Wednesday, January 23, 2019

日米関係が揺らぐ中プーチン大統領は日本に接近【A6面(国際面)】

22日午後安倍首相はクレムリンで会談したが、WSJはこのニュースを翌日の国際面で速報した。



【要約】 ロシアは、日米関係が悪化する中、北方領土問題をエサに日本に接近し、日本との政治的な関係強化を狙っているとしている。「プーチン大統領と安倍首相との会談はこの3ヶ月で3回目」だとし、トランプ大統領の対日強硬姿勢に乗じて、プーチン大統領が日本に急接近していることに危機感を表している様に読める。

***** 以下本文【WSJ記事全文の和訳】 *****
ロシアは70年間未解決の領土問題を利用して日本に接近しているが、この狙いは、ロシアにとって非常に価値のある成果を得ることにある。それは、同地域で米国の最大の同盟国の1つである日本に政治的に食い込むことだ。
ロシアのプーチン大統領は日本の安倍首相とモスクワで会談した。この3ヶ月で3回目の会談となる。しかし安倍首相にとって念願の北方領土問題解決の可能性は極めて低いままだと、専門家はみている。
「戦後70年にわたって未解決のこの問題を解決することは簡単ではありません。」と火曜日のプーチン大統領との会談の後、安倍首相は語った。
「ロシアの幹部は、この問題を未解決のままにしておいて、日本との交渉に利用することが、ロシアに有利に働くと考えている。」と東京のテンプル大学の日ロ関係専門家のジェームズ・ブラウンさんは言う。
ここ数年、プーチン大統領は日本と会談するたびに成果を収めてきた。ウクライナ紛争後のG7諸国によるロシアへの制裁の際も、日本の制裁はG7の中で最も弱いものだったし、昨年ロシアのスパイであるセルゲイ・スクリパル氏とその娘がイギリスで毒殺された際にも、日本はG7の中で唯一外交官を引き揚げなかった。
会談は、日米関係が非常に不透明になる中で行われた。
安倍首相はトランプ大統領のご機嫌を損なわない様に振る舞ってきたが、トランプ大統領の貿易に関する不満によって、日米関係は悪化している。
ロシア政府報道官であるドミトリー・ペスコヴ氏は今週、早急な解決は期待出来ないと述べた。北方領土の所有権問題により、ロシアと日本は第二次世界大戦後の平和条約を締結出来ないままでいる。会談後、プーチン大統領も安倍首相もこの問題に進展があったか明らかにしなかった。