Sunday, January 31, 2016

** 1月のまとめ **

1月にWSJに掲載された日本関係の記事は、5件と少なかった。日本関係の記事の月掲載回数は、2014年が15件、2015年が9.2件と減少傾向にあるが、日本の国際社会におけるポジションの低下を象徴している様で寂しい。

テーマ別では、政治関係が1件、経済関係が4件だった。

1月29日に日銀が発表した「ゼロ金利政策」は、世界経済に大きなインパクトを与えているが、WSJはこの記事を29日、30日と2日連続で1面で伝え、30日には社説でも取り上げた。金融政策だけに頼る日本の経済政策を疑問視し、規制緩和等による経済活性化を訴えている。30日の1面記事は、世界各国の経済政策を比較して、ゼロ金利政策の効果を疑問視しているが、これだけの内容のある記事が日銀の発表後たった1日で準備出来るのは、さすがWSJだと感じた。

経済関係の4件のうち、3件がゼロ金利政策だったが、残り1件はトヨタ社長が自動運転推進に舵を切ったと言うニュース。この記事も独自取材に基づく力作だ。WSJは一企業にスポットを当てたこうした記事が得意だと思う。

政治関係では、1月29日に公開された日本初のステルス機について取り上げた。日本は、米露中に次いで世界で4番目にステルス機の開発に参入したことになる。WSJは、日本の狙いはステルス機の独自開発よりも、戦闘機開発に関する独自技術を蓄積することにより、国際的な武器開発共同プロジェクトに参加することにあるとしている。

1月の5件の記事から浮かび上がる日本のイメージは、軍事力を強化して地域の安定に寄与しようとしているが、経済政策は中途半端、しかし独自の面白い技術(トヨタの自動運転関連技術、ステルス戦闘機関連技術)を持っているといった感じだろうか。

掲載箇所別では、1面が3件、社説が1件、国際面が1件で、1面掲載記事が多かった。1面で取り上げられたのは「トヨダの自動運転推進決定」「日銀のゼロ金利政策導入決定」で、トヨタや日銀の決定が国際的にインパクトがあるというこどだろう。