Monday, November 6, 2017

トランプ大統領は貿易不均衡問題で日本に圧力をかける【A6面(国際面)】

11月6日朝に、トランプ大統領は駐日米大使公邸で演説し、対日貿易赤字に不満を示したが、WSJはこのニュースを同日の国際面で速報した。


三菱UFJファイナンシャルグループ、ホンダ、ソフトバンクなどのトップが出席する会合で、貿易不均衡を批判したとしている。WSJは、TPPから離脱し、日米の2国間協定の締結を追求するトランプ氏の姿勢に批判的で、この記事からもそうしたニュアンスが読み取れる。

***** 以下本文 *****
トランプ大統領は、貿易について日本はここ数十年にわたって一方的に勝ち続けており、交渉は自分が考えるスピードで進んでいないと述べ、日本に対し2国間協定を強く迫った。
トランプ大統領は、月曜日に東京の駐日米国大使公邸において、日本との貿易は米国にとって公正ではないし、市場も開放されていないと述べた。しかし、2国間の経済関係の将来については楽観的に見ているとも付け加えた。
「日本との貿易は、自由ではないし、相互的でもない。しかし、将来的にはそうなると思う。」とトランプ氏は述べた。「我々は話し合いを始めたが、長くかかり過ぎている。両国にとって公正な貿易協定や貿易の考え方について合意することが出来ると思うし、実際そうすることが両国にとって良いことだ。
昨年の米国の物品とサービスの対日貿易赤字は、2015年同様、700億ドルに上る。大統領は、それをどの程度まで削減したいか、明確に述べなかった。
「過去数十年にわたって、日本が勝ち続けてきたということに、私は触れざるを得ません。」とトランプ氏は述べた。「貴方たちは、そのことを認識していないのだ。」
トランプ大統領も日本の安倍首相もその親密な関係について協調した。2人の首脳は、いまや、日本と米国の両国でゴルフをしたのだ。しかも、10回以上電話で話をしている。2国間の貿易交渉はその友情を壊してしまう可能性があると、外交関係委員会の日本研究シニアーフェローのシェイラ・スミス氏は言う。
「安倍首相がトランプ大統領との間に築いてきた良好な関係を、貿易問題が一気に吹き飛ばしてしまうのではないかという懸念がある。トランプ政権が本当に求めていることは何なのかという点について、日本国内では多くの人が悩んでいる。」と彼女は述べた。
日本は、米国とアジア諸国を結びつける貿易協定であるTPPの強力な推進者だった。トランプ大統領は、今年、米国をTPPからの離脱させてしまった。
月曜日にトランプ氏は、「2ヶ国間の貿易協定は、TPPの下でのいかなる国との貿易よりも大きな額も貿易を日米間にもたらすだろう。私は、このことをはっきりと申し上げることが出来る。」と述べた。
そして、トランプ氏は、素早く付け加えた。「この部屋にいる人は多くの人は私に賛成しないだろうが、最終的には私が言っていることが正しいことが証明されるだろう。
TPPは、日本の農業市場を開放するはずだった。そして、規制でがんじがらめの知的財産市場も開放し、医薬品やテクノロジー企業に利益をもたらすはずだった。アジア太平洋地域における中国の影響力に対抗するための経済ブロックが確立できるはずだった。しかし、超党派の人々が、協定は、米国の産業保護や雇用創出について、十分に考慮していないと批判している。
三菱UFJファイナンシャルグループの平野信行CEOホンダの八郷隆弘社長、ソフトバンクグループの孫正義CEOなどの日本のビジネスマンが、トランプ大統領とのこの打合せに出席した。
米国側からは、ロッキードマーチン・ジャパンのチャック・ジョーンズCEO、イーライ・リリー・ジャパンのパトリック・ジョンソン社長、ボーイング・ジャパンのブレット・ゲリー社長らが出席した。
トランプ氏は、月曜日の午後に、ワーキングランチと安倍首相との会談を予定している。彼はまた、日本政府が北朝鮮に拉致されたと主張している人達の家族と面談し、安倍首相との記者会見に臨む。二人の首脳は、夜には晩餐会に出席する。
不透明さが伴う会談を前にして、二人の大国のリーダーは、明るい見方を示した。
東京・銀座のうかい亭での安倍首相との会食の前に、トランプ大統領は「我々の関係はとても素晴らしい。」と述べた。「日本と米国の両国がお互いのことを好きな様に、私と安倍首相はお互いのことが大好きだ。そして、今ほど、日本と米国が緊密になった時は、かつてなかったと思う。」
大統領は、火曜日の朝、、日本を発って韓国へ向かう予定だ。10日間のアジア歴訪で5ヶ国の訪問を予定しているが、その2ヶ国目となる。
トランプ氏は、週の後半には中国を訪問する。今回の彼の歴訪は、ベトナムとフィリピンでの多国間会議で終了する。
トランプ氏は、ロシアのプーチン大統領と東南アジアで会う予定だと語った。
「我々は、プーチンと会う予定だ。」とトランプ氏は、日本の首都に着陸する前のエアフォースワンの機内で、記者団に対して語った。「我々は、北朝鮮問題について、プーチンの支援が欲しい。そして、我々は色々な国の首脳と会う予定だ。」
ホノルルから東京へ向かう機内で、トランプ氏は、北朝鮮への圧力の優先度が高いと述べた。彼はまた、アジアにおける米国の貿易赤字削減に向けた対応をしたいとも述べた。
米国務省の高官は、米国は日本に対し、北朝鮮問題についての他の国々へのロビー活動を強化する様に求めるだろうと述べた。
「日本は、我々と歩調が完全に合っている。従って、他の国々に求めるのは、向きを変え、広がり、他の国々にも同一歩調を取る様に求めることだ。そのことが、各国の首脳との会話の中心となるだろう。」とその高官は述べた。