8月29日の北朝鮮によるミサイル発射を受けて、 日本で防衛力強化に向けての議論が高まっているという記事が、9 月1日の国際面に掲載された。
小野寺防衛大臣は、追加防衛予算として16億ドルを要求したが、 そもそも日本のミサイル防衛システムは、 北朝鮮から複数のミサイルが同時に発射された場合に対応出来ない という意味で不十分。 そのためにイージスを地上配備するという今回の要求は合理的とし ている。日本国民は、米国が押し付けた平和憲法を尊重して、 防衛費増強には及び腰だが、日本の防衛費はGDP比1%程度で、 米国の3%に比べて低い。その上、米国は54,000人もの米国 軍人を日本に常駐させられ、 非常時には日本を防衛する義務まで負っており、 不公平と言っている様にも読める。いずれにしても、2018年度 防衛予算に含まれるF35戦闘機や、今回要求するイージスは、 いずれも米国のロッキード・マーチン社の製品で、その意味でも、 日本の防衛予算増強の議論は歓迎している様に読める。
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北朝鮮が日本の北部上空に向けてミサイルを発射してから2日が経 過したが、日本の防衛省は、 新しいミサイル防衛技術を取得するために、16億ドルの予算を要 求した。この技術には、 北朝鮮が潜水艦から発射したミサイルを迅速に発見可能なレーダー や、ミサイルを高い高度で撃ち落とせる兵器などが含まれている。
北朝鮮のここ数年の急速なミサイル開発と頻繁なミサイル発射テス トにより、 日本政府内では防衛力を強化しなければならないという議論が高ま っている。 北朝鮮によってこれまでに発射されたほぼ全てのミサイルが日本に 向けられている。殆どは、日本と北朝鮮の間の海に落下したが、 幾つかは日本の上空を通過した。
北朝鮮は、在日米軍基地は、 ミサイルの潜在的なターゲットだと繰り返し述べてきた。
北朝鮮はミサイル開発の幾つかの技術的な壁を乗り越えたが、 そのため、益々緊張が高まっている。2016年4月には、 北朝鮮は初めて潜水艦からのミサイルの発射を成功させているが、 この兵器は発射されるまでその位置が分からない。
同様に、北朝鮮は、 地上を移動する車両から発射可能なミサイルも開発した。 このミサイルは高角度で打ち上げられるため、 飛行中に狙いを定めたり、破壊したりするのが困難だ。
防衛相によるミサイル防衛予算の要求は、2018年4月から始ま る会計年度の予算要求の一部だ。この予算要求には、 現状のレーダーシステムのアップグレードや、 新しいタイプのミサイルやその軌道を追跡できるシステムの開発や 、より強力な迎撃ミサイルの購入などが含まれる。
日本政府の心配の1つは、日本の現在のミサイル防衛システムが、 北朝鮮が複数のミサイルを同時に発射した場合に対応出来ないとい うことだ。今週、日本の防衛大臣は、 現在の船に搭載されているイージスミサイル防衛システムや地上に 配備されているパトリオット砲に加えて、 地上配備のイージスに投資すると語った。
防衛相は、地上配備イージスは、 韓国が導入したサードなどの他のシステムも含めて現在評価中なの で、最新の予算要求には含まれていないと語った。 イージスもサードも、ロッキードマーチンが開発した。
防衛相の予算要求概算は、2.5%増えて、476億ドルに達する 。これは、6年連続の増加だ。しかし、予算増加要求は、通常は、 12月に内閣が最終決定する前に、減額される。 単独で最も大きな要求の1つは、ロッキードマーチンから購入する 6機のF35ジェット戦闘機で、7,980億ドルだ。
防衛予算は、日本では、様々な議論を呼ぶ。多くの日本国民が、 平和憲法から離れることを嫌うからだ。この平和憲法は、 日本が第二次世界大戦に負けた後、 米国により押し付けられたものだ。
「多分、現状の防衛体制は十分ではない。しかし、 防衛はリスクヘッジに他ならず、もし完璧な防衛を求めれば、 その費用は莫大なものになる。今回の予算は、可能な中で、 最も効果的な抑止力を得られるという意味で、合理的だと思う。」 と東京の政策大学院の防衛専門家であるミチシマナルシゲ氏は言う 。
経済規模に対する日本の防衛費は、同地域の主要国の、 後塵をはいしている。日本の防衛費はGDP費で1%にすぎない。 米国では3%だ。米国は、54,000人の軍人を日本に駐留させ ており、2ヶ国間の条約によって日本を防衛しなければならない。