Tuesday, January 8, 2019

ゴーン氏は陳述書で無罪を主張【A1面】

8日、ゴーン容疑者氏が公開の法廷に姿を見せたが、WSJはこのニュースを同日の1面で速報した。日本のメディアも追い越し、世界で最も早く報道したらしい。


 出廷時のゴーン氏の様子について、「彼は、手錠をかけられ、腹の周りをロープで縛られ、サンダルをはかされていた。」とし、日本の司法制度が前近代的であることを印象付るけ一方、ゴーン氏は、いわゆる「死のテスト」などを引用して、論理的に、彼の容疑を否定したことを伝え、非論理的な検察と論理的なゴーン氏を浮き彫りにしている。また、ゴーン氏は、GMやフォードから高額の報酬でリクルートされたが、日産の立て直しを優先して、これらのオファーを断ったことも報じ、ゴーン氏が日産への忠誠心が高かったことも示唆している。

***** 以下本文*****
スケッチにある様に、ゴーン元会長は出廷し「私の容疑がいわれのないものであることを明らかにしたい。」と述べて、検察に反論した。これは、彼が1ヶ月以上前に逮捕されて以来、初めての公の場での発言だ。
64才のゴーン氏は、自動車業界で最も有名な経営者の1人だ。彼は手錠をかけたまま東京地裁に入ったが、以前に比べて痩せて、白髪が増えた様に見えた。そして、彼の経歴を台無しにした容疑について、11つ否定していった。
彼は、報酬について適切に報告したと述べた。そして、支払いを遅らせることによって数千万ドルもの報酬を隠そうとしたという疑惑について否定した。また、日産に友人に対する支払をさせたのは、ビジネスの対価を支払うためで、自分の金銭問題を補填させるためではなかったとも述べた。
「私は、根拠のない告発によって不当に非難され、不当に拘束された。」と弁護人によって明らかにされた意見陳述書の中で彼はで述べた。彼は法廷でもこの意見陳述書を読み上げた。
ゴーン氏の弁護人は、日本国憲法によって保障されているゴーン氏の拘留理由を知る弁護人の権利について言及し、勾留理由の開示を東京地裁に請求した。勾留理由開示の手続きの中で多田裕一裁判官は、証拠隠滅や逃亡の恐れがあると理由を開示した。「拘留の必要があると判断した。」と多田裁判官は述べた。
ゴーン氏は、1119日に逮捕され、東京拘置所へ送られた。彼の共犯者とされる日産元取締役ケリー氏は、クリスマスの日に保釈された。ケリー氏は疑惑を否定した。
ゴーン氏は、日本時間午前10時半に、黒いスーツでネクタイは付けずに法廷に入った。彼は、手錠をかけられ、胴回りをロープで縛られ、サンダルをはかされていた。
裁判所によれば、14人の一般傍聴人の定員(この中にマスコミは含まれていない。)に対し、1,000人以上の人々が傍聴のため入廷を希望した。
ゴーン氏は、1210日に日産の財務報告書に報酬を正確に申告しなかった罪で起訴された。検察は、ゴーン氏は報酬の1部を後払いとし、意図的に報告しなかったとみている。
ステートメントの中で、ゴーン氏は、将来の支払いについての話し合いは続いていたが、契約が確定するまでは、日産は彼にいかなる支払もする義務はない。契約は確定していないと彼は述べた。日本の法律では、金額が明確になった時点で、報酬を開示する必要が生じる。
彼は「死亡テスト」と言われているものを引用した。つまり、もし彼が今日死んだとしたら、彼の相続人が日産に対して、彼の退職慰労金以外の金額の支払いを求めることができるかということだ。「答えは明らかにノーだ。」と彼は述べた。
ゴーン氏は、また、金融危機の際に、ゼネラルモーターズから勧誘を受けたと述べた。また、フォードからもリクルートされたとも述べた。但し、こうしたオファーを彼は受けなかった。彼の正当な報酬額のベンチマークとして、彼はこの2社を使っていた。
この報酬についての疑惑に加えて、検察は、ゴーン氏を特別背任罪の疑いで調べてきた。特別背任罪とは、経営幹部がその地位を利用して私服をこやすことを意味する日本の法律に規定された犯罪だ。