Saturday, June 20, 2015

日本銀行は市場との対話の改善を試みる【A9面(国際面)】

6月19日に発表された日銀の運用変更について20日の国際面で速報した。



この記事は、日銀が発表した運用変更の中で「展望レポートの発行頻度を現在の2回から4回に増やす。」点に焦点をあて、今回の変更は市場との対話の改善を図るものだと評価している様に読める。日本の報道では、同時に発表された「政策決定会合を年14回から8回に減らす。」変更にばかり焦点があたり、日銀の発表をネガティブにとらえる報道も多い。WSJは、この回数減についても米国、欧州の中央銀行の回数に合わせた結果であり、グローバルスタンダードに合わせ様とする努力の表れだとして積極的に評価している様に読める。

***** 以下本文 *****

「金曜日に日本銀行は、政策議論に関する情報開示量を増やし、一年間に発行される経済予測の回数を増やすための対策を明らかにした。これらの対策により、金融市場との対話について他国の主要中央銀行と互していく。」
「米国連邦準備銀行や欧州中央銀行と違って、日本銀行は成長や価格に関する主要予測を年に2回しか発行していない。来年1月に実施予定の新たな計画では、レポートは四半期に一回発行される。」
「日銀はまた、政策会議のメンバー全員の予測とリスク評価の開示を開始する。この方法は米国連邦準備銀行がやっている方法と同じだ。」
「『これにより、全ての点において、我々の透明性と情報開示が改善される。』と黒田東彦総裁は、2日間にかけて行われた金融政策決定会合後の記者会見で発言した。」
「同じ日に、日銀はその金融政策を変更しないことを決定している。」
「新しい情報開示に関する発表は驚きをもって受け取られた。日銀は過去に例のない金融緩和政策を推進していて、いかなる政策の変更の憶測も市場に大きな脆弱さをもたらすことになる。」
「しかしながら、日銀は金融政策決定会合の数を現在の年間14回から8回に縮小することも同時に発表しており、複雑なメッセージになっている。この回数変更により、日銀の政策会議の回数は米国連邦準備銀行や欧州中央銀行の回数と同じになる。『会議の数が多いことが、必ずしも良いこととは限らない。』と黒田氏は述べた。」
「日銀の展望レポートは市場の興味を引き、財政政策の決定のトーンを形作る。」
「新しい四半期に一回の展望レポートは、政策決定の発表と同時にリリースされる。現在の仕組みでは、レポートは政策決定の数時間後にリリースされている。」
「新しい政策は日銀が2%のインフレ目標の達成に苦しんでいる中で発表された。」