11月7日の安倍首相とトランプ大統領の共同記者会見について、 WSJは同日の国際面で速報した。
会見の中で、トランプ大統領が日本に対して、 防衛装備品の購入を迫ったことを報じ、 その要求に安倍首相が積極的に応じたことを併せて報じている。 貿易問題については、安倍首相がトランプ大統領が求める2国間協 定を容認しつつも、米国がTPPに戻ってくることに期待を滲ませ たとしている。北朝鮮問題については、2国間に大きな差異は無い としながら、 トランプ氏の挑発的な発言と安倍首相の節度ある発言を対比的に引 用している。
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トランプ大統領は、 日本に大量の防衛装備品を米国から購入する様に迫った。 それにより、日本は北朝鮮のミサイルを撃ち落せるとした。 ここ数ヶ月の間に北朝鮮は日本上空に向かって2発のミサイルを発 射した。
「それにより、私たちは沢山の雇用を得ることが出来るし、 日本は大きな安全を得ることが出来る。」 と月曜日に行われた安倍首相との記者会見でトランプ氏は語った。
これに応えて、 安倍首相は米国からもっと武器を購入したいと語り、 最新鋭攻撃機増強やミサイル防衛システムアップグレードの計画に 言及した。「我々は、 日本の防衛システムを量的にも質的にも増強しなければならない。 」と彼は語った。「我々は、 米国から更に購入することになるだろう。」
2人の首脳は、緊密に過ごした2日間の日程を、 赤坂迎賓館での記者団への会見で締めくくった。赤坂迎賓館は、 日米首脳の会談が何回か行われた場所だ。2人は何回も食事を共に し、ゴルフをし、公式会談を行った。
記者会見の冒頭、両首脳はお互いを賞賛しあった。安倍首相は、 両国を「揺るぎなき同盟」とし、トランプ氏と一緒にいると「 時間が経つのを忘れる。」と述べた。米国大統領は、2人の関係を 「特別な」関係とし、「2つの国の首脳がかつてこれ程までに緊密 な関係になったことはない」と付け加えた。
しかし、2人の間には明確な違いもあった。特に貿易についてだ。 安倍氏は2国間の貿易問題について交渉を進めることに賛成したが 、一方で、日本と米国のリーダーシップのもとで、TPPやそれに 類似した貿易協定が復活することに期待を滲ませた。
TPPは、日本の農業市場を米国に解放しただろう。また、TPP に盛り込まれた知的財産ルールの強化により、 薬品やテクノロジー関連企業は利益を得ただろう。そして、TPP は中国の影響に挑戦するための経済ブロックの確立も目指していた 。しかし、米国産業の保護や、 雇用の創設などに十分な配慮がされていないと批判する人もいた。
トランプ氏は、大統領就任直後に、 米国をこの他国間貿易協定から撤退させた。 その代りにより多くの国々と2国間協定を結ぶことに興味を示した 。
「トランプ大統領と私は、日米2国間の貿易だけでなく、 アジア太平洋地域全般の貿易及び投資に関する高い基準を作るため に、道を開いて行く。」と安倍氏は述べた。
2人の首脳は、北朝鮮については、より近い見方を示した。 トランプ氏は北朝鮮を現代世界に対する脅威とし、 再び軍事的行為の可能性を排除しなかった。「過去25年間、 弱い言葉を使うことによって何か起きたか見てみろ。今、 我々の状況がどうなったか見てみろ。」
大統領は、金正恩に対し、 北朝鮮が拉致した日本国民を戻す様に要求した。
「もし金正恩が彼らを戻したら、 それは大きなシグナルとなるだろう。」とトランプ氏は述べた。「 それは、何か特別なことの始まりとなるだろう。」
2014年、北朝鮮は日本との和解の中で、 拉致問題を調査する委員会を立ち上げると発言した。しかし、 北朝鮮は、日本の「悪意」を非難して、2016年にこの委員会を 解散した。
安倍首相は国際社会に対して、「最大限の圧力」 を北朝鮮にかけるように呼びかけた。
「誰も紛争を望まない。私も望まないし、トランプ氏も望まない。 」と安倍氏は述べた。「しかし、 北朝鮮は国際社会に対する挑発を続けている。従って、我々は、 彼らがその政策を変更する様に、協力していく必要がある。」
トランプ氏は、アジア5ヶ国を歴訪中だが、 火曜日に韓国へと向かった。その後、中国、ベトナム、 フィリピンを訪問予定だ。