Tuesday, June 30, 2015

** 6月のまとめ **

6月にWSJに掲載された日本関係の記事はわずか7件だった。このブログの開始以来、本年2月の6件につぐ少なさだ。

テーマ別では、政治関係が2件、経済関係が4件、社会関係が1件だった。

政治関係では、「改正公職選挙法参院通過」「日韓国交正常化50周年式典」の2件。前者の記事では、若者の発言力が大きくなることにより、年金等への大判振る舞いに歯止めがかかることへの、後者の記事では、日韓関係改善への、期待がそれぞれにじみ出ている。

経済関係では、「企業統治改革」「第一四半期GDP改定値」「骨太の方針」「日銀運用変更」の4件。安倍首相が進める企業年金改革、黒田総裁が進める日銀改革を大いに評価すると同時に、安倍首相が第三の矢を放つこと、言い換えれば、個人消費刺激等につながる具体的経済成長策を骨太の方針に盛り込み、それによるGDP成長加速に期待を寄せている。

社会関係では、渋谷区で制定された「同性カップル条例」が取り上げられた。米国では連邦裁判所が同性婚を認める判決を下したが、日本ではこの問題を取り上げる政治家はまだまだ少ないとしている。

掲載箇所では、国際面が6回、社説が1回だった。

今月取り上げられた記事を見ると、改正公職選挙法改正、企業統治改革、日銀運用変更、同性カップル条例制定等、日本では政治、経済、社会制度を変革するための動きが活発に見える。一方で、経済成長を加速させるための第3の矢は放たれないことも指摘している。既存権益にしがみつく勢力に気を使っているのだろう、改革が進んでいるのは、改革しやすい分野だけということか。

Saturday, June 27, 2015

東京とソウルは関係修復を誓う【A8面(国際面)】

6月22日の日韓国交正常化50周年式典の模様を、23日の国際面で速報した。



大変に短い記事だが、前段で22日の国交正常化50周年式典で日韓両国が関係修復を誓い合ったこと、後段で21日の日韓外相会談で日韓首脳会談への期待が表明されたことをコンパクトに伝え、日韓の関係修復への期待が滲み出ている。

***** 以下本文 *****

「日本と韓国は、両国で行われた日韓国交正常化50周年記念式典の場を利用して、両国の関係改善に向けたトップレベルの対話の再開を誓いあった。」
「東京で開催された韓国のユン・ビョンセ外務大臣との会談の中で、安倍首相は韓国のパク・クネ大統領との会談への期待を表明した。」

Saturday, June 20, 2015

日本銀行は市場との対話の改善を試みる【A9面(国際面)】

6月19日に発表された日銀の運用変更について20日の国際面で速報した。



この記事は、日銀が発表した運用変更の中で「展望レポートの発行頻度を現在の2回から4回に増やす。」点に焦点をあて、今回の変更は市場との対話の改善を図るものだと評価している様に読める。日本の報道では、同時に発表された「政策決定会合を年14回から8回に減らす。」変更にばかり焦点があたり、日銀の発表をネガティブにとらえる報道も多い。WSJは、この回数減についても米国、欧州の中央銀行の回数に合わせた結果であり、グローバルスタンダードに合わせ様とする努力の表れだとして積極的に評価している様に読める。

