Wednesday, October 8, 2014

ノーベル物理学賞は、日本でLEDの研究を行った3人に贈られた【A14面(国際面)】

日本生まれの3人がノーベル物理学賞を受賞したニュースが国際面で報道された。




この記事は次の様な書き出しで始まる。
「日本生まれの3人の科学者が青色発光ダイオードの発明によりノーベル物理学賞を受賞した。青色発光ダイオードは、白熱灯に代わる、非常に効率的な光源を作り出すことが出来る。」
「ノーベル賞は、名城大学、名古屋大学の赤崎勇氏、名古屋大学の天野浩氏、今はアメリカ人でカリフォルニア大学サンタバーバラ校の中村修二氏の3名に送られた。3人は、受賞につながった研究を日本の研究所で行った。」


長い記事なので暫く要約する。

20世紀は白熱灯の時代だったが、21世紀はLEDの時代になる。LEDは既に携帯電話、コンピュータのスクリーン、テレビ、カメラ等に使われている。ランプ、白熱灯、蛍光灯という軌跡は20世紀の進歩を物語っている。こうした電灯に世界の電力の1/4が使われている、効率の良いLEDは大進歩だ。LEDは白熱灯の100倍長持ちし、蛍光灯の様に水銀を必要としない。あまりエネルギーを必要としないので太陽光でも稼動可能で、電気にアクセス出来ない15億人の人々が電灯にアクセス出来る様になる。

LEDはダイオードの一種で、電気が走った時に光を放つ。赤と緑のダイオードは50年前から存在し、青のダイオードさえ見つかれば、白い光を作り出すことが出来た。多くの研究者が30年ほど集中的に努力をしたが、青色ダイオードは作れなかった。これに風穴を開けたのが、赤崎氏と天野氏だ。1992年についに青色ダイオードを作ることに成功したのだ。中村氏は、赤崎氏、天野氏とは別行動をとったが、やはり青色ダイオードを作ることに成功した。彼は、東亜との訴訟で、その発明への追加支払いを認めさせたことでも有名だ。

この記事は、次の様なコメントで締めくくられている。
「後に3人は一緒に研究を行い、ブルーレーザーを発明する。ブルーレーザーの重要な要素は砂粒程の大きさの青いLEDだ。」
「最も効率の良い電灯では、電灯に放たれた一つの電子が、光の粒子である光子を発散する。現在のLEDはまだ50%の効率性しかない。」

ニューヨークタイムズは、「2人の日本人と1人のアメリカ人」と表記したそうだが、WSJは見出しでは「日本で研究した3人」、本文では「日本生まれの3人」と表記している。