Monday, May 7, 2018

搾乳ロボットが日本の効率性を向上させる【A7面(国際面)】

日本では、搾乳ロボットの導入が進んでいるとの記事が、7日の国際面に掲載された。


 ここ2-3年で日本の搾乳ロボットの数は倍増し、500台を超えた。日本の農民の労働生産性は、米国の1/40以下と極めて非効率だが、ロボットの導入によって改善が見られるとしている。人口減少に苦しむ日本ではあらゆる分野でロボット化、IT化が進んでいると伝えている。

***** 以下本文*****
加藤農園では、搾乳の時間だ。しかし、ホルスタインがゆっくりと檻に歩いて行くとそこには誰もいない。ロボットが4つの腕を駆使して、乳首
に搾乳チューブを取り付けるのだ。その間、乳牛は美味しいものを食べて楽しんでいる。10分以内に、次の乳牛の順番となる。
加藤農園は約200万ドルを投資して、搾乳する23万ドルのロボット2台と18千ドルの餌をやるロボットを駆使した授乳小屋を作った。北部の島である北海道では、平坦な農園がグリッドの様に広がっており、日本の本州よりも、ウィスコンシンに似ている。ここでは、ここ数年で、数百台ものロボットが導入された。人間の助けを期待するのはほぼ不可能だから。
「我々は、生活の仕方や仕事の仕方を変えねばなりません。」と67才の加藤ケンイチさんは言う。彼は、40年以上前に、3頭の乳牛で彼の農園を開設した。「酪農にロボットは適用できないという人もいますが、そんなことではどうしようもありません。若い人は絶対に来ないのですから。」
エルシーさんを搾乳するロボットを取得するのは、日本を救うかもしれない投資の一つだ。日本は、人口減少に対処するのに苦労している。しかも、現在働いている人々についても問題がある。OECDによれば、日本人は米国人に比べて、平均して2/3 の効率しかない。
農業はそうした中でも最悪だ。東洋大学のエコノミストであるタキザワ・ミホ氏によれば、米国の農民は、日本の農民に比べて40 倍以上効率が良い。
規模が大きな理由だ。日本の平均的な水田は数エーカーだ。一方、米国のコーンや麦の畑は、数千エーカーあり、超効率的なコンバインを使っている。
いまや、労働者不足により、日本のあらゆる規模のビジネスが、ロボットやITへの投資を余儀なくされている。そうした動きによって、宅急便の配達や回転寿司屋で注文をとったりするなどの、日常的な仕事がスピードアップされる。
もし、日本の企業に何に投資しているかと尋ねれば、「全てIT投資です。人間を機械に置き換えるための投資です。」という答えが返ってくるだろうと、ゴールドマンサックスのストラテジストのキャシー・マツイ氏は言う。
日銀によれば、企業のソフトウェアの投資によって、労働生産性は向上している。労働生産性は、過去2年間向上し、今年は8.1%向上することが期待されている。
酪農家は、長い間搾乳機に依存してきたが、そうした機械を使っても多くの手作業が必要だ。
全ての仕事をこなす搾乳ロボットは、1990年代に最初は欧州で導入された。北海道の企業であるコーンズAG社のニシムラ・マサコ氏によれば、ここ2-3年で、日本で使われているロボットの数は倍増し、500台を超えた。同社は、加藤さんが使っている機械を輸入した。その機械はオランダのメーカーであるLely International社のものだ。
より大規模に、より効率的になろうとする農民たちは、政府の補助金を使って、半額で搾乳ロボットを入手している。搾乳ロボットはトラックほどのサイズだ。搾乳前に、ロボットは乳牛の下に入り込み、その乳房を洗浄する。チューブは、ミルクを冷蔵庫へと運ぶ。機械はまた、乳牛のIDを耳についたタグから把握し、それぞれの乳牛からの製品の情報に格納する。
加藤農園では、追加の人手なしに、これまでの倍の乳牛を飼っている、加藤さんの息子のマサハルさんによれば、4年前にロボットを導入するまでは、毎日、朝4時から夜9時まで働いていた。今では、ロボット小屋にいる乳牛たちに必要なのは、日に3-4時間の世話だけだ。彼は、午後6時半から7時には帰宅することが出来、夜に5人の子供たちとの時間を楽しむことができる様になった。
ロボットによって、加藤一家は、牛乳以外のものも作れる様になった。マサハルさんの妹のヨシエさんはチーズを作り、札幌空港を含む北海道の複数店舗で、加藤農園のブランドで販売している。
彼女は、市から借り受けたチーズ工場で働いているが、1年以内に加藤農園の土地に自分の工場を作ろうと考えている。そこで彼女は、加藤農園からの牛乳で、チーズやバター、その他の乳製品を作ることができる。
「新工場では、自動化できることは、できるだけ自動化したいと思います。」と彼女は言う。しかし、品質管理の最終工程で、味を試し、匂いをチェックし、外観を確認するのは人間でなければなりません。