を開発し、海外に輸出しているみかど協和株式会社の取り組みを紹介している。日本政府は、農業を、新幹線やカーボンファイバー素材などと並ぶ、日本の最先端技術として海外に輸出したいと考えているとしている。
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タカギタロウさんは、何百万人ものアジアの人々に食べてもらうために、9種類の人参を開発することを支援している。これは、今日、日本が農業大国になるために、どの様に技術を利用としているかを示す良い例だ。
そのうちの一つ、「アメニー」と名づけられた品種は、消費者を引き付ける明るいオレンジ色で、通常以上のベータカロチンが含まれている。もうひとつの品種である「クリスティーヌ」は円筒形で冷涼な天候にも耐えられる。「エマ」はカビによる病気に強い。
「良い人参の条件は市場によって異なります。」とタカギさんは言う。「フランスではこれが良い人参とされます。」タカギさんは、中ぐらいの長さで、真ん中が少し曲がった人参を持って、付け加えた。「一方、日本では、これが良いのです。」短くてずんぐりして曲がっていない品種だ。
日本の農業は、年間700億ドルの貿易赤字となっているが、安倍首相はこれを新幹線やカーボンファイバー素材などと並ぶ、テクノロジーを駆使した成長産業にしたいと考えている。
タカギさんの世界の人参王になろうとする努力の成果の背景には、お金をかけた研究開発がある。日本政府は、家電の様な昔ながらの技術に依存して停滞した日本経済に、こうした研究開発が新たな息吹を吹き込むことを期待している。
農産物の輸出に成功すれば、日本が米国からの圧力に譲歩して、輸入を増やした場合でも、その影響を緩和することが出来る。ペンス副大統領は、今月日本にも訪問して、経済問題について協議する予定だが、日本に新たな2国間貿易協定において、農産物の関税を引き下げる様に要求してくると予想されている。
日本の農業分野は長い間、高齢の家族が小さな土地で農業を営むという構造だったが、既にハイテクを使った新しい段階へ進もうとしている。
タカギさんの場合は、彼の会社は実際に人参の栽培をしていない。そうではなくて、種の開発をしているのだ。日本はその技術を使ってグローバル市場での存在感を示そうとしている。
過去15年間、彼はみかど協和株式会社というフランス資本の会社で、必死になって人参の研究に取り組んだきた。彼は、結果さえ得られれば、どれだけ時間がかかっても良いと考えている。
人参は、収穫物を全部ダメにしてしまう様な、病気に弱い野菜だ。また、よく知られている様に、地域によって沢山の種類がある。育成家はこうした沢山の特徴を考慮して栽培せねばならないし、その市場に合った人参を育てねばばらない。
タカギさんは、この仕事を始めたばかりの頃は、彼が初代人参王と呼ぶフランス人の人参育成家の下で修業を積んだ。そして、彼は、フランスと日本のハイブリッドを作るために実験を重ねた。
2009年に、彼は中国領内モンゴルの2つの村を訪問し、日本市場向けに開発した種を使って実験を行った。そのビジネスが売れ筋ビジネスとなり、昨年彼が2つの村を訪れると、農民たちは、経済状況が悪いにもかかわらず、彼の人参は高く売れると言ってくれた。内モンゴルでの経験により、みかど協和の種は、河北省、山東省、福建省などの、中国の他の地域へも普及していった。
中国は、世界で群を抜いて最大の人参の生産市場だ。中国の富裕層は日本の農業にとって非常に有望な市場だ。
みかど協和のフランス人CEOであるヴィンセントスピオ氏は、このビジネスの難しい点は、海外の顧客に、日本の優れた技術に通常よりも高いお金を払う様に説得することですと言う。「我々は、我々の人参は、より多くの収穫を生み出し、病気にも強いことを、農家の方々に説明し、だからその付加価値に対して、少し多く支払うように説得せねばならないのです。」と彼は言う。