***** 以下本文 *****

「金曜日に日本銀行は、政策議論に関する情報開示量を増やし、一年間に発行される経済予測の回数を増やすための対策を明らかにした。これらの対策により、金融市場との対話について他国の主要中央銀行と互していく。」
「米国連邦準備銀行や欧州中央銀行と違って、日本銀行は成長や価格に関する主要予測を年に2回しか発行していない。来年1月に実施予定の新たな計画では、レポートは四半期に一回発行される。」
「日銀はまた、政策会議のメンバー全員の予測とリスク評価の開示を開始する。この方法は米国連邦準備銀行がやっている方法と同じだ。」
「『これにより、全ての点において、我々の透明性と情報開示が改善される。』と黒田東彦総裁は、2日間にかけて行われた金融政策決定会合後の記者会見で発言した。」
「同じ日に、日銀はその金融政策を変更しないことを決定している。」
「新しい情報開示に関する発表は驚きをもって受け取られた。日銀は過去に例のない金融緩和政策を推進していて、いかなる政策の変更の憶測も市場に大きな脆弱さをもたらすことになる。」
「しかしながら、日銀は金融政策決定会合の数を現在の年間14回から8回に縮小することも同時に発表しており、複雑なメッセージになっている。この回数変更により、日銀の政策会議の回数は米国連邦準備銀行や欧州中央銀行の回数と同じになる。『会議の数が多いことが、必ずしも良いこととは限らない。』と黒田氏は述べた。」
「日銀の展望レポートは市場の興味を引き、財政政策の決定のトーンを形作る。」
「新しい四半期に一回の展望レポートは、政策決定の発表と同時にリリースされる。現在の仕組みでは、レポートは政策決定の数時間後にリリースされている。」
「新しい政策は日銀が2%のインフレ目標の達成に苦しんでいる中で発表された。」

Thursday, June 18, 2015

日本は巨大な債務と戦うことを目標とする【A11面(国際面)】


政府が6月末に発表を予定している「経済財財運営と改革の基本方針(骨太の方針)」について、18日の国際面で取り上げた。



経済成長による財政再建を目指す首相は、自民党から強い要求が出ている歳出額設定を見送る見通しで、日本では成長重視か財政規律重視かで大きな議論になっている。WSJは、安倍首相の成長重視戦略を支持しつつも、その前提となってる3%の経済成長を実現するためには、安倍首相による大胆な政策が必要と言っている様に読める。

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「安倍晋三首相は、日本の予算を5年以内に均衡させる計画を明らかにする予定だ。この動きは、政府がお金のかかる経済再生プログラムを追及しながら、赤字がのしかかる財政を改善しようとする強い意志を示したものだ。」
「政府高官によRば、安倍首相は、来週にも発表される予定の計画案の中で、政府のプライマリーバランスにおいて赤字を無くすという長い間の目標について繰り返し述べる見通しだ。プライマリーバランスとは、税収と政府支出の差から国債金利を差し引いた金額だ。この計画は、日本の負債を縮小するための一歩となる。」
「安倍首相の、財政支出の削減よりも成長による税収増に重点を置いた戦略は、うまく機能している様にみえる。」
「税収は過去3年間で約10兆円(800億ドル)増加した。大手企業の記録的な利益や株価の上昇、昨年実施された消費税の増税、こうした要因が全て寄与している。」
「しかし、日本の国債残高は、国の経済規模の倍に当たる1,000兆円(約10兆ドル)に達しており、他の先進国を大きく上回っている。そんな中、日本のリーダーは、急速な経済成長と債務カットという二つの緊急課題に長い間取り組んできた。」
「安倍首相の予算案は、計画には歳出カットの明確な目標が示されていないとするエコノミストからの批判を浴びている。」
「彼らは、この案は、あまりに楽観的な経済成長と税収予測に依存しているとも言っている。」
「安倍政権は景気刺激策により成長を生み出すことに重点を置いてきた。安倍首相の支持者は、一旦経済が回復すれば、企業利益が増加し、結果として税収が増え、債務が減少すると主張する。」
「安倍首相の赤字削減計画は、今後5年間で経済が名目ベースで平均で年率3%成長するという前提に基づいている。軽いデフレに苦しめられた過去15年間は年率で約0.2%縮小しており、これに比べると非常に高い目標だ。」

議会は選挙年齢を18歳へ引下げる【A11面(国際面)】

17日に参議院を通過した改正公職選挙法について、18日の国際面で速報した。


非常に短い記事だが、今回の改正のポイントを要領よく伝えている。現在の選挙制度が、巨大な国債を生み出した原因のひとつだとしており、今回の改正に賛成している様に読める。

