Wednesday, November 15, 2017

中央銀行のトップが景気刺激策を擁護【A7面(国際面)】

世界の主要中央銀行4行のトップが14日、フランクフルトに集まり政策の伝え方について話し合ったが、WSJは翌15日の国際面で速報した。


この会議では、日米欧英の各中央銀行のトップがその政策の正当性を訴えたとしている。それぞれのトップの主張について概要を報じているが、日銀黒田総裁の発言に、米国連邦準備銀行のイエレン総裁に次ぐスペースを割いて報じている。

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世界で最も重要な4カ国の中央銀行のトップが、それぞれが推進する経済危機克服のための金融政策の正しさ主張した。この4人が一同に会するのは極めて珍しいことだ。彼らは、彼らの発言自信が、重要な政策手段になることを議論した。
米国連邦準備銀行、欧州中央銀行、日本銀行、英国銀行のトップは、全員が2年以内にその任期を終える。彼らは、近年、政策決定がより複雑化する中、言葉によるコミュニケーションに重きを置いてきた。
連邦準備銀行のジャネットイエレンの任期は2月に完了する。それは、先進国を経済危機から脱出させるために、先頭に立って指導してきたバンカー4人の中で最初の任期完了となる。彼らは、これまでになかった政策を使って、実験することを厭わない姿勢を共有してきた。そして、時に、緊密に連携してきた。
4人は全員、彼らの行動に対して、政治的な抵抗に直面した。
イエレン氏は、昨年の大統領選の中でドナルドトランプからの批判に直面した。彼女は、1970年以来、再選されない初の議長となるだろう。トランプ氏は、大統領選の直前に、金利を低く抑えることによって、政治的に振舞っているとして、イエレン氏を批判した。連邦準備銀行は、昨年、1度しか金利を上げなかったが、当初は数回上げることを示唆していた。
イエレン氏は、火曜日にフランクフルトで開催された、欧州中央銀行主催の中央銀行コミュニケーション会議で、連邦銀行はその金利設定において政治的な配慮はしていないとして、自らの実績を強調した。「市場に参加している人たちは、連邦準備銀行が常に関与するよりも、政策が確実に実行されることの方を望んでいる、」
欧州中央銀行のマリオドラギ総裁は、同銀行が推進する超低利政策が預金者や年金生活者を苦しめているとの批判にさらされてきた。ドラギ氏は、火曜日に、ドイツのメディアの一部は、読者に事実と異なった報道をしていると主張して、反撃した。
欧州中央銀行の政策が機能しているという兆候がはっきりと見えるにつれ、EUの幹部は先週、欧州の今年の経済成長予測を2.2%に引き上げた。これは、ここ10年で最も早いペースだ。
日本の経済も同様に、ここ10数年で最長の経済成長を記録している。また、価格も上昇している。但し、日銀が目標とする2%のインフレ目標を下回ってはいるが。
日銀は、弱いインフレと成長から脱却することを中心に努力してきた。日銀の黒田総裁は、火曜日に、2016年に導入したゼロ金利政策も含め、彼の実績を強調した。「日銀の強いコミットメントがある程度機能してきた。」と彼は主張した。
黒田氏の任期は2018年の4月に完了する。安倍首相は今月、日銀総裁の選定については白紙だと述べた。またその一方で、黒田氏の能力は高いと認め、日銀が経済状況の改善に貢献したとして賞賛した。しかし、安倍首相の側近の数名は、新たな候補を擁立する様に助言している。73歳の黒田氏は、その意向を公にはしていない。彼は、後継者も、容易に彼の推進してきた政策を継続できると発言した。
英国銀行のマークカーニー総裁の任期は、2019年6月に完了する。彼は、英国がEUから離脱することの経済への影響について懸念を表明してきたが、英国の政治家の一部から、政治的な発言だとして批判にさらされてきた。カーニー氏は、火曜日に、ある程度の移行期間が、英国のEU離脱のインパクトが英国経済に与える影響を和らげられるとする従来の主張を繰り返した。