9月28日民進党は希望の党への合流を発表したが、WSJはこのニュースを翌29日の国際面で速報した。
小池氏は政治的スタンスは安倍首相と同じだが、安倍政権にうんざりしている国民には新鮮に映るようで、小池氏の陣営が勝利する可能性もあるとしている。また、小池氏が総選挙に打って出て、首相になる可能性も示唆している。
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安倍首相は彼の強固な権力基盤への最大の危機に直面している。野党が人気のある小池百合子東京都知事のもとに結束し始めたのだ。
安倍首相のシナリオ通り、衆議院は木曜日に解散され、総選挙は10月22日に決まった。
アナリストたちは、最初は、自民党と公明党の連立与党がほぼ間違いなく過半数を獲得するとみていた。それにより、2012年12月以来継続している安倍政権は安泰となるはずだった。
安倍首相は、今選挙を行えば、与党が分裂し、反安倍の有権者の票は分散されるだろうとみて、任期より1年以上早い10月22日の選挙に打って出た。
しかし、木曜日に最大野党である民進党が解党し、小池氏率いる新党である希望の党の名の下で選挙戦を戦う様に自党の候補者に呼びかけたことにより、安倍首相にとって厳しい戦いが見込まれることとなった。
小池氏は、2006~2007年の安倍内閣の一員であり、親米、企業寄りという意味で、安倍首相とは政治スタンスが同じだ。
にもかかわらず、安倍政権に飽き飽きしている有権者には、新鮮に映るようだ。
彼女は、しがらみを終わらせるとして、獣医学部新設に当たって友人に便宜を図ったとされる安倍首相を暗に批判した。
安倍首相は、悪いことをしたという指摘を否定しているが、月曜日にはこうした批判があるため厳しい選挙になるだろうと述べた。小池氏が首相になるためには、都知事を辞任し、10月22日の総選挙に立候補する必要がある。日本の制度では、首相は国会議員から選出されるからだ。小池氏は木曜日に、都知事の職務を継続する予定だと述べたが、衆議院選挙に出馬することを完全には否定しなかった。
小池氏の勢力が、安倍連立政権にとって、大きな敵となる可能性がある。7月の都知事選で小池氏率いる党は大勝利をおさめ、安倍首相率いる自民党は史上最少の議席しか確保できなかったのだ。
538人を対象にした毎日新聞の世論調査では、小池氏が希望の党を設立して以来、安倍首相への支持率は下がっている。毎日新聞によれば、新党の支持率は18%、自民党の支持率は29%で、多くの人が投票先を決めていない。同紙は統計の誤差の範囲を公表していない。
木曜日に安倍首相は、小池氏率いる新党は、1990年代にブームに乗って次々と設立されては消えて行った新党と同じだと、与党国会議員に向けて述べた。
「これらの新党は何をもたらしたか?混乱と不景気だ。我々は、選挙の度に、単に当選するためだけに顔を変える様な政党に、我々の子供や日本の安全保障を委ねてはならない。」と彼は述べた。