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「投票年齢を20歳から18歳へ引下げる法案が国会を通過した。この法案により、現在の1億4百万人の有権者に加えて、240万人の新たな有権者が加わる。」
「この法案は、来年の参議院選挙から適用されることになるだろう。最後に選挙権が引き上げられたのは、1945年で、その際には25歳から20歳に引き下げられ、女性にも選挙権が与えられた。政治家は、長い間、気前の良い年金で高齢者に媚びてきた。この結果、高齢化が進む中で、債務が膨らみ続けている。」

Tuesday, June 9, 2015

日本は企業支出により浮上する【A9面(国際面)】

6月8日に発表された第一四半期GDP改定値を、翌日の国際面で速報した。


日本のGDPは、予想以上に伸びているが、その主因は活発な企業投資にあるとしている。企業投資増の要因は、将来の需要増を見込んでの積極的投資増がある一方で、国内消費の弱さにより在庫増もあるといったまだら模様だ。そして何よりも個人消費の弱さを懸念材料にあげ、ここが良くならないと、この勢いは長続きしないと言っている様だ。

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「第一四半期に日本は当初予測よりも早く成長していた。企業による投資支出と米国、中国向けの堅調な輸出が、世界第三位の経済の拡大に力を与えた。」
「月曜日に発表された統計によれば、国家の経済活動を幅広くとらえる指標であるGDPは、1~3月に年率換算で3.9%拡大した。この改定値は、暫定値の2.4%に相当する。」

これでGDPは2四半期連続で拡大したことになり、安倍首相にとっては追い風だ。この成長の最大の要因は、大手輸出企業を中心に企業投資が伸びたことによる。企業投資の伸びは、暫定数値では1.4%だったが、改定数値では11%だった。企業投資の伸びには、在庫の増加が貢献している。この要因は、一部の電機メーカーが秋のスマートフォン新製品の発表に備えて在庫を積み上げている一方、自動車メーカーは国内販売の弱さで在庫が積みあがっていたりと様々だ。
ロームは、主に中国向けのスマートフォン用セミコンダクターや自動車部品の需要を見込んで今年は750億円の投資を見込む。清水建設は、オンラインショッピングの伸びを見込んで、新倉庫の建設に600億円の投資を見込む。
しかし、全体的にみると経済はつぎはぎだらけの回復状況にある。エコノミストは、個人消費が伸びない限り、次の四半期は今四半期程の数値は望めないだろうとみている。

「『改定データは、第一四半期のGDPのの伸びは当初予測よりも強いことを示しているが、第二四半期には伸びが鈍化するだろう。』とキャピタルエコノミックスのエコノミストは言う。」
「他国との貿易を幅広くとらえる指標として経常収支があるが、別の統計によれば、日本の4月の経常収支の黒字額は、季節調整前で1兆3260億円に達し、前年同期比で6倍となった。これは、貿易収支の改善と海外投資からの利益によるものだ。」


Thursday, June 4, 2015

日本ではゲイの権利に向けた動きが活発化している【A8面(国際面)】

渋谷区で331日に制定された同性カップル条例が、国際面で取り上げられた。



 この条例は、欧米の様に「人権擁護」の観点から世論が盛り上がって制定されたのでは無く、ただ渋谷区がクールだというイメージを作り出すために制定されたという意味で非常にユニークだと言っている。日本の国会議員の多くは、同性カップルの問題を取り上げる意図が無く、同性婚が認められるまでにはかなりの時間がかかると悲観的に報じている。このままでは2020年の東京オリンピックが、ソチオリンピック(反同性愛者法制ゆえに一部の西側政治家がボイコット)の二の舞になりかねないと警告している様に読める。
長谷部健渋谷区長、安倍昭恵さん、古川俊治議員、南和行弁護士、馳浩議員など、立場の異なる様々な人の取材をベースにしていて読み応えがある。特に同性愛者結婚慎重派の安倍首相と、積極派の昭恵夫人の対比が面白い。

***** 以下本文 *****
この記事は次のような書き出しで始まる。
区議会に同性カップルに象徴的な承認与えるという行為をさせるために必要な理由は、ここでは市民権では無く、国内・海外における区の先端的なイメージだった。」
「『我々は文化の中心として、ロンドン、ニューヨーク、サンフランシスコと同等になりたいのです。』と東京の渋谷区の区議会議員としてこの問題を3年間にわたって推進してきた長谷部健氏は言う。」

長い記事なので暫く要約する。

この春、彼の尽力で制定された条例は、西側諸国で起きている変化が、日本の様な保守的な国にも及んできたことを示している。婚姻を管理する国のレベルでみると、日本の議会や司法は、先月アイルランドで実施された様な国民投票を行う計画は無い。しかし区のレベルで制定されたこの条例により、同性カップルは渋谷区から証明書を受領することが出来る。この受領書によって、同性カップルは、例えば家族用の公団への入居がしやすくなる。多くの活動家は、この条例は、長い間無視されてきた同性愛者への差別問題を公に議論するきっかけになったという意味で画期的な一歩だとする。渋谷区以外の3つの市町村が同性カップルの承認を検討しており、保守的な新聞である産経新聞とフジテレビの世論調査によれば、国民の54%が同性カップルの結婚を支持している。

長谷部氏は、元広告代理店勤務だが、この問題を人権問題として取り上げることを避けるにより、区議会と対立することを避けてきた。「私は議会に対して、我々渋谷区だけが、こんな大胆なことが出来るのだと訴えました。」と43歳の長谷部氏はインタビューで語った。人口20万人の渋谷区はストリートファッションや若者文化で有名だが、同性愛者の地域だとは考えられていない。

保守的な安倍晋三首相の妻である昭恵さんも同性愛者のサポーターとして知られている。彼女は、ファーストレディーとしては初めて、昨年のレインボーウィークに出席した。彼女はインタビューで「人々はもっとこの問題についてオープンであるべきと思います。私の周りにも驚くほど沢山の同性愛者がいます。」と述べた。日本の政治環境は、また彼女の様な立場の人がこうした問題で指導的立場になることを許していない。今年の同性愛者パレードは安倍夫妻がアメリカに向けて旅立つ日に実施されたため、昭恵さんは欠席した。

条例が議会を通過した翌日の41日に安倍首相は野党議員に同性カップルの結婚は法制化されるべきかと尋ねられ「憲法は婚姻は両性の合意によってのみ成立すると述べている。この問題は慎重な議論が必要だ。」と述べた。家族の絆特命委員会の古川俊治会長は同性結婚の強い反対者だ。彼は、同性愛者のことを一種の精神異常者と呼び、法制的もしくは制度的に認めるべきものではないとする。

渋谷区の動きに刺激されて、30名の国会議員が超党派の議員連盟5月に立上げ、同性愛者差別の問題を調査したり、2020年のオリンピックでこの問題が国際的にどうみられるかを調査してりしている。ロシアの反同性愛者法制に反対して、数名の西側諸国のリーダーが昨年のソチオリンピックへの出席を見送った。

この記事は次のようなコメントで締めくくられている。
「同性愛者の権利を専門とする弁護士である南和行氏は、日本では伝統的な家族観への変化のスピードは遅かったと言う。彼によれば、女性の権利擁護グループが、結婚後に女性が旧姓を名乗ることを禁じた法律を変えるだけで30年もの長い間戦わねばならなかったのだ。」
「新しい議員連盟のリーダーであり、自民党国会議員である、馳浩氏は、法制化の計画は無いと述べた。」

Wednesday, June 3, 2015

安倍首相が覆す日本株式会社【A16面(社説)】

安倍首相が推し進める企業統治改革を支持する意見が、社説に掲載された。


この記事によれば、日本企業は時価総額の平均約20%相当もの現金を手元に置いているそうだ。こうした現金を果敢に将来のために投資せねば、経済成長が望めないことは、既に国民のコンセンサスになっていると思う。安倍首相の推し進める企業統治改革が、臆病な経営者の背中を押してくれることを期待する。
(この記事は、ほぼ同じ内容の記事がWSJ日本語版に掲載されていたで、以下の和訳はそこから拝借させて頂きました。)

***** 以下本文 *****

「日本は変化に抵抗することが多い。そうかと思うと一斉に変化を受け入れる。東京証券取引所は1日、上場企業の経営規範を定めた企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)の適用を始めたが、これもその一例だ。企業の生産性向上とその価値の解放を目指す安倍晋三首相の取り組みが、『日本株式会社』の古い慣行を覆しつつある。」
「数十年にわたり、政官業の支配体制が少数株主の権利に対する要求を妨げてきた。日本企業は短期的利益を求める投資家の干渉を無視できたため、より良い戦略的決断を下すことができたとされる。経営者は、主に終身雇用の従業員の利益を守るために企業を個人的領土のように経営してきた。」
「高度成長期には、これは大した問題ではなかった。巨額の設備投資に経済的合理性があったためだ。しかし1990年代初めにバブルがはじけると、体制のもろさが露呈した。経営者たちは不採算事業を切り捨てることなく、その資産にしがみついた。そして日本経済は停滞した。」
「日本が最悪の『死に体』企業を一掃し、銀行システムを再生させるまでに10年以上かかった。だが企業が投資や賃金引き上げを行わずに現金をため込んだため、日本経済は回復しなかった。」
安倍政権は、日本企業に再編や投資を強いる方法として企業統治指針を採用した。指針によると、取締役会は経営から独立した社外取締役の選任や透明性の向上を順守することが求められており、守らない場合には理由を説明する必要がある。」
「指針には法的強制力がないため、米国人には手ぬるく聞こえる。しかし、政府が道徳的勧告の手段として指針を使っていることもあり、実効性を持つ兆しが見える。日本では法律の条文よりも社会的な意味合いのほうが重要なことがしばしばあり、企業の一部が新たな指針に敬意を払っていることは良い兆候だ。」
「日本株式会社が実際に変わりつつあることを示す一つの例が、物言う投資家(アクティビスト)への対応だ。ブーン・ピケンズ氏は1989年、トヨタ系列の小糸製作所に改革を強要しようとして日本で嫌われ者となった。最近ではダン・ローブ氏率いるヘッジファンド、サード・ポイントが、少し開いたドアを押し広げようとしている。秘密主義で知られるロボットメーカーのファナックは5月、サード・ポイントに屈する形で配当性向を2倍に引き上げるとともに、機動的に自社株買いを実施すると決めた。ファナックをはじめとする企業は、改革を受け入れた後、株価が上昇している。」
「まだ道のりは長い。日本企業は時価総額の平均約20%相当の現金を手元に置いている。野村証券によると、株式持ち合いの比率は11%と過去最低水準だが、他の主要市場と比較すると高く、自己資本利益率(ROE)を押し下げている。無能な、あるいは怠慢な経営者は決まって説明責任をかわす。」
「とはいえ、今が転換点に見える。日本の企業トップは、人口の高齢化に伴って貯蓄が減少することを認識する必要がある。つまり企業は外国からの投資を呼び込んだり、新しい市場を求めて海外に出たりする必要があるということだ。どちらの場合も、世界基準で見た最善の企業統治手法が求められる。」
「われわれは数十年にわたり、公的債務をまかなう唯一の方法として経済成長を追求するよう日本政府に求めてきた。公的債務の対国内総生産(GDP)比は今や200%を超えている。安倍氏は成長こそが政権の戦略だと率直に表明している。日本株式会社の改革を阻む財務省官僚の抵抗を克服するために安倍氏がすべきことはまだあるが、企業統治の改善は注目に値するスタートだ